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【沖縄の御願、歳時記】屋敷の神、火の神(ヒヌカン)の置き方

【沖縄の御願、歳時記】屋敷の神、火の神(ヒヌカン)の置き方
沖縄の御願では位牌はもちろん、数ある屋敷の神のなかでも重要な役割を持つ火の神(ヒヌカン)への拝みも大切なものですよね。長男が位牌を継ぐトートーメーでは、このヒヌカンも一緒に引き継ぐのが慣わし。

 

「火の神」=「火ぬ神」=「ヒヌカン」の名前の通り、この神様は家の火(かまど)を司る神様で、つまり家全体を厄災から守り、日々この家で食事を食べる家族の健康を守ってくれる神様…。そう考えると、いかに重要な存在であるかが分かるのではないでしょうか。

 

近年でもまだまだ、このヒヌカンへの沖縄での御願は残っているものの、少しずつ若い世代が住む家からは、ヒヌカンが失われつつあるのも事実。とは言え、せっかくなら伝統に倣ってヒヌカンを祀って、昔ながらの慣わしを残したいですよね。

 

そこで今回は、自分たちの世代からでも始めたい沖縄の御願、ヒヌカンの置き方、準備の仕方をお伝えします。

 



 

【沖縄の御願、歳時記】
屋敷の神、火の神(ヒヌカン)の置き方

 

ヒヌカンを迎え入れる前に


まず、昔からの沖縄の御願の風習のひとつであるだけに、ヒヌカンは「代々引き継がれて行くもの」であった事は、理解しておきたいところ。

 

【 沖縄の御願:灰の継承と現代事情 】

 

★ そのため、基本的には実家や義理の家などの旧家から、ヒヌカンを祀るための香炉の灰(ウコール)をいただくのが慣わしです。

 

・ ただし現代では、さまざまな考え方や事情から、自分たちからヒヌカンを始める…、つまりどこからもいただかない、家も増えてきました。

 

旧家から灰(ウコール)を分けてもらう際には、儀式の手順にならってお供え物などを準備して、旧家へ訪問し灰(ウコール)を小さいスプーンで三杯、いただいてきてください。(詳しくは、【沖縄の御願、歳時記】火の神(ヒヌカン)の仕立て方、をご参照ください。)

 

 

自分たちからヒヌカンを始める、現代事情


近年見られる「自分たちの家からヒヌカンを始めたい。」選択の理由として、旧家であった災いを引き継ぎたくない、などの考え方も見受けられます。ただ、基本的には灰(ウコール)をもらったからと言って、その家の災いまで引き継ぐ訳ではありません。

 

【 沖縄の御願:ヒヌカンを継承出来ない場合の対応策 】

 

★ また移住者や、親自体がヒヌカンを祀っていない…、などの事情を挙げる方々も増えてきました。

 

・ このような場合には全く新しい灰(ウコール)でも良いですし、近隣のお家から灰(ウコール)をいただくケースも見られました。

 

親しい家族がいれば聞いてみるのも良いかもしれませんが、沖縄の御願への考え方は家によって大きく違うことも…。嫌がられる事も考えられるため、相手との親密度や性格なども鑑みながら尋ねてみると、より丁寧。

 

新しく仕立てる場合には、自分たちで沖縄の御願をしても良いですし、ユタに頼む事も多いです。

 

 

ヒヌカン道具を購入したら…


ヒヌカンを祀るために必要な茶碗などの道具は、沖縄であれば仏具店へ行けば「ヒヌカンセット」なども販売されているので便利。

 

簡単にお伝えすると、チャーギなどを生ける花瓶と香炉、お酒を入れる盃、お水を入れる湯呑み、お塩を入れる器…。さらにご飯を盛り付けるためのお碗として「ウブク茶碗」を三点準備しますが、簡略してご飯茶碗にひとつだけ盛り付ける家も見られます。

 

ちなみに、香炉=「ウコーロー」、香炉に入れる灰は、良く出てくるように「ウコール」と呼ばれ、香炉自体を「ウコール」と呼ぶことも多いので、覚えておくとスムーズです。

 

【 沖縄の御願:ヒヌカン道具をきれいに 】

 

★ ヒヌカンセットなど、新しく購入してヒヌカンを仕立てる場合には、お碗などを塩水で一度洗って、十分に乾かしてからセットしてください。

 

・ その後、お供え物や花瓶にチャーギなどの植物を生けますが、このそれぞれのお供え物にも、正確には決まり事があります。(~【沖縄の御願歳時記】ヒヌカンのお供えにも決まりがある~を参照してください。)

 

 

ヒヌカンをセット、置く場所


ヒヌカン道具の準備ができたら、次は仕立てる日取りを決めなければなりません。これからずっと家を守ってくれるヒヌカンを迎えるのですから、他のイベント事がある忙しい日は避け、大安などの良い日取りを選んでください。

 

ちなみに沖縄の御願では、ヒヌカンを仕立てる日に限らず、家族の生まれ干支の年や日にちを気にしていますので、家族の干支の日も避けた方が丁寧。

 

【 沖縄の御願:ヒヌカンを置く場所 】

 

★ ヒヌカンは火の神様だけに、コンロ周辺に供えるもの。多くの家庭でコンロの左脇の隅や、コンロ上などに鎮座しています。

 

・ さらに意識したいのが、ヒヌカンの向き。東から南向きの、風水的に良い方向へ顔を向けてセットしてください。

 

ちなみにヒヌカンの顔の見分け方はウコールの足。二本見える向きが正面であり、このウコールを中心にセットすれば、ヒヌカンを拝む準備が出来上がります。

 

 

 

いかがでしたでしょうか、全国的にも仏事や神事に関しては細やかな決まり事があるように、沖縄の御願でも準備をするものや供え方、配置の仕方から、拝む手順まで、丁寧に行おうとすれば、事細やかな決まり事が多いもの。

 

そのため、一記事ではなかなかお伝えしきれず、今回は配し方のみをお伝えしました。拝み方やヒヌカンそのものに関してなど、他記事でもお伝えしていますので、より詳しく知りたい方は、他記事も参考により理解を深めて行くのも良いかもしれません。

 

ただ、やはり地域や家でもさまざまに違う沖縄の屋敷の御願、沖縄の方々でもよりカジュアルにヒヌカンを仕立てる家も増えてきました。基本を押さえていれば、自分たちの判断で出来る範囲で丁寧に拝むことも、ひとつの方法。

 

ぜひヒヌカンへの理解を深めながら、拝む心を大切にヒヌカンを迎え入れてみてください。

 

 

まとめ

ヒヌカンの準備の仕方

・もともとはウコールは引き継いだもの
・近年では新しく仕立てる家もある
・ヒヌカンの道具は塩水で洗って乾かす
・コンロ周辺の東から南向きに配置する

 



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