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沖縄の線香「ヒラウコー」☆御願内容で違う本数②

沖縄の線香「ヒラウコー」☆御願内容で違う本数②
ヒラウコー(平御香=沖縄線香)については、先日「沖縄の線香「ヒラウコー」☆御願内容で違う本数①」でお伝えしましたが、沖縄のヒラウコーは奥が深いですよね。

 

先日の記事でお伝えした、お仏壇・ヒヌカンへ供える本数や意味合いの他、沖縄では「御願文化」が現代まで残るため、その旧暦行事や御願内容によって、さまざまな供え方があります。

 

けれども、全てをお伝えするのも「ややこしい!」と匙を投げたくなる方も、多いのではないでしょうか。

 

そこで今日は、沖縄の御願においてよく使われる、ヒラウコーの「呼び名」について、その意味合いと共にお伝えします。ぜひ、気軽に立ち寄ってみてください。

 



 

沖縄の線香「ヒラウコー」☆
御願内容で違う本数②

 

十二本・十五本の次に多い、「ジュウナナフン」


日ごろの暮らしのなかで、お仏壇へ御先祖様への拝みに用いる本数は、「ジュウニフン(十二本)」、ヒヌカン(火の神)など神様へ用いる本数は、「ジュウゴホン(十五本)」ですよね。

 

これらの本数に続いて、良く用いられる本数が「ジュウナナフン(十七本)」です。

 

【 ヒラウコーの本数、「ジュウナナフン(十七本)」 】

 

★ 十七本ウコーは「ジュウナナフン」と呼ばれ、ヒラウコーは六本が一枚になっているので、タヒラ(二枚)+半ヒラ(三本)+二本に割って供えます。

 

・ 御願のなかでも、「恐れ御願」や「解き御願」、「下げ御願」などに用いる本数で、カミンチュ(神人)や拝みに慣れている方々が用いる方が良いです。

 

…後にお伝えする二十四本・三十六本に比べると、ジュウナナフン(十七本)は、より一般の人々も用いることが多い本数ではあります。

 

※ ちなみに、「解き御願」は年末に祈願事を「解く」御願で、「下げ御願」は、一度お願いした祈願事をキャンセルする(下げる)御願です。

 

 

沖縄の御願文化で重要な「七」


沖縄ではお供え物の重箱料理のおかずの品目が奇数と定められていたり、何かと「奇数」を大切な数字としますが、特に「七」は「後生(あの世)と現世を繋ぐ」神秘的な数字として用いられてきました。

 

そんな「七」ですから、やはり、「ナナフンウコー(七本御香)」も、御願内容によって使い分けます。

 

【 ヒラウコーの本数、「ナナフンウコー(七本御香)」 】

 

★ 「ナナフンウコー(七本御香)」では、六本が一組の板状になっているヒラウコーを、四本分(2/3)を一片半分(半ヒラ=1/2)を一片の、二片を拝します。

 

・ 故人の魂は「七つの役場(七役場)」を通って、後生(ニライカナイなどの「あの世」)へ行きます。そのため七役場への御願では「ナナフンウコー」で拝みます。

 

…お供養事や暮らし事ではないですが、沖縄の拝み処には「七龍宮(リュウグ=海の神)」様や、「七底」「七宮」などなど…、「七」の拝み処が見られ、ここではナナフンウコーを用いることが多いです。

 

 

「三本」は「その他家族」だけではない


沖縄のヒラウコーの扱い方では、一般的に「サンブンウコー(三本御香)」は、御願を中心で行う家長以外の人々が拝するヒラウコーの本数として、知られています。

 

たら、この「サンブンウコー」にも意味合いがあり、そればかりが用途ではありません。

 

【 沖縄のヒラウコー、「サンブンウコー(三本御香) 】

 

★ 神様への御願では「ジュウゴホン(十五本)」とも言いますが、「『ジュウニフン(十二本)』に『サンブンウコー(三本御香)』を加える」とも言います。

 

・ この時の「サンブンウコー(三本御香)」には、ミティン(三天)の神様へお通しをする意味合いがあり、用いるのは特別に祈願事がある、特別な祈願事がある時です。

 

ちなみに「ミティン(三天)」は、この世の三つの要素で、「ジーチ(地)」・「ウティン(天)」・「リュウグ(龍宮=海)」を差し、沖縄の御願文化では、よく見聞きする神様です。

 

そんな「サンブンウコー(三本御香)」は、特に沖縄の人々にも馴染みが深く、他にも「チジウコー」などとも呼ばれてきました。

 

 

「ウグァンブスク」には「九本」


沖縄では「ウグァンブスク」との言葉がありますよね。これは「御願不足」と書き、(御願のしきたりが多いためか…)、沖縄の人々は「御願が足りない」、「間違えている」を恐れる傾向にあります。

 

【 沖縄のヒラウコー、「キュウフンウコー」 】

 

★ 「キュウフンウコー(九本御香)」は、半ヒラ(半分)を三片拝する方法で、主に恐れ御願の際に祟りを恐れ、一緒に供えることが多いです。

 

・ 「手落ちや不足があれば、『クブン ジュウブン(九本十本)』補わせてください。」と拝みます。

 

霊の恐れや祟りを恐れて来た沖縄では、恐れ御願の手落ちや不足によって、生霊や悪しき霊に祟られることのないよう、御願時に一所に不足を補うよう、キュウフンウコーを供えました。

 

 

このように、日ごろの沖縄の旧暦行事やお供養でのヒラウコーの本数は、家長がタヒラ(二枚=ジュウニフン・十二本)、もしくはジュウゴフン(タヒラと半ヒラ=十五本)ですが、内容によっては違う本数も用います。

 

ただ、焼香客が大勢集まる葬儀やシジュウクニチ(四十九日)では、「トゥチウコー(解御香)」と言って、一本ずつ溝から割って用いる方法も多いです。

 

現代ではトゥチウコーではなく、最初から本州の日本線香を用いることも多くなりました。(これを「イッポンウコー(一本御香)」とも言います。

 

また、カミンチュ(神人)は御願内容により、ニジューシコー(二十四香)やサンジュロッポー(三十六本)を用いることもありますが、一般の人々には「モチウブリ」(持ち溺れる)と言われ、良しとされません。

 

 

まとめ

沖縄のヒラウコーの扱い方

・十七本は「解き御願」や「下げ御願」
・七本は「七役場」「七龍宮」などに拝む時
・三本は「地・海・天」の神々を意味する
・九本は御願の手落ちや不足を補う時に用いる
・一本は葬儀やシジュウクニチで用いる
・二十四本・三十六本は一般人は危険



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