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【沖縄の御願】旧暦12月8日に行うムーチーの拝み方

【沖縄の御願】旧暦12月8日に行うムーチーの拝み方

沖縄の御願行事には、旧暦12月8日に行う「ムーチー」があります。旧暦と新暦にはずれがあるため、毎年その日にちは変わるものの、2020年度のムーチーは1月2日です。

 

沖縄では御願を中心的に行わない若い人々にも、このムーチーは馴染み深く、幼稚園ではムーチーの日に合わせて、お供え物のお餅の「ムーチー作り」が行われたり、給食に出たりもします。

 

また、沖縄では「ムーチービーサー」などの言葉も馴染み深い言葉です。「ビーサー」は寒いを意味し、ムーチーの時期の寒さを表現する言葉となります。

 

そんな馴染み深い沖縄の御願行事、キチンと行ってみたいですよね。そこで今回は、旧暦12月8日に行う沖縄の御願、「ムーチー」のお供え物や拝み方についてお伝えします。

 



 

【沖縄の御願】
旧暦12月8日に行うムーチーの拝み方

 

ムーチーのお供え物、「カーサームーチー」


「ムーチー」は漢字で書くと「鬼餅」、名前のように厄払いや健康(長寿)を祈願する沖縄のムーチーの御願では、「カーサームーチー」と呼ばれる「お餅」を供えます

 

【 沖縄の御願、カーサームーチー 】

 

★ 「カーサー」とは沖縄の方言で月桃のことです。沖縄ではそこここで月桃の花を見つけますが、この月桃の葉に包んで蒸したお餅、「カーサー(月桃)ムーチー(餅)」を供えるようになりました。

 

・ 簡単に手作りできるので、自宅で作る方も多いのですが、スーパーなどでも多く販売し、ムーチーの沖縄の御願に向けて、予約を受けるお店も多いです。

 

もともと月桃の葉も薬草として珍重され、現在でも月桃の化粧品などが販売されています。そのためか昔から厄払い、邪気払いとしても扱われてきました。

 

 

「カーサームーチー」の作り方


カーサームーチーはそれぞれの家庭の味があり、分量は目分量であったり、様々です。ただ、どの家でも比較的いくつかの色のカーサームーチーを作ります。

 

【 沖縄の御願、カーサームーチーの作り方 】

 

★ 材料 ★

・ 餅粉 500g
・ 黒糖 250g前後
・ 水   400cc前後

 

…これで10~15個くらいが目安です。ただ、前述したように家庭によってさまざまで、これを目安に調整してみてください。

 

特に水、黒糖(粉で準備)は分量が大切で、あまり多いと固まりにくくサンニン(月桃)の葉に付きやすくなります。

 

★ 作り方 ★

 

① 粉類(餅粉・黒糖)を先に入れて、少しずつ水を加えながら、よくよく練るように混ぜてください。

 

② お餅で良く言われる「耳たぶ」を目安に水の分量を調整すればバッチリです!

 

③ お餅を丸めて(まん丸ではなく、少し長めに)月桃の葉に包みます

 

④ 蒸し器で30分を目安に蒸してください。

 

⑤ 完成!

 

現在はあまり見かけることはありませんが、昔ながらの沖縄の御願行事では、ムーチーを蒸した汁を家の周囲に撒いたりもしていました。

 

 

ムーチーの日のウサギムンと拝み方


できあがったカーサームーチーは、門前や周囲に配ったりなど(詳しくは後述します。)さまざまに利用しますが、基本的にはヒヌカンと仏壇にお供えをします。

 

【 沖縄の御願、ウサギムンと拝み方 】

 

★ ヒヌカン ★

 

・ 基本のお供え物(塩・ウチャトゥ・チャーギなどの葉)の他に、カーサームーチーを3つ供え、ヒラウコーはタヒラと半分(お線香なら12本と3本)を拝してください。

 

★ 仏壇 ★

 

・ 基本のお供え物(ウチャトゥ・酒・供え花)の他に、カーサームーチーは同じく3つ、ヒラウコーはタヒラ(お線香なら12本)を拝します。

 

沖縄では御願の際には先にヒヌカン、次に仏壇へ拝み、後述する言葉(グイス)を唱えるのが習わしです。

 

 

ムーチーの日に唱える「グイス」


沖縄の御願では多くの家で家を守るおばぁが中心となり、グイスと呼ばれる本州で言うところの祝詞を唱えます。地域や家によって、細かな部分は変わりますが、下記のような内容を唱えてください。

 

【 沖縄の御願、ムーチーのグイス 】

 

① 「お陰様で今年も無事にムーチーの日を迎えましたので、縁起良いムーチーをお供えしました。

 

ヤナカジ、シタナカジを押しだし、福徳を招いてください。」

 

② 「クヮッウマガヌチャー カラタジュクスミティクミスーチ

 

家族皆、何事もなく健やかに、家族円満に過ごせますよう、

 

ミーマンティ ウタビリソーリー ウートゥートゥー

 

 

ムーチーに鉄を入れる?


このムーチーですが、実は由来が一部で話題になることも多く、そのお話が「R18?」と言われたりもしています。ただコチラでは、子ども向けに伝えられている由来をお伝えします。

 

【 沖縄の御願、ムーチーの由来 】

 

★ 両親を亡くした兄妹が住んでいましたが、ある日妹は嫁に行き、寂しくなった兄は鬼になり、夜な夜な子どもを食べるようになってしまいました。

 

・ 聞き伝えられた妹は、お餅に鉄の塊を入れ兄の元へ行き、崖のてっぺんで餅を食べさせ、兄を落としたのです。

 

この言い伝えから、いくつかのお餅に鉄を入れる家が今でもあるのです。

 

「R18?」と言われる由来については、詳しくは「【沖縄の御願】旧暦12月8日ムーチーの興味深い由来とは」でお伝えしています。

 

 

 

いかがでしたでしょうか、今回は沖縄の御願行事でも若い世代にも広く伝わり馴染みの深い、ムーチーについてお伝えしました。沖縄では特に「初ムーチー」は多くの家庭で行われています。

 

「初ムーチー」は赤ちゃんが生まれて初めてのムーチーで、初ムーチーでこの赤ちゃんの健康と長寿を祈るのですが、お祝いごととして周囲のお家にムーチーを配る風習も残されているほどです。

 

毎年のムーチーでは、蒸したムーチーを十字でしばります。子どもがいる家庭では、子どもの年齢分を紐で繋げて、門前に吊るす習慣もありますが、今ではあまり見かけなくなりました。

 

入口に吊るすムーチーは、家に災いを入れない効果があるとされています。本記事を参考にして、ぜひ沖縄の御願、ムーチーを行って見てはいかがでしょうか。

 

 

 

まとめ

沖縄のムーチーと拝み方

・月桃で包んで蒸したムーチーを供える
・餅粉と黒糖、水でこねた餅を蒸す
・ヒヌカンと仏壇、それぞれ3個ずつ供える
・グイスを唱えて家族の健康と安全を祈る
・由来により、いくつかに鉄を入れる家もある

 



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