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【沖縄の御願】旧暦1月後半に行う拝み、年間行事とは

【沖縄の御願】旧暦1月後半に行う拝み、年間行事とは
沖縄の御願行事は旧暦で行いますが、旧正月の後となる旧暦1月の後半にも、十六日(ジュウルクニチー)のお墓参りなど、八重山諸島や沖縄本島の一部地域では、続いて大きな拝みがありますよね。

 

沖縄の御願行事は昔から現在まで変わらず馴染みがあり、後々まで繋いで行きたいものです。

 

ただ近年では、都心部や若い世代を中心にして、「おばぁとともに拝んで来たものの、自分が中心となって行うにしては、曖昧で不安…。」と言う方も増えてきました。

 

家や地域で引き継がれ続けてきた沖縄の御願ですが、基本を理解して自分なりに執り行いたい方も多いですよね。そこで今回は、沖縄の御願、旧正月を終えた後となる後半の年間行事をお伝えします。

 

ちなみに、旧正月~旧暦1月15日までの沖縄の御願行事に関しては、別記事「【沖縄の御願】旧暦1月の年中行事。旧正月や七日の節句」でお伝えしていますので、ご参照ください。



 

【沖縄の御願】旧暦1月後半に行う拝み、 年間行事とは

 

変わらず行う、ヒヌカンへの拝み


沖縄の年間行事の御願として、ヒヌカンのお出迎えである「下天の拝み」なども行いますが(旧暦1月4日)、それとは別に日頃の沖縄の拝みの習慣は1月も変わらず行います。

 

【 沖縄の御願、ジュウグニチの拝み 】

 

★ 沖縄では毎月の御願の習慣として行うのが、チィタチ(=1日)とジュウグニチ(=15日)のヒヌカン(火の神)とお仏壇への拝みです。

 

・ この日には日ごろのお酒や塩、水などをキレイに整えて、ヒヌカンへは白ウブク(白ご飯)3膳、お仏壇へは白ウブク2膳をお供えして拝んでください。

 

日ごろからお供えしている塩は固まりやすいです。硬くなっていたら交換をして、お酒も一度全て捨てて取り換えます。ヒヌカンへはヒラウコータヒラと半分(2枚と半分)、お仏壇へはタヒラです。  

 

「グソーの正月」、ジュウルクニチー


旧暦1月後半の最も大きい沖縄の御願行事が「グソーの正月」とも言われる旧暦1月16日に行われる「十六日(ジュウルクニチー)」です。

 

「グソー」とは沖縄の方言で「あの世」、つまり「グソーの正月」とはあの世の正月を指していて、特に宮古島などの離島地域では盛大にお墓参りを行います。

 

【 沖縄の御願、ジュウルクニチー 】

 

★ 本島地域ではジュウルクニチーよりも清明祭(シーミー)が盛んな地域が多いですが、家族を亡くして間もない時期である三年忌までは、故人を偲んでお墓参りをする家も多いです。

 

・ また、家族を亡くして初めてのジュウルクニチーは「ミージュールクニチー」と言い、重箱のお供え物「ウサンミ」も用意する大きな御願行事となります。

 

ジュウルクニチーのミーグスク


前項でも少し触れましたが、ジュウルクニチーは本島よりも八重山諸島地域で盛んなお墓参り行事です。ただ、沖縄本島には宮古島や石垣など、八重山諸島などから移住してきた人々によるジュウルクニチーは盛大なものとなります。

 

【 沖縄の御願、ミーグスクのジュウルクニチー 】

 

★ ただ、離島から移住してきた本島地域の方々は、お墓参りには行けません

 

・ そのため、那覇市のミーグスク(三重城)では八重山諸島などから移住してきた方々が島ごとに集まって、自分達の故郷へ向って御願を行う光景が見られます。

 

この日には、重箱料理のウサンミも用意して、一族皆で賑やかに宴(ウサンデー)を催す姿も見られるかもしれません。  

ジュウハチヤの拝み


旧暦の1月、5月、9月の18日には、観音様が祀られている家では「ジュウハチヤ(十八夜)拝み」と呼ばれる観音様への拝みを行います。

 

【 沖縄の御願、ジュウハチヤの拝み 】

 

★ 子どもが病弱だったり、子年に生まれた子どもがいると、観音様を巡る家も多いです。

 

・ 観音様へはお酒にカラミハナ(炊く前のお米)、アライミハナ(七回すすいだお米)、果物の盛り合わせをお供えします。

 

観音堂へお参りする際にもお供え物を持って行く家が多いですが、炊いたご飯(ウブク)、果物の盛り合わせとおまんじゅうを準備することが多いです。  

 

旧正月の終わり、二十日正月


続く旧暦1月20日は、旧正月の正月飾りを片付ける「ハチカソーグァッチ(二十日正月)」があります。

 

【 沖縄の御願、ハチカソーグァッチ 】

 

★ 沖縄でも北部地域では旧暦1月14日の「ソーグァッチグァー(小正月)」に片付ける家もありますが、一般的にはこの日に正月に区切りを付けることが多いです。

 

・ ヒヌカン(火の神)にはお酒に料理(豚の三枚肉の煮つけなど)、お仏壇には同じくお酒や料理の他、酢の物などの「ウサチ」など、副菜をお供えします。

 

この日、那覇市辻地域では「じゅりぅま」と言うお祭りも催され、同じく那覇市の首里地域では芋の練り物料理である「ターンムニー」をお仏壇にお供えする家が多いです。

 

 
 

  いかがでしたでしょうか、今回は沖縄の御願行事のなかでも旧暦1月15日からの後半に行われる拝みをお伝えしました。旧暦1月前半には旧正月や七日の節句、小正月などもあるため、1か月を通して賑やかです。

 

ただ、観音様への拝みや、1月前半に行われる関帝への拝みなどは、それらを祀っている家や、宗家のみが拝みを捧げることが多く、全ての沖縄の家庭で御願を行っている訳ではありません。

 

核家族化が進む中、昔ながらの沖縄の御願行事も都心部を中心に薄れ始め、新暦に倣った全国的な風習も多く見られるようになりましたが、現在でも南部や北部などの地方では地域で盛り上げる沖縄の御願も少なくはありません。

 

新暦のお正月に飾った正月飾りを、旧正月まで飾り続ける家も多く、全国的な冬にはない、独特な沖縄の旧暦に倣った御願を垣間見ることができます。

 

本記事を参考にして、今でもまだまだ馴染みの深い沖縄の御願行事を行ってみてはいかがでしょうか。

 

 

まとめ

沖縄の旧暦1月後半の御願行事

・毎月行う15日のヒヌカンへの拝み
・三年忌頃までは大切な十六日の墓参り
・離島地域では十六日は盛大に行う
・観音様を祀る家では十八夜拝み
・二十日正月で正月飾りを片付ける

 



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