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【沖縄の御願】ヒヌカンの拝みで唱える「グイス」とは

【沖縄の御願】ヒヌカンの拝みで唱える「グイス」とは

ヒヌカンに限った話ではないのですが、沖縄でおばぁの御願に立ち会うと、何を唱えているのか…、気になる方も多いですよね。
 
今では現代の言葉で拝む女性も多い一方、おばぁの拝みでは昔ながらのうちなーぐち(沖縄の言葉)を話すため、今の人々には分からないことが多いです。
 
せっかくヒヌカンへ拝むのですから、内容だけでも昔から伝わる言葉で伝えたいですよね。そこで今日は、昔から伝わるヒヌカンへの拝みの言葉「グイス(祝詞)」をお伝えします。
 



 

【沖縄の御願】ヒヌカンの拝み☆
唱える「グイス」とは

 

ヒヌカンへの拝みの「グイス」


沖縄では拝みの際に決まった言葉があり、これをグイスと言います。本州で伝わるところの祝詞と同じです。
 
ただ、一般的にはおばぁも沖縄言葉ながら、そんなに畏まって話してはいません。「内容さえ同じであれば…。」と言う感覚です。一言一句を気にして唱えるのは、拝みの役割を担うユタやノロの方々が多いのではないでしょうか。
 

【 ヒヌカンでのおばぁ達の拝み言葉 】
 
★ 一般的には高齢のおばぁ達のなかには気にする方もいる一方、内容を踏まえつつ、自分なりに唱えている女性が多いです。
 
・ ヒヌカンへの拝みの日…、毎月旧暦1日・15日では、基本のグイスをおおまかに唱えつつ、その時々の気になる事柄(チムガカイ)を自分なりに話しています。

 

とは言っても、基本の内容を理解することは大切ですよね。旧暦1日・15日の基本的なヒヌカンへの拝みの言葉(グイス)をお伝えします。
 

 

神様の名前を唱え、所在を伝える


まずは神様のお名前を伝えることから始まります。
 
一般的には「ヒヌカンガナシー(火の神様)」と唱えるのみですが、伊平屋など一部では、ヒヌカンは「お通し処(ウトゥーシドゥクル)」であるため、他の神々への取り次ぎをお願いする地域もあります。
 

【 ヒヌカンへのグイス①:お名前と所在 】
 
「ウートゥートゥー、ヒヌカンガナシー
 
(あな尊き 火の神様)
 
チュウヌーウカルヒ ○○デスダチグンシャイブル、△△ヌチネーサンムトゥ ヤイビイン。
 
(今日の良い日に〇〇で育ってきました、△△家の者でございます。)」

 

取り次ぎをお願いする地域では、「ウミチムンヌシジ(火の神様)、ウンチキミガナシー(海の神様)・ウティンガナシー(天の神様)、ウトゥイチヂェーアギヘンナ(お取り次ぎください。)」と添えます。
 
ちなみに「ガナシー」は敬意を表す言葉で「様」の意味合いです。
 

 

今日の拝みの意味と、お供え物を報告


続いて、今日が1日(15日)の拝みの日であることを伝え、供えたお供え物の内容を伝えます。この流れは旧盆などの大きな旧暦行事でも同じです。
 

【 ヒヌカンへのグイス②:今日の日とお供え物 】
 
「チュウヤー チィタチ(ジュウグニチ)ディービル。
(今日は、1日(15日)です。)
 
マンヌースリカバサウコー、ビンス ウブク ウサギャビーグトゥー、ウキトイジュラサーウタビミスーリー。
 
(香り高きウコー、ビンス、ご飯をお供えしましたので、どうぞ受け取ってください。)」

 

 

穏やかに過ごせるよう、祈願する


「祈願する(御願を立てる)」と言いますが、何も「〇〇になりたい!」とか「○○が欲しい!」などではありません。
 
沖縄の御願では「世界が幸せになれば、自分達も幸せになる」考え方があるので、今日も家族が穏やかに過ごせるよう、見守ってもらうよう、お伝えしてください。
 

【 ヒヌカンへのグイス③:祈願 】
 
「サンドゥヌーメーヌンヤァ シリラチクミスーリー。
三度のお食事も 知らせてください。)
 
シシハダ ニクハダ、トゥラチクミスーリー。
お肉などのごちそうも、取らせてください。)」

 

「三度のお食事も知らせてください」は「三度の食事に困ることのないようにしてください」の意味合いがあります。
 

 

地域によって違うグイス


…これが1日15日に拝む一連のグイスとその内容ですが、前項でお伝えしたように、今は自分の気になることを祈願することが多いです。
 

【 ヒヌカンへのグイスは地域で違う 】
 
★ 例えば、伊平屋などの一部地域では神様への取り次ぎへのグイスを長く唱えた後、長生きを願います

 

また、「三度の食事を知らせてください」が昔ながらのグイスですが、今では家族の安全など、現代に見合った拝みを捧げます。
 
 

 

いかがでしたでしょうか、今日はヒヌカンの拝みで唱えるグイスについてお伝えしました。
 
とは言え、現代では本文でお伝えしたように、家や地域によってもさまざまなグイスがある上に、忠実なグイスで実践する女性はごく少数ではないでしょうか。
 
①神様のお名前②自分の住まい③拝みの意味合い④見守ってくださるようお願いする…、この流れで拝めば、それが拝みのおおまかな流れです。
 
また日々の拝みも含めて、拝みの際にはヒヌカンへ気になる事柄などを語ります。(愚痴や悪口は厳禁です!)
 
 

まとめ

1日15日で唱えるグイスの内容とは

・今では現代語でおおまかに唱える
・神様のお名前、自分の住まいを伝える
・本日が拝みの日であることを伝える
・お供え物を受け取っていただくよう伝える
・日々見守っていただくよう、祈願する
・今は気になることを自由に語る女性も多い



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