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沖縄のお墓は「ユンヂチ」に建てる。その理由とは


沖縄のお墓は「ユンヂチ」に建てる。その理由とは

沖縄ではお墓や位牌に関する、法事や年中行事がたくさんありますよね。ご先祖様をとても大切にしているなかで、沖縄ではお墓に関する事柄や行事には、特に日にちや時期を意識します。

 

現代でこそ、その意識も緩くなってはきていますが、特に沖縄でお墓を建てたり、改葬、墓じまいとなれば、時期や方位まで気にする家庭は少なくありません。必ずユタさんにお伺いに行く、と言う家庭もあります。

 

そんな沖縄でお墓事をするのに良い、とされる時期があります。それが「ユンヂチ」です。このユンヂチは33ヶ月間に一度だけ巡ってくるもので、次回の年回りは2020年の来年となります。

 

これから沖縄でお墓事を検討しているなら、このユンヂチ、気になりますよね。そこで今回は、沖縄でお墓を建てる時期にふさわしいとされる、ユンヂチについて詳しくお伝えします。

 



 

沖縄のお墓は「ユンヂチ」に建てる。
その理由とは

 

沖縄の行事は旧暦


旧暦

沖縄ではお正月やお盆など、旧暦を見ながら行事が進められています。今では本州と同じように、大晦日や元旦を祝う家庭も多いのですが、その後の旧暦でのお正月は、沖縄ならではの作法で、旧正月を祝います。

 

【 沖縄の年間行事は旧暦が基準 】

■ お盆についても同じように旧暦が基準となっていて、全国的なお盆と沖縄のお盆では毎年少しずつ、ずれているのです。

 

・ そのため、沖縄の新聞や県内の出版社などで発行される、カレンダーや手帳には、旧暦が一緒に掲載されているものがほとんどです。

 

 

そもそも、「ユンヂチ」とは


神様の目が届かない

沖縄のお墓参りをはじめとした、年間行事が旧暦で行われるため、新暦とのずれが生じます。旧暦では一年間が354日、365日の新暦とは年間で11日もの差です。

 

二年間では22日、三年間では33日、約一ヶ月ほどの誤差が生じてきますよね。そこで、「ユンヂチ」と言う「閏月(ユンヂチ)」を設けて調整しています。

 

【 「ユンヂチ」とは 】

■ 旧暦と新暦の日数の調整のために、約33ヶ月に一度設けられる「余分な月」が、「閏月(ユンヂチ)」です。

 

・ そのため、ユンヂチがある年の旧暦は13ヶ月あります。昔ながらの解釈では、その余分な月のみをユンヂチとしますが、今では閏月がある年自体が、「ユンヂチ」です。(つまり、2020年に閏月があれば、旧暦2020年の一回りがユンヂチとなります。)

 

この余分な一ヶ月は、あの世の世界では「ない月」として扱われてきました。ですから、一月が二回あったとしたら、二回目の旧暦での旧正月は、特に何もしなくても良い、と言うことになります。

 

 

2020年のユンヂチは?


2020年ユンヂチ

このユンヂチは33ヶ月に一回訪れることはお伝えしましたが、正確に言えば、19年のなかで七回の閏月(ユンヂチ)があります。このユンヂチ、来年の2020年が正にその年回りです!

 

【 2020年のユンヂチは? 】

■ 前項でお伝えしたように、閏月(ユンヂチ)がある年の一年ですから、旧暦の1月1日~12月30日まで、一年間がユンヂチの期間です。

 

・ 新暦で言えば、新暦2020年1月25日が旧暦の元旦(旧正月=旧暦1月1日)、新暦2021年2月11日が旧暦の大晦日(旧暦12月30日)に当たりますので、この期間が次回、2020年のユンヂチとなります。

 

2020年の閏月(ユンヂチ)は、旧暦の4月。2回目の4月(閏4月)となるのは、新暦で言えば2020年5月23日土曜日(旧暦閏4月1日)から、6月20日土曜日(旧暦閏4月29日)までです。

 

間違えやすいのですが、全国的な新暦の閏年(うるうどし)とユンヂチは、全く関係がありません。

 

 

ユンヂチでお墓を建てる理由


新しいお墓

このユンヂチに沖縄でお墓を建てることが良い、とされているのは、前述したようにこのユンヂチがあの世の世界にとって、「余分な月」だからです。

 

つまり、あの世では「ないこと」になっているので、天からの目がこの世まで届かないことになります。

 

そもそもお墓を建てることが悪いこと、と言う訳ではないのですが、この世の人間が日程調整に気をとられることなく比較的自由に動けるため、お墓事をしやすくなります。

 

【 ユンヂチにお墓を建てる 】

■ 沖縄のお墓や位牌、仏壇に関する物事は、その時期など、細かな決まり事が多いため、忙しい現代では、なかなかしきたり通りに動くことができません。

 

・ その点、ユンヂチであればあの世からの目が届き難いため、自由な日程で進められる、と言う訳です。

 

特に墓じまいや改葬などをしたいなら、ユンヂチは行いやすい年回りかもしれません。2020年のユンヂチの年回りを逃すと、また33か月後になってしまいます。しきたりも重んじながら、良いタイミングで進めることができれば、より安心ですね。

 

 

ユンヂチに進めたい事柄とは


お仏壇の新調

このユンヂチには、お墓を建てたり、改葬や墓じまいには最適な年回りと言えます。その他にも仏壇の新調位牌に関わる事柄は、ユンヂチに進めてしまえれば、良いタイミングです。

 

【 ユンヂチに進めたい事柄 】

■ さらに沖縄ではお墓だけではなく、位牌の継承に関わる「シジタダシ(筋正し)」なども、このユンヂチに行われることが多いです。

 

・ 「シジタダシ」は詳しく伝えると長くなるため、簡単に表現すると「家系を正す」こと。男子系の血族で継承される沖縄独特の文化です。(けれども今では、家々によって決まり事も緩く変化していますよね。)

 

このようなシジタダシは、ユタさんにお願いして行われたりします。このようにお墓や仏壇、位牌に関わる事柄は、ユンヂチに行われることが良し、とされているのです。

 

 

いかがでしたでしょうか、沖縄のユンヂチと新暦で言う閏年では、そもそも全く違うものではありますが、本州では閏年と言えば「お墓に関わる物事をしない方が良い時期」とされているだけに、意外かもしれません。

 

この閏月(ユンヂチ)は、沖縄では日無し(ひーなし)と呼ばれていて、この世にいる私たちはお休みをして良い時期とも言われています。沖縄の旧暦が息づいた暮らしのなか、お墓事も進めたいですよね。

 

近年では生前墓を終活を通じて、契約する方々も増えています。さらに、昔からある門中墓なども修理修繕が不可欠になってきたり、周辺環境も変わってきて、お墓の管理に頭を悩ませる方々も見受けられます。

 

このユンヂチを良いタイミングとして、日頃何となく気になっていた、沖縄のお墓問題の解消を、改めて検討してみてはいかがでしょうか。

 

まとめ

ユンヂチの基礎知識

・沖縄の年間行事は旧暦が基本
・新暦と旧暦を調整する閏月が「ユンヂチ」
・現代では閏月がある年をユンヂチと言う
・2020年1月25日~2021年2月11日が次回のユンヂチ
・神様の目が届かないユンヂチに、お墓事をする
・お墓の他、仏壇や位牌、筋正しのこの年が良い



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