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沖縄の旧盆③ナカビ(中日)の過ごし方|仏壇へのお供え・親戚まわり・御膳の準備まで解説

沖縄の旧盆③ナカビ(中日)の過ごし方|仏壇へのお供え・親戚まわり・御膳の準備まで解説
◇沖縄の旧盆「ナカビ(中日)」は、ご先祖様と最もゆっくり過ごせる一日。
…旧盆3日間の真ん中にあたるナカビ(中日)(沖縄方言で「ナカヌヒー」)は、朝・昼・夕と三度の御膳を仏壇に供えながら、ウンケーで迎えたご先祖様と一日を共に過ごす日です。

 

●仏壇のない分家にとっては、本家(ムチスク)へお中元を持って挨拶に伺う日でもあります。
そうめんやぜんざいを振る舞われて親戚と顔を合わせる、旧盆の中でも人の行き来がいちばん多い一日でもあります。

 

この記事では、2026年のナカビ(中日)の日程や供え物の基本、現代風の献立アイデア、お中元のマナーなど、初めての方にも分かりやすくご紹介。伝統を大切にしつつも、今の暮らしに寄り添う「ナカビ(中日)(ナカヌヒー)の過ごし方」を、一緒に見ていきましょう。
 

※本記事は、公益財団法人「沖縄県メモリアル整備協会」が作成しています。地域の習わしを大切に、沖縄の暮らしに根ざした情報をお届けします。(2026年7月6日更新)

 



 
 

2026年沖縄旧盆のナカビ(中日)はいつ?日程と全国のお盆との違い


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2026年のナカビ(中日)は8月26日(水)

◇沖縄の旧盆は、旧暦7月13日から15日にかけて行われます。
本州の「8月15日お盆」とは異なり、旧暦で行われるので、毎年日付が変動します。
2026年、今年の沖縄旧盆の日程は以下のとおりです。
 

 ●ウンケー(御迎え):2026年8月25日(火)
 ●ナカビ(中日・ナカヌヒー):2026年8月26日(水)
 ●ウークイ(御送り):2026年8月27日(木)

 
旧盆三日間は、ご先祖様が家庭に戻り、家族とともに過ごす大切な時間です。ウンケー(御迎え)でご先祖様をお迎えし、ナカビ(中日)におもてなしをして共に過ごし、ウークイ(御送り)でお見送りをします。
 

●ナカビ(中日)は、朝から晩までご先祖様が家に滞在している日とされ、仏壇への御膳(ウサギムン)や訪問客のおもてなしを通して、一日中にぎわいが絶えません。

 
なお、旧盆の日程は旧暦を基準にしているため、年によって新暦上のタイミングが大きく変わることがあります。カレンダーに旧暦表示がない場合は、事前に確認しておくと安心です。
 

 

 
 

全国のお盆との違い|迎え火・送り火をしない沖縄

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◇日本全国のお盆には「7月盆(新盆)」と「8月盆(月遅れ盆)」があります。
多くの地域では毎年8月13日〜16日に「月遅れ盆」が行われます。
 

 ●8月13日(迎え火・お迎え)
 ●8月14日・15日(中日・滞在)
 ●8月16日(送り火・お見送り)

 
中日である14日・15日は、ご先祖様と家庭でゆったり過ごし、食事を供えたりお墓参りをしたりするのが一般的です。
ただし沖縄では、本州と異なり「迎え火・送り火」の風習はなく、仏壇を中心に行事を進めます。
 
また、本州のお盆が多く「帰省」や「墓参り」に重きを置くのに対し、沖縄の旧盆は「親戚や本家との交流」「ご先祖様との共食」に重点が置かれ、より家庭内での行事色が濃いのも特徴です。
 
 

初めての沖縄旧盆ナカビ(中日)|仏壇へのお供え物(ウサギムン)と御膳の基本


初めての沖縄旧盆ナカビ(中日)|仏壇へのお供え物(ウサギムン)と御膳の基本
◇ナカビ(中日)(ナカヌヒー/中日)は、ご先祖様と一日を共に過ごす、旧盆3日間の中でも特別な日です。
旧盆が3日間日程の家では、訪問したご先祖様が、一日中ゆっくり過ごせる唯一の日、朝から晩まで、家庭でのおもてなしが欠かせません。
 
ここでは、初めて沖縄の旧盆を迎える方のために、ナカビ(中日)の日に行うお供え物「ウサギムン」や御膳の基本、拝み方の言葉(グイス)などを、画像と共にわかりやすく解説します。
 
 

ヒヌカンへのご報告をする人は?

