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【沖縄の御願】旧暦12月24日に行うヤシチヌウグァン

【沖縄の御願】旧暦12月24日に行うヤシチヌウグァン
沖縄の御願行事はほとんどが旧暦で行われますが、年末の沖縄の御願で大切な日は、旧暦の12月24日です。ただ、本州出身の方々はもちろん、最近では若い世代でも拝み方が曖昧な方も多いですよね。

 

旧暦12月24日はいわゆる大掃除の日となり、一年間住んできた家を清め、屋敷を守ってきてくれた家の神々へ感謝を捧げて拝みます。この沖縄の御願を「ヤシチヌウグァン」と言い、漢字で書くと「屋敷の御願」となるのです。

 

また、旧暦12月24日にはこのヤシチヌウグァンの後、ウグァントゥチ(御願解ち)、ヒヌカン(台所の神様)のお見送りへと続きます。郷に入れば郷に従えではないですが、丁寧に拝みたい方も多いですよね。

 

そこで今回は、旧暦12月24日に行う沖縄の御願、ヤシチヌウグァンの拝み方と豆知識をお伝えします。

 



 

【沖縄の御願】
旧暦12月24日に行うヤシチヌウグァン

 

屋敷(家)にいる神々


沖縄の御願では、日ごろは台所にいるヒヌカン(火の神)への拝みをしていますが、ヒヌカンは屋敷(家)にいる神々へ連絡する役割があるとされています。

 

そのため、二月・八月と旧暦12月24日の年末、旧暦1月4日の年始には「ヤシチヌウグァン」として、全ての神々に感謝を捧げる習慣があるのです。

 

【 沖縄の御願、屋敷の神々 】

 

★ ヤシチヌウグァンで拝む箇所はヒヌカン・仏壇も合わせて6箇所、地域によっても違いがありますが、順番にならって拝んでください。

 

① ヒヌカン(火の神様)
② お仏壇(ご先祖様)
③ ユシンヌカミ(四隅にいる神様=東西南北)
④ ジョウヌカミ(門にいる神様)
⑤ フールヌカミ(豚便所=トイレの神様)
⑥ ナカジンヌカミ(中陣=玄関にいる神様)

 

…この6箇所(正確にはユシンヌカミ=四隅の神様がいるので、9箇所)です。ユシンヌカミは北の角→東の角→南の角→西の角、の順番に拝みます。

 

 

二月・八月のヤシチヌウグァンとの違い


実は、ヤシチヌウグァン自体は、毎月二月・八月に行われる沖縄の御願と変わりありません。(詳しい拝み方は、別記事「【沖縄の御願】旧暦2月8月12月に行う、屋敷の拝み方」を見てください。)

 

【 沖縄の御願、二月・八月との違い 】

 

★ ただ、ヒヌカン(火の神)は年末のこの日に天界に戻るとされ、旧暦の1月4日のヒヌカンのお迎えで帰ってきます。

 

・ そのため、旧暦12月24日には、ヤシチヌウグァンの後に、一年のヒヌカンへの御願を解き、天界へお見送りをする儀式が行われるのです。

 

この日の沖縄の御願では、ヤシチヌウグァン→ウグァンブトゥチ(御願解き)→ヒヌカンのお見送りの儀式があります。

 

 

ヤシチヌウグァンの準備


ヤシチヌウグァンの沖縄の御願では、前項でお伝えしたように、屋敷の周りでも拝むため、屋敷の神々へのお供えとヒヌカン、お仏壇へのお供えを準備してください。

 

【 沖縄の御願、ヤシチヌウグァンの準備 】

 

① 屋敷の神々・ヒヌカンへのお供え

 

… お酒の他、アライミハナ(洗い米)を中央に、左右にカラミハナ(花米)を並べ、ウチャヌク(白餅)を3セット、さらに果物の盛り合わせをお供えします。

 

三枚に重ねた「シルカビ」も準備をしてください。ヒラウコーはヒヌカンのみタヒラと半分(お線香なら12本と3本)、屋敷の神々へはタヒラ(お線香は12本)を拝します。

 

② お仏壇へのお供え

 

… お酒の他、カラミハナ(花米)を1盛り、ウチャヌク(白餅)を一対(2飾り)に、果物の盛り合わせをお供えし、ヒラウコーはタヒラを拝してください。

 

アライミハナは洗ったお米、カラミハナは洗っていないお米を差しています。ウチャヌクと呼ばれる白餅は、三段に重ねて準備をしてください。

 

 

ヒヌカンへのウグァンブトゥチ


ヤシチヌウグァンを終えると、一年のヒヌカンへの沖縄の御願を解き放ち、天へお見送りするための「御願解き(ウグァンブトゥチ)」が行われます。

 

【 沖縄の御願、ウグァンブトゥチ 】

 

★ この際ヒヌカンまで掃除をしてからウグァンブトゥチの拝みとなりますが、掃除をすることをヒヌカンへお伝えし、ヒヌカンのウコール(香炉)、…つまり灰まで整える家が多いです。

 

・ 年の初めにお願いした、一年間の家内安全に対して感謝を伝え、来年もまた、笑いや福の多い年となることを祈願してください。ヒラウコーはタヒラと半分(お線香なら12本と3本)です。

 

こちらも家や地域によっても違いがありますが、ヒヌカンの灰の処理にも決まり事があります。

 

ウグァンブトゥチに唱えるグイスも含めて、気になる方は「【沖縄の御願】旧暦12月24日ヒヌカンの掃除と御願解ち」を参考にしてください。

 

 

ヒヌカンのお見送り


ヤシチヌウグァン→ウグァンブトゥチと終えたら、そのままヒヌカンのお見送りの沖縄の御願「昇天への拝み」へと移ります。

 

【 沖縄の御願、昇天への拝み 】

 

★ お供えものもそのまま用意して、グイスを通して感謝を捧げ、天の神様へ悪い事柄は伝えないよう、お願いします。

 

昇天への拝み、グイスや詳しい内容は「【沖縄の御願】旧暦12月24日に行うヒヌカンをお見送り」を参考にしてください。

 

 

 

いかがでしたでしょうか、今回は旧暦の年末に行われる沖縄の御願、旧暦12月24日のヤシチヌウグァン→ウグァンブトゥチ→昇天への拝みまでの概要をお伝えしました。

 

沖縄の御願には、地域や家によってさまざまな違いがありながらも、唱えるグイスからウサギムン(お供え物)まで、ここでは書ききれない多くの決まり事があります。(【沖縄の御願】屋外の拝みで用いる「ビンシー」とは、を参照ください。)

 

また、ヤシチヌウグァンでは屋外で用いる沖縄の御願セット「ビンシー」を用いる家が多いのですが、これにも風習があるのです。

 

ただ、沖縄で多くの方々から聞くのは「大切な事は、拝む心」と言う言葉、儀式に多少の違いがあっても心を込めることが大切なのかもしれません。

 

それでも唱えるグイスなど、細かく調べて行いたい場合には、ぜひ本文中でお伝えしているそれぞれの沖縄の御願の説明記事まで確認してみてください。

 

 

まとめ

旧暦12月24日の御願の概要

・仏壇ヒヌカンを含め6神へ拝む
・年末年始はヒヌカンが天へ帰る
・屋敷とヒヌカン、仏壇へのお供えを準備する
・ヒヌカンの掃除を行い「御願解ち」をする
・そのままヒヌカンを天へお見送りする

 



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