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【沖縄の御願】ヒヌカンを本州で仕立てることはできる?

【沖縄の御願】ヒヌカンを本州で仕立てることはできる?
沖縄の御願文化の中心でもある存在が、ヒヌカンですよね。「火の神」「かまどの神」と呼ばれるヒヌカンに、台所を担う沖縄の女性は日々手を合わせてきました。
 
最近では「本州に住んでいるけれど、ヒヌカンを仕立てて拝みたい。」との声が増えました。沖縄が好きな方々や、沖縄出身で本州へお嫁に行った方など…、さまざまな立場がありますが、その答えは賛否両論です。
 
日本では無宗教が広がるなか、沖縄の御願の中心「ヒヌカン文化」を知り、「ヒヌカンに拝みたい」と考える方も増えています。
 
そこで今日は、ヒヌカンを遠い地で仕立てることについて、ユタさんや主婦など、多くの立場の方からアンケートと聞き取りを行い、その考え方と「仕立てる方法」をお伝えします。
 



 

【沖縄の御願】ヒヌカンを本州で
仕立てることはできる?

 

「沖縄の御願を本州でしたい」


「本州でヒヌカンを仕立てたい」と相談を受けた時、ユタさんおばぁ現役の主婦の方々などが集まって話をするなか、このような意見がありました。
 

【 本州で沖縄の御願を行うこと 】
 
① ユタさんは … 「ただ仕立てれば良いと言うものでもないからねぇ~。そこに神様が宿るよう、家の周りの御嶽(うたき=神様のいる依り代のこと)を巡らなくちゃならないよ~。」
 
② おばぁは … 「本州の娘にヒヌカンセットを買って、私が御嶽(うたき)を巡って送ったよ~。」
 
③ 現役主婦の女性は … 「ヒヌカンは心の拠り所だからねぇ。必要なら自分で拝んで持ち帰るのも良いんじゃない?ただ、日々拝めるかを良く考えて決めることだよ。」

 

…などなどでした。遠く離れた本州でヒヌカンを仕立てることは、言葉にすると賛否両論で、なかなか結論付けることは難しい…、それがその場にいた皆の感想でした。
 

 

土地神様をヒヌカンに迎え入れる


本州でヒヌカンに拝むことへの反対意見を聞くには、その問題は「住まいの土地の「土地神様」に拝んでヒヌカンに迎え入れる習慣があるから…。」でした。
 
つまり「本州には御嶽(うたき)がない」と言うことなのですが…、これも数人のユタさんに意見を聞くと、他の解決法を提示してくれる方もいます。
 

【 本州で沖縄の御願を行うには 】
 
① 自分の住む土地の神社を訪れ、ヒヌカンを祀ることを報告する …
 
沖縄式のヒヌカンセットを購入し、現地の神社に参ってその土地の土地神様に入ってもらう方法です。
 
② 現地の方式で、神棚を仕立てる …
 
「ヒヌカン=沖縄」のイメージが強いのですが、実は本州にも火(かまど)の神様がいます。本州に倣った神様を仕立てる方法です。
 
③ 沖縄の御嶽(うたき)を訪れてヒヌカンに迎え入れ、自宅へ持ち帰る …
 
沖縄式のヒヌカンセットを購入し、沖縄の御嶽(うたき)の神様を迎え入れます。

 

いわゆる八百万の神様、アミニズムでもある沖縄の信仰は大衆的でもあるので、伝承文化でもあります。そのため数人のユタさんに聞けば、その意見も方法も十人十色…、と言う印象です。
 
なかには「本州でヒヌカンを仕立てることは難しい」とするユタさんもいるので、最後の判断は拝む本人と言えます。
 

 

心のなかにヒヌカンを


この話が出た時に共感を得ていた意見が、ユタさんの「心のなかにヒヌカンを」との意見でした。
 

【 心のなかのヒヌカンに拝む 】
 
★ 沖縄の御願は仕立てるまではもちろん、仕立ててからも多くの拝み行事があるから、それなりに覚悟して仕立てる必要があります。
 
・ 大切なことは「拝む心」だから、心のなかにヒヌカンをイメージし、そこに拝んでも神様には届くはずです。

 

これは沖縄の主婦層にも同意見がありました。確かにヒヌカンの神様を迎え入れると言うことは、家族が一人増えるようなものです。毎月1日と15日には拝み、お供え物も欠かしません。
 
今後一生涯…、場合によっては子ども達の台所へと、永代に渡って受け継がれるものとなるので、まだ拝みの自信がないうちは、心のなかのヒヌカンに拝むのも、良いのかもしれません。
 

 

沖縄のお母さんの言葉


もうひとつ、その場で納得する方が多かった意見があります。これは「しっかりと拝んでいたのに、ユタさんに神様が入っていないと言われた~」と話す方を受けての言葉です。
 

【 沖縄の御願は、拝む人の心次第 】
 
★ 「ユタさんの言葉は大事だけど、あくまでもユタさんの言葉、それを受け入れるかどうかは、拝む人次第!
 
・ 「正直私は毎日拝んでいても神様を感じたことはない、…けれど、だからこそ、気軽に日々ヒヌカンに毎日の悩み事を話しかけることができて、良い関係を持ってる…」と言うものでした。

 

大切なことはその神様の「依り代」に、拝み手がどれだけ愛着を持ち、心の拠り所としているか、そこを通して気付いたり、メッセージを受け取るか、と言うことなのかもしれません。
 
 

 

いかがでしたでしょうか、今回は本州でヒヌカンを仕立てる有無についてお伝えしました。…とは言え、「本州に移住した子どもへ、ヒヌカンセットを贈った」と言う両親にも多く出会います。
 
もともとヒヌカンは新しく仕立てるのであれば、御嶽(うたき)を巡るなどの手順がありますが、親から子へ引き継ぐことが一般的です。この場合、実家(や義理の実家)のウコールから、神様を宿した灰をいただきます。
 
さまざまな意見があるので、そのなかのどのような意見を取り入れたいか、自分はどのように拝みたいか…、ぜひ、検討の参考にしてください。
 
 

まとめ

本州でヒヌカンを仕立てるかどうか

・人によって意見はさまざま
・住まい近くの神社で神様を迎える方法
・沖縄の御嶽から神様を迎える方法
・本州式の火の神を祀る方法
・敢えて仕立てず、心のヒヌカンへ拝む
・最終的には、拝む人の心が大事
・親から子へヒヌカン(灰)を引き継ぐ



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