◇ナカビ(中日)の朝は、まず台所の火の神様「ヒヌカン」へのご挨拶から始まります。
前日にウンケーを済ませていれば簡略な拝みで問題ありませんが、朝一番にお水(ミジトゥ)とご飯(ウブク)を取り替え、感謝と報告を伝えます。
 

拝む際は以下のような言葉を唱えることが多いです:
 
「ウートゥートゥー、ヒヌカンヌ ウカミガナシー。
 
チューヤ ナカビヌヒ ナトゥーリビン。
 
ウブンヌ ウトゥムチ リッパニシミティ クィミスーリー
 
(今日は旧盆のナカビ(中日)です。
お盆のおもてなしが無事にできますように)」

 
伝統的には台所を担う女性が行ってきましたが、現代では台所を担当する家族なら性別に関係なく行ってかまいません。
 
 

中日の御膳|朝・昼・夕ご飯の献立例と意味

中日の御膳|朝・昼・夕ご飯の献立例と意味
◇ナカビ(中日)では、朝・昼・夕の三食を「お供え物(ウサギムン)」として仏壇に供えます。
朝一番にナカビに御膳を供える時には、ウチャトゥ(お茶)を2杯供えて、「ドーリン ウダガミティー クィミスーリー(どうぞお召し上がりください)」と添えると良いでしょう。
 

【朝食:ヒティミティムン】
 ・ご飯(またはお粥)
 ・味噌汁(豆腐・アーサなど)
 ・ウサチ(酢の物)

 
朝一番にウチャトゥ(お茶)を供えてから少し経った後、ヒラウコー(平御香)を2枚立てて供えます。
 

【昼食:アサバン】
 ・スーミン汁(温かい素麺汁)
 ・ウサチ(酢の物)

 
家族や訪問客へのもてなしとしても定番。にゅう麺スタイルで気軽に振る舞える料理です。
 

【夕食:ユウバン】
 ・ご飯
 ・煮付け(豚の三枚肉、大根、人参など)
 ・味噌汁(またはイナムドゥチ)

 
夕食は翌日のウークイの準備も兼ねて、煮物を早めに作る家庭が多く、ジューバク(重箱)の取り分けにもなります。
 

【スタッフの豆知識】
今の「ソーミン汁」は、そうめんにかつお出汁のつゆをかけて具を乗せたシンプルな一品ですが、もとは「如意素麺(ルーイゾーミン)」という、かつて琉球王朝でも供された、お祝いの席のおもてなし料理でした。
 

ポイントは、豚肉とかつおでとる出汁。豚肉を茹でて出汁を取り、その豚肉は賽の目に切ってウンケージューシーの具にも使います。
この豚出汁は、ジューシーを炊く時にも、ソーミン汁(スーミン汁)の出汁にも使う、いわば旧盆料理の”要”のような存在です。
かつおも、大きな一袋をたっぷり使って出汁を取ります。

 

今では家庭ごとに好きな具材を入れることが多いですが、本来の如意素麺は、豚肉・しいたけ・錦糸卵・にらやにんじんなどの細切りを彩りよく盛り付ける、華やかなお祝い料理なんですよ。

 
 

お味噌汁や煮つけ料理|ウークイに備えた準備

お味噌汁や煮つけ料理|ウークイに備えた準備<
◇ナカビ(中日)の夕食は翌日、沖縄の旧盆最終日に供えるウークイ(御送り)で出す重箱料理に詰めるご馳走「ウサンミ(御三味)」の仕込みを兼ねると良いでしょう。
昆布・豆腐・冬瓜(シブイ)などを使った煮付け料理は、取り分けて供える「ウチャワキ」としても用いられます。
 
また、沖縄ではイナムドゥチ(白味噌仕立ての豚汁)もハレの日の料理として定番。味噌汁を工夫して、供養とお祝いの両面を大切にしましょう。
 
 

「お祝い膳」としての配慮|イナムドゥチや結び昆布も良い!

