お墓参りの流れ☆子どもに教えたい7つの基礎知識
お墓参りは子ども時代から、両親に連れられて行っていた記憶がある人々も多く、馴染み深いものですよね。全国的には多くのお墓が霊園に建ちます。沖縄でも近年では県の方針により、新規の個人墓地に建つお墓が建てにくくなりました。
ですから慣れ親しんだ個人墓地のマナーではなく、「霊園での」お墓参りマナーも気にかかる方も、多いのではないでしょうか。
全国的に見ても、実は子ども時代の記憶から、「うっすらと」「何となく」その手順を覚えていて、今でもその記憶を頼りに、お墓参りをしている大人世代も少なくありません。もちろん、そこに心があれば問題はないのですが、せっかくなら、きちんとしたマナーで丁寧に故人を弔いたいですよね。
そこで今回は、大人から子どもへ教えたい、お墓参りの基本マナーと手順をお伝えします。基本的な内容ではありますが、自分達の手順が本当に合っているのかどうか、本記事をきっかけに、ぜひ確認してください。
お墓参りの流れ☆
子どもに教えたい7つの基礎知識
いつお墓参りをする?
お墓参りと言えば、昔からお彼岸やお盆など、決まった時期に行う「行事」のように考える人々が多いですよね。けれども、本当にそうでしょうか?毎年の命日の他、月命日にも欠かさずお墓参りをする人はいます。
【 お参りの時期 】
■ 一般的にはお彼岸やお盆などが多いですが、本来はいつでも、お墓参りができるのです。一方、沖縄ではお墓参りはシーミーやタナバタなど、年中行事のみ行うことを良しとしてきました。
・ 悩むところですが、門中墓であれば沖縄の習わしに従い、より個人の自由がある「個人墓」などであれば、全国的な習わしに従っても、良いのかもしれません。
…と言うのも、昔の沖縄では風葬文化があったこと、辺境にあり道のりが険しいお墓が多く、一人で訪れるには難があったことなどが、沖縄の習わしの背景にあったとも言われているためです。
そう考えると、日ごろから管理者が管理をしてくださり、また辺境ではなく、比較的安全な霊園でのお墓参りであれば、「気軽にいつでも会いに行くことができる」とも考えられます。
沖縄では「お仏壇とお墓が繋がっている」と言われていますが、もしもふと、故人を思い出したとき、悲しみがまだ癒えないとき、いつでもお墓参りをして、その想いを伝えるのも、生きている者にとっては、有難いグリーフになるのではないでしょうか。
お墓参りの持ち物
お墓参りへ行く時、お参りのための道具とともに、掃除道具も持参すると便利です。お墓参りではお墓の周りを掃除しますから、それを想定して準備をします。
【 お墓参りの持ち物 】
■ 掃除道具 ■
・ バケツやほうきの他、墓石を磨くたわしや歯ブラシ、バケツとぞうきん、雑草を処理するためのハサミなどがあっても便利です。ゴミ袋も忘れずに!
■ お供え物 ■
・ お花の他、お墓参りですので、故人が好きなもので問題ありません。お菓子やフルーツ、飲み物など、様々です。
■ お参り道具 ■
・ 最も大切なのはお線香ですが、案外困るのが火です。風が強くでも付きやすいマッチやろうそくなど、工夫して準備してください。また、全国的なお墓参りで考えると、数珠もお祈りには不可欠です。
さらに、お供え物を供えるとき、下に半紙を折って敷くのも作法のひとつですので、半紙も準備すれば安心できます。
お寺へ挨拶をする
大きな霊園など、施設によってはあまり必要ないかもしれませんが、昔ながらの礼儀として、日頃お墓を管理して下さっているご本尊へ挨拶をすると、尚良いです。特に寺院墓地(寺院境内にある墓地)では、「菩提寺」となりますから、ご住職への配慮はかかせません。
ここからは沖縄のお墓参りマナーとは違う、全国的なお墓参りマナーをお伝えしていきます。霊園では役立つことが多いので、ぜひ、参考にしてください。
【 お寺へ挨拶 】
■ ご本尊では、お彼岸などの時期には、説法や読経をしていることもあります。寺院に着いたらまず、ご本尊に挨拶、お参りするのが、昔からのマナーです。
多くの寺院で、ひしゃくや手桶、ほうきと言った、基本的な掃除道具を貸し出しているので、お借りしてお墓参りをすれば荷物も少なくてすみます。
お墓の掃除をする
お参りの前にまず、掃除をすることから始めます。ゴミや雑草を取り除き、墓石は苔や汚れをたわしでこすって落としてしまいます。
※沖縄ではお墓の掃除をする前に、ヒジャイガミ(左神)様へ手を合わせて報告をし、掃除を始めてください。
【 お墓の掃除 】
・ お墓の両脇の花入れや線香を供える台などは、歯ブラシなどで丁寧にぬめりや苔を落とし、お墓には最後に打ち水をするのが一般的です。
線香を手向ける
綺麗に掃除ができたら、お花やお供え物を置きます。お花の水は柄杓で取って、新しい水を入れなおしてください。
【 線香を手向ける 】
■ 掃除とお供えが終わったら、ろうそく台にろうそくを挿し、線香を手向けます。
前述したように、お供え物があれば、半紙を折ってその上にお供えものを置きます。
水掛けと合掌をする
お墓参りでは、お参りをする前に墓石に水を掛ける風習があります。仏教の世界にいるお腹を空かせた「餓鬼」。この餓鬼が唯一口にできるのが、墓石に掛けた水なのです。
【 お墓参りの手順 】
① まず、墓石のてっぺんから、しっかりと柄杓ですくった水を掛けます。
② それから、左手に数珠を掛け、胸の前で手を合わせて合掌をします。
お墓参りの後片付け
お墓参りで故人へのお祈りを済ませ、語り合えたら終了です。
【 お墓参りでの、後片付け 】
■ お墓参りでは、お花だけはそのまま供えて、腐りやすい食べ物などのお供え物や、お墓参りによって出たゴミを片付けて帰ります。
この時に、レジ袋などの気軽なごみ袋が複数あると、とても便利です。
いかがでしたでしょうか。現代では「自分が死んだ後は、お墓はなくてもいい!」と言う人々も増えてきましたが、全国的なお墓としては、残された者にとっては、いつでも会いに行ける「お家」のような場所が、お墓とも言えます。
そんなお墓参りは、マナーを守って丁寧に行うことで、自然と清い心にさせてくれます。時にはこのお墓参りが、日々の暮らしの習慣のひとつとなり、心の支えとなることもあるのです。
お墓参りをご縁にして、ご本尊の説法や読経にも触れ、住職様とのご縁も深くなりますよね。回忌法要(沖縄ではニンチスーコー=年忌焼香)などでお世話になることももちろんですが、様々な意味合いで、大切なご縁になることもあります。
もしもご家族が門中墓に入らず、個人で霊園や納骨堂で眠っているのであれば、本記事をきっかけにして、より気軽に故人を偲びに訪れてみても良いのかもしれません。
まとめ
お墓参りの基本の手順
・お参りは、いつでもできる
・掃除道具、線香などのお参り道具、お供え物を持っていく
・まずはご本尊に立ち寄って挨拶をする
・雑草やゴミを取り、たわしなどで墓石を磨いてお掃除を
・お花と線香を手向ける
・お供え物は二つ折りした半紙の上に置く
・墓石のてっぺんから水掛けをして、合掌
・お参り後は後片付けをする