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ヒヌカンの灰は継承しなくてはダメ?悩み解決の考え方

【沖縄の御願】ヒヌカンの灰、必ず継承しなくちゃダメ?
「ヒヌカン(火の神様)の灰」は神様そのもの、代々親から子へと引き継がれるものですが、引き継ぎたくない若い世代の人も多いですよね。
 
子どもが大きくなって怪我をしたり悩んだり…、家庭に何かがあると、「ヒヌカン(火の神様)を仕立てようかな…」と思う沖縄の母は多いのですが、「灰を引き継ぐのはちょっと…」と言う声をよく聞くようになりました。
 
そこで今日は、新しく仕立てる時にヒヌカン(火の神様)の灰を継承しなくてはいけないのかどうか…、お伝えしていきます。
 



 

ヒヌカンの灰は継承しなくてはダメ?
悩み解決の考え方

 

ヒヌカンの灰を継承する習わし


「実家にヒヌカン(火の神様)がない!」と言う家も増えていますが、昔ながらの沖縄では多くの地域で、結婚や独立で分家する際に「ヒヌカン(火の神様)の灰」を引き継ぎました。
 

【 ヒヌカンの灰に神様が宿る 】
 
★ ヒヌカンではウコール(香炉)の灰が神様の依り代です。ヒヌカン(火の神様)のウコール(香炉)には家族全員の「戸籍」が入っていて、分家の際には「戸籍を抜く」必要があります。
 
・ なので、新しい家でヒヌカンを仕立てる際、実家と義実家を回りヒヌカン(火の神様)を継承するための拝み(儀礼)をして、ウコール(香炉)の灰塩(マース)お味噌(ミース)を分けてもらうのが、昔ながらの風習です。

 
義実家の灰だけでは旦那が強くなっちゃうから、自分の実家の灰もちゃんと分けてもらいなさい。」とも言われます。
 
なので、ヒヌカンの灰を分けてもらう儀礼を二回して、実家・義実家二か所から均等に(三つまみ)準備してみてください。
 

 

ヒヌカンの灰を継承したくない理由


ただ、若い世代のママから「ヒヌカンの灰をもらいたくない!」と言う話を聞くようになりました。例えば「義母から『ヒヌカンの灰を分けてあげるから、取りに来なさい』と言われるんだけど、抵抗がある。」などなど…。
 

【 ヒヌカンの灰をもらいたくない理由 】
 
★ よくよくその理由を聞けば、「ヒヌカンの灰を継承することで、その家の災い事も引き継いでしまうかもしれない。」とのことでした。
 
・ そこで神職の人々に聞いてみると、「灰を引き継いだからと言って、災い事は引き継がないよ~。」ということですが、こればかりは拝み手の気持ちもありますよね。

 
月に二回、家によっては毎日拝むのですから、やはりスッキリとした気持ちで拝みたい気持ちはやまやまです。なかには「義母や義姉がいじわるで、手を合わせる度に思い出しそう…。」なんて声も実はあります。
 

 

単純に災い事が心配な場合


ヒヌカンの灰をもらうことで、家の災いまで持ち込まないものの、気になるようなら、ヒヌカンシタティー(ヒヌカン仕立て)の拝みでお願いする方法もあります。
 
実家と義実家を巡ってヒヌカンの灰をもらい、新居のヒヌカンのウコールに灰(塩とお米も一緒に)を入れて拝む時に一言加えてみてください。
 

【 災いまで引き継がぬよう、お願いする 】
 
★ 本来のヒヌカンシタティーの拝みでは、(「ヒヌカン(火の神様)をお迎えするできました」の後に)「家や屋敷の神様と一緒に、この家をお見守りくださり、盛り立てていただきますよう、よろしくお願いします。」となります。
 
・ そこで気になるなら、「災い事まで受け取らぬよう、どうぞ厄災を払いのけ、私たち家族が健やかに穏やかに暮らせますよう、お見守りください。」と加えるんです。

 
そして、厄災を払いのける御願(ヨーカビーやシバサシなど)や子どもの祈願も積極的に行うと、より安心した気持ちで過ごせます。
 

 

やっぱり新しく仕立てたい!


それでもヒヌカンの灰を引き継ぐことに抵抗があるなら、ヒヌカンを新しく仕立てることはできます。そもそも最近では、「実家にヒヌカンがない!」と言う家も多いです。
 
ヒヌカンを仕立てるとなると、ユタさんや神職にお願いする話も聞くけれど、信頼できるユタさんがいない、と悩むかもしれませんが、そんな時は自分で仕立てることができます!
 

【 ヒヌカンを新しく仕立てる 】
 
★ ヒヌカンセットを揃えた後、容器は潮水や塩水で洗い乾かし清め、シルカビの上に赤ウブク(赤飯)を置いたお供え物を三膳、並べてください。
 
・ ビンシーを携えて地域の土地神様、火の神様、川(ガー)を巡って拝んだ後、そのビンシー(※)をヒヌカンに供えて拝みます。

 
…これはざっくりと流れをお伝えしているだけなので、実際に仕立てるなら「ヒヌカンを新しく仕立てる☆迎え入れの拝み方とは」を読んで進めてください。
 
ちなみに(※)ビンシーとは主に屋外の「(故人やご先祖様ではなく)神様への」拝み行事の際に、用いると便利な沖縄の御願道具です。詳しくは別記事「【沖縄の御願】屋外の拝みで用いる「ビンシー」とは」でお伝えしています。どうぞお立ち寄りください♪
 
 

 

いかがでしたでしょうか、今日はヒヌカンの灰の継承についてお伝えしてみました。新しく仕立てる時に拝む先(土地神様、火の神様、川)の所在は、自治会などで聞くと教えてくれます。
 
このヒヌカンシタティー(ヒヌカンの仕立て)ですが、なかには「アガリマーイ(東廻り)」などで、何か所も巡る家もみますが、これはどちらでも構いません。
 
自分でヒヌカンを仕立てて、しばらくした時にユタさんに「神様入ってないよ~」と言われた…、なんて話も聞きますが、大切なのは拝み手の気持ちや感覚です。
 
「自分が拝んでいるんだ」「自分が感じていること」を大切に、自信を持ってヒヌカンを迎え入れてみてください。
 
 

 

まとめ

ヒヌカンの灰を引き継ぐか否か

・昔は、実家と義実家から引き継いだ
・「災いまで引き継ぎたくない!」と拒む
・ヒヌカン継承で災いは引き継がない
・仕立てる拝みで災いを引き継がぬようお願いする方法
・全く新しく仕立てることもできる
・新しく仕立てる時には地域の神様を巡る
・最後は拝み手がどう感じるか、が大事



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