◇旧盆は弔いではなく、「おもてなし」や「お祝い」の意味合いが強くあります。
そのため、ナカビ(中日)の料理も「ハレの日の膳」として工夫されます。
 

 ●昆布は「結び昆布」として縁起物に
 ●赤色の芋(紅芋や田芋)は祝いの色とされる
 ●味付けは優しく、品数よりも心を大切に

 
こうした食材を通して、ご先祖様への感謝と敬意を伝えることが、ナカビ(中日)の大きな意味です。
 

 
 

ナカビ(ナカヌヒー)で供える時に拝む言葉(グイス)は?

◇お供えの際は、地域によって異なる「グイス(拝み言葉)」を用いて、ご先祖様に語りかけます。
 

代表的な例:
 
「ウートゥートゥー ウヤフジガナシー、
マグクルクミティ アサバン ウサギティーイ ビングトゥ。
ウキトゥイジュラスァ ウタビミスーリー。」
 
(尊きご先祖様、真心をこめた昼食をお供えします。どうぞお受け取りください)

 
グイスは沖縄方言ですが、現代語で「お昼ごはんをお供えします。召し上がってくださいね」と語りかけるだけでも問題ありません。ご先祖様との心の対話が大切です。
 
 

ナカビ(中日)のお中元と親戚まわり|沖縄の風習とマナー


旧盆中日「ナカビ」|ご先祖様と過ごす時間と親族の訪問
◇沖縄の旧盆中日「ナカビ(ナカヌヒー)」は、分家が宗家(本家)へ挨拶まわりをする日でもあります。
親戚まわりには「お中元」として手土産を持参するのが一般的で、ナカビ(中日)の朝から数件の家を訪問することも珍しくありません。
本項では、お中元の相場やマナー、訪問時のふるまい、お仏壇への供え方の注意点について、初めての方にも分かりやすく解説します。
 
 

お中元の相場とおすすめ品|宗家で喜ばれるものは?

◇沖縄の旧盆ナカビ(ナカヌヒー)では、仏壇のある家(ムートゥヤー/ムチスク)へ、分家や親戚が「お中元(手土産)」を持って挨拶に訪れるのが一般的な習慣です。
これは全国的なお中元の本来の形に近く、「直接訪問して手渡す」という風習が今も色濃く残る点が特徴です。
 
お中元の金額相場は1件あたり1,000円~高くても3,000円前後と、全国平均よりも控えめ。この金額内であれば、ムートゥーヤーでもお返しの気遣いをする必要がありません。
 
また、これは複数の家を訪問するケースが多いためで、数件をまわっても負担になりにくいよう、比較的手頃な品を選ぶ傾向があります。
 

【宗家で喜ばれるお中元の品例】
 
 ● 分けやすく日持ちするもの
 ・個包装の焼き菓子やクッキー
 ・海苔・かつおぶし・お茶漬けなどの乾物類
 ・缶詰やインスタント食品(保存が利く)
 
 ● 実用性のある日用品
 ・洗剤や石けんなどの消耗品
 ・ティッシュやキッチンペーパーなどの家庭用品

 
お中元の品の上に「あの世のお金」とされるウチカビ(打紙)を添える家庭もあり、これは「贈り物をご先祖様にも届ける」という思いの表れです。
 
なお、最近は訪問が難しい場合、事前に郵送でお中元を送る家庭もあります。この場合も、受け取ったムートゥヤー側で仏壇に供えてお線香をあげ、送り主の名前や干支を報告するのが正式な作法とされています。
 

 

【お客様の体験談】
「忙しくて、旧盆もナカビ当日になってから、お中元の手土産を買い忘れていたことに気付くこともあります。
 
それでも沖縄では、旧盆当日にスーパーへ行くと『お中元コーナー』が設けられていて、予算内でちょうど良い品が並んでいるので、直前でも十分間に合います。
 
我が家では、先方に気を使わせないよう、予算は1,000〜2,000円ほどに設定していますが、これが沖縄の平均的なお中元相場なので、その価格帯でもたくさん種類があって助かります。
 
訪問先の家族構成に合わせて、子どもが高校生のお宅にはお弁当用にとシーチキンセットを、小さい子どもがいるお宅にはジュースパックやお菓子を選ぶと喜ばれます。大人だけのお宅には、ビールが何より喜ばれますね」とのこと。

