旧暦カレンダー、2018年10月。菊酒や十三夜の御願!
旧暦9月の旧暦カレンダーでは、旧暦9月7日の「カジマヤーユーエー」が有名ですよね。
その他にも、家族の健康を願う「チクザキ(菊酒)」や、カミウガミ(神拝み)があります。
また、この時期の旧暦カレンダーでは、地域や門中単位によって行わる御願行事も多くあります。例えば子育て祈願のティラヌムメー、首里方面のジングトゥなどです。
昔ながらの御願行事、小さな一家族だけでも受け継ぎたいですよね。そこで今日は、沖縄の旧暦カレンダー、旧暦9月の行事をお伝えします。
旧暦カレンダー、2018年10月☆
菊酒や十三夜の御願!
旧暦カレンダー、9月の行事
旧暦カレンダー、旧暦9月には家や地域によって違う拝み事が多くあります。沖縄本島の中部の一部地域や南部エリアでは、子育て祈願が行われたり、関帝を祀る家、観音様を祀る家などの特有の拝みも、そのひとつです。
2018年度、旧暦9月は10月9日(火)からです。毎月の神様への拝み、「チィタチ・ジュウグニチ(1日・15日)の拝み」も変わらず行います。
【 旧暦カレンダー、9月の行事 】
①旧暦9月1日(2018年10月9日) … チィタチの拝み
②旧暦9月7日(2018年10月15日) … カジマヤーユーエー
③旧暦9月9日(2018年10月17日) … チクザキ(菊酒)
※中部一部地域や南部では、旧暦9月前半に子育て祈願の拝み
④旧暦9月13日(2018年10月21日) … ジューサンヤ(十三夜の拝み)
⑤旧暦9月15日(2018年10月23日) … ジュウグニチの拝み
⑥旧暦9月18日(2018年10月26日) … ジューハチヤ(十八夜の拝み)
※旧暦9月後半頃にカミウガミ(神拝み)
この時期に拝み事が多いのは、旧暦5月と9月は災いを払うべき、「忌み月」とされてきたためです。この「忌み月」を「正五九月」と呼ぶ地域もあります。
家族の健康を願う拝み
旧暦カレンダー、9月9日は「チクザキ(菊酒)」です。また、この時期には「ティラムヌメー」と呼ばれる、子育て祈願があります。
【 旧暦カレンダー、9月の家族の健康祈願 】
①「ティラムヌメー」
…「ティラ」やは拝所を差していて、「ムヌメー」はお参り…、日ごろは家のヒヌカンやお仏壇、床の間の観音様などにお参りをしますが、この時期にお参りに行くのが、ティラムヌメーです。
②「チクザキ(菊酒)」
…お酒に菊の葉を浮かべて、ヒヌカンとお仏壇に供えて祈願します。祈願後は家族でウサンデー、子どもにはお酒をおでこに付けて(ウナビティー)終わりです。
ティラヌムメーは赤ちゃんが産まれた家などで行われます。しばしば、子どもが病弱で心配な家庭でもお参りをしました。
ティラヌムメーはかつては集落行事でもあったのですが、今では個人的にお参りする家庭が多いのではないでしょうか。どちらも今でも、比較的馴染みある拝み行事です。
関帝を祀る家で行う、「ジューサンヤ」
ジューサンヤは「十三夜」、十三夜の拝みなどとも言い、主に関帝を祀る家で行われる旧暦行事です。
沖縄では家内の拝み処として、台所のヒヌカン、お仏壇の他に、今では少なくなりましたが、床の間がありました。この床の間で祀っていたのが、関帝や観音様です。
【 旧暦カレンダー、旧暦9月13日のジューサンヤ 】
★ ジューサンヤ(十三夜)は、旧暦9月だけではなく旧暦1月・5月・9月の年3回行います。
・ 関帝を祀る家が多いのは那覇市は首里地域ですが、ここには久米至霊廟があり、ここに関帝が祀られてきました。
この関帝は商売を司る神様と言われ、特に商売をしている人々からは、関帝信仰は厚く、多くの人々がこの久米至霊廟に訪れます。
ジューサンヤのお供え物や拝み方は別記事「【沖縄の御願】関帝は商売の神様☆ジューサンヤの拝み方」を参考にしてください。
観音様を祀る家で行う、「ジューハチヤ」
一方、観音様を祀る家庭での拝みが「ジューハチヤ(十八夜)」の拝みです。コチラもジューサンヤ(十三夜)と同じく、旧暦9月だけではなく、旧暦1月・5月にも行います。
【 旧暦カレンダー、旧暦9月18日のジューハチヤ 】
★ 観音様は子どもを守るとされ、特に子どもの健康祈願のために拝まれてきました。
・ 子どもが病弱な家庭では、この時期に観音巡りも行うことがあります。観音様には果物や花米、洗い米などを供えて拝んでください。
お供え物や拝み方については別記事「観音様へ子どもの健康を祈願☆観音堂での拝み方」を参照ください。
また、観音巡りに関しても別記事「観音様は子どもの守護神☆観音巡り8つの拝所」があります。
日ごろの御加護に感謝する「カミウガミ」
さらに旧暦9月後半のこの時期には、「カミウガミ(神拝み)」と呼ばれる、拝所の巡拝を行う門中や人々もいます。
門中単位ではすっかり少なくなりましたが、「アガリマーイ(東廻り)」などは今でも知られるカミウガミです。
【 旧暦カレンダー、9月後半の「カミウガミ」 】
★ カミウガミでは自分達の家が先祖代々お世話になってきた(御先祖様とゆかりのある)、拝所やお墓を巡拝します。
・ ただ、最近では琉球にまつわる有名な拝所を巡る人々も多くなりました。前述したアガリマーイなども、全国から関わりなくとも訪れる方は多いです。
ただ、このようなアガリマーイなどは拝所も多く時間も掛かることから、毎年ではなく、数年単位で行うようになっています。
カミウガミについては「旧暦9月に訪れるカミウガミ☆今に残る拝み方や拝所」でもお伝えしますので、コチラも立ち寄ってみてください♪(コチラも順次アップ、リンクしていきます。)
・【沖縄の御願】関帝は商売の神様☆ジューサンヤの拝み方
・観音様へ子どもの健康を祈願☆観音堂での拝み方
・観音様は子どもの守護神☆観音巡り8つの拝所
・旧暦9月に訪れるカミウガミ☆今に残る拝み方や拝所
いかがでしたでしょうか、今日は沖縄の旧暦カレンダー、旧暦9月に行われる行事についてお伝えしました。
本文中でもお伝えしたように、「正五九月(しょうごくがつ)」と呼ばれるように、忌み月とされる旧暦九月には拝み事の行事が盛んです。
門中や家々によって違う行事も多いですから、この全てを拝む家はほとんどありませんが、それでも、現代では家族の健康や安泰を願って、カミウガミの巡拝を行う姿も良く見られます。
信仰の薄れてきた現代ですが、それでも拝所は清々しい空気が溢れる場所も多いです。ぜひ、本記事を参考にお参りに訪れてみてはいかがでしょうか。
まとめ
旧暦9月の沖縄の年中行事とは
・チクザキ(菊酒)や十八夜がある
・子どもの健康祈願の拝み「菊酒」
・関帝を祀る家では「十三夜」
・観音様を祀る家では「十八夜」
・日ごろの御加護を感謝する「神拝み」
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