 
 

訪問時のふるまい|にゅう麺やぜんざいでおもてなし

訪問時のふるまい|にゅう麺やぜんざいでおもてなし
◇ナカビ(中日)の日中は親族の訪問が続くため、宗家では昼食やおやつの時間帯に「ふるまい料理」でおもてなしをします。
お昼時であれば、素麺を温かい出汁で仕立てた「スーミン汁(にゅう麺)」が定番。あっさりしていて食べやすく、準備もしやすい料理です。
 

● おもてなし料理の例
・にゅう麺(スーミン汁)
・手作りまたは市販の沖縄ぜんざい
・お団子(みたらし・きなこ・あまがし風)

 
おやつ時には、金時豆を使った沖縄ぜんざいなどを用意する家が多く、手作りにこだわる家庭もあれば、市販品を上手に活用する場合もあります。
近年では気軽なお菓子やアイス、ケーキを出す家庭も増え、形式にとらわれすぎず「もてなす心」を重視する傾向にあります。
 
 

仏壇へのお供えマナーと注意点|手渡しではなく一度お供えするのが基本

◇分家が宗家を訪問する際、持参したお中元はすぐに手渡すのではなく、まずはお仏壇へ供えるのが沖縄旧盆のマナーです。
訪問先の家族に「お仏壇へお供えさせてください」と伝え、拝みの後にお供えします。
 

【仏壇へお中元を供える手順】
 
①ご先祖様に「誰からの品か」を報告
②お線香を供える(ヒラウコー半ヒラまたは日本線香1〜3本
③ウートゥートゥー(合掌して拝む)
④ウチカビ(打ち紙)を3枚添える

 
なお、訪問できない分家から届いたお中元も同様に仏前に供え、代理でお線香をあげておくのが丁寧な対応です。添えたウチカビは最終日のウークイで焚き上げます
 

[あの世のお金ウチカビについて詳しく]
ウチカビやヒラウコーの疑問。意外と曖昧な5つの事とは

 
 

まとめ|沖縄の旧盆「ナカビ」はご先祖様と心を通わせる大切な一日


まとめ|沖縄の旧盆「ナカビ」はご先祖様と心を通わせる大切な一
沖縄の旧盆2日目「ナカビ(ナカヌヒー)」は、迎えたご先祖様と心静かに過ごす、特別な行事の一日です。仏壇への供え物(ウサギムン)や三度の御膳、お中元や親戚まわりなど、旧盆行事で行われる伝統的な風習の中には、ご先祖様や家族とのつながりを感じる温かな意味が込められています。
 
一方で、現代の暮らしに合わせた「今風の進め方」や市販品の活用、訪問の簡略化など、形式にとらわれず“気持ち”を大切にするスタイルも広がっています。
 
仏壇を持たない家庭も、できる範囲で感謝の気持ちを表すことで、ご先祖様とのご縁をしっかりと結ぶことができます。2026年沖縄旧盆の2日目「ナカビ(中日)」には、ぜひそれぞれの家庭らしいやり方で、ご先祖様と心を通わせるひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。
 

 
 

【監修者:東恩納 寛寿(ひがしおんな ひろひさ)】
東恩納写真
公益財団法人 沖縄県メモリアル整備協会 終活支援部長

 

●経歴
19XX年、沖縄県名護市出身。
米国・南ユタ大学コミュニケーション学部卒業。
県内大手建設会社勤務を経て、2007年に公益財団法人 沖縄県メモリアル整備協会に入社。長年、お墓の企画提案や販売業務の第一線に従事し、中城メモリアルパーク所長を歴任。現在は終活支援部長として、沖縄の供養文化と現代のニーズを繋ぐ活動に注力している。

 

●資格・活動
・終活カウンセラー1級(沖縄県初取得者)
一般社団法人 全国空き家アドバイザー協議会 沖縄県名護支部 幹事

 

●実績
県内各自治体、社会福祉協議会、医療法人、老人ホーム等での出張セミナーや講演を累計500回以上実施。沖縄タイムス等のメディア寄稿を通じ、相続や空き家問題、墓じまいに関する啓発活動を行っている。

 
 



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