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沖縄の年中行事、清明祭☆一年で最も盛り上がる墓前祭とは

沖縄の年中行事、清明祭☆一年で最も盛り上がる墓前祭とは
沖縄の年中行事と言えば、清明祭(シーミー)を真っ先に思い浮かべる方も、多いですよね。地域によっては旧暦1月16日に行われる「ジュウルクニチー」とする家もありますが、沖縄本島では最も大きな墓前祭です。

 

沖縄の年中行事のひとつである清明祭(シーミー)は、中国から伝わる「二十四節気」のひとつ、清明節に行うお墓参り行事です。沖縄の行事は旧暦で行い、清明祭(シーミー)は旧暦三月、新暦では毎年違いながらもだいたい四月頃が目安となります。

 

沖縄では本州のように、思った時に気軽にお墓参りには行くことを良しとしないため、この沖縄の年中行事、清明祭(シーミー)は数少ないお墓参りとなり、一族が集まるようになりました。

 

本州とは一風違う沖縄のお墓参り、どのようなものか理解したいですよね。そこで今回は、沖縄最大の年中行事のひとつ、清明祭(シーミー)についてお伝えします。



 

沖縄の年中行事、清明祭☆
一年で最も盛り上がる墓前祭とは

 

沖縄の年中行事、清明祭はひとつじゃない?


沖縄の年中行事である清明祭は、細かく分けるといくつかのものがあり、なかには「二度目の清明祭」を行う家もあるのですが、これはお墓がふたつあるからです。

 

【 沖縄の行事、清明祭の種類 】

 

① 門中清明祭(ムンチューシーミー) … 門中墓(門中)で行う清明祭で、最も大きな清明祭の種類です。県外の方々が「風物詩」と話題にするのも、こちらの門中清明祭ではないでしょうか。

 

② 御清明祭(ウシーミー)・清明祭(シーミー) … 門中清明祭もこのなかに入りますが、その他に家族単位(家族墓)などあらゆるお墓で行われる、大小あらゆる規模の清明祭を指します。

 

③ 神御清明祭(カミウシーミー) … 沖縄では家によって、すでに使われていない古いお墓「神墓(アジシー墓)」を持つ家もあり、この家々では清明祭の前に神墓へお墓参りに行きますが、これが神御清明祭です。

 

沖縄では古くから門中墓やお仏壇は代々継承されてきましたが、「ムチスク」と呼ばれるお墓や仏壇を継承した家が執り行い、分家はそれに倣って集まるのが習わしです。

 

 

忌中の清明祭の習わし


沖縄の行事、清明祭は「祭」が入るようにお墓参りでありながら、墓前祭としての意味合いが強くなります。そのため清明祭で準備をする重箱料理のウサンミも、お祝い重を準備するのですが、この場合気になるのが忌中の扱いではないでしょうか。

 

【 沖縄の行事、清明祭と忌中 】

 

★ 門中で亡くなった方が出た場合、喪が明けるまでは清明祭は行わないのが基本です。地域や家によっては三年忌まで行わない家もあります。

 

・ 喪が明けたら清明祭を行う場合でも、午前中のみの小さな規模でお参りをして、お仏壇を中心にお参りを行うことが多いです。

 

とは言え、お仏壇の前では墓前と変わらぬ清明祭を行う家も多く、ウサンミ(お供え物の重箱料理)もお祝い膳にして親族が集まる様子も見られます。

 

 

沖縄の重箱料理、「ウサンミ」


このコラムのなかでも度々登場していますが、重箱料理である「ウサンミ」は沖縄の行事の定番、もちろん清明祭にも欠かせません。(詳しくは「沖縄のお盆、お供え料理☆知っておきたい基礎知識」などをご参照ください。)

 

沖縄の大きなお墓には「ヒジャイヌガミ(左の神)」がいますよね。

 

【 沖縄の行事、清明祭のウサンミ 】

 

★ こちらにはウサンミをお餅重とおかず重の二段(カタシー)を並べて供え、ウサンミから「ウハチ(お初)」として数品をお皿に取り分け、一度ウサンミを引き取ります。

 

・ 次に墓前に移り、今度はそれぞれ二段ずつの四段(チュクン)を広げたら、お仏壇のある家「ムチスク」を中心に拝みを捧げてください。

 

それぞれヒラウコー(お線香)を拝して、「ウチカビ(あの世のお金)」を焚き、一連の儀礼を済ませたら、「ウハチ(お初)」として数個取り出し(事前に準備をしたおかずと入れ替え)、墓前にお供えをします。

 

ウハチを供える時には「ウハチデービル(お初です)」と添えると丁寧かもしれません。 

 

こちらも詳しくは別記事、「御三味(ウサンミ)は沖縄の行事料理☆お供えの作法とは」でお伝えします。

 

 

親族のお墓参りをする場合


沖縄の行事である清明祭では、自分達のお墓参りをするのが一番の目的ですが、自分のお墓とば別に、親兄弟のお参りをする方もいるかもしれません。

 

お墓の主(ムチスク)が同行していれば、それに従えば良いのですが、主なしのお参りすることになった時の相談も多いです。

 

【 沖縄の行事、ムチスクのいない清明祭 】

 

★ 地域や家々によって違い、あくまでも主(ムチスク)の判断が優先されますが、主なしの清明祭のお参りでは、ウサンミはカタシー(二段)のみを準備して出向くことをおすすめします。

 

・ 通常の清明祭と違うのはヒジャイヌガミへの拝みを捧げないことです。そして墓前には、墓の主とどのような関係性であるのかを伝えてからお参りを行えば、問題はありません。

 

 

 

いかがでしたでしょうか、今回は沖縄でも大きな年中行事、清明祭(シーミー)についてお伝えしました。本州ではお彼岸がお墓参りの時期ですが、実はこの時期は沖縄では、お仏壇を前にした御願行事となります。

 

なかにはお彼岸時期に、お墓参りへ出向く地域や家もありますが、時々「日が通じているお彼岸にお墓参りをすると、あの世へ持っていかれるので、不吉だ。」と考える方も見受けられるのが特徴です。

 

その代わり、この清明の節気には神墓(アジシー墓)をはじめ、何度もお墓参りに行く家も多く、特別な時期でもあります。

 

墓前ではウサンミの他に果物の盛り合わせお菓子(ムイグァーシ)、お酒などもお供えし、ムチスクはヒラウコーを拝した後、墓前で「グイス」と呼ばれる祈りの言葉を唱えるのです。

 

2018年の清明祭は入り日が4月5日、詳しい流れは「清明祭の沖縄、2020年は何日から?拝み方をおさらい」でお伝えしていますので、ぜひこちらも参考にしてください。

 

 

 

まとめ

沖縄最大の墓前祭、清明祭とは

・清明祭にはいくつかの種類がある
・忌中に清明祭は行わない
・三回忌までは午前中に行うことが多い
・清明祭では重箱料理「ウサンミ」を用意する
・主がいなければ左の神へは拝まない
・主がいなければ関係性を伝えて拝む
・沖縄では清明がお墓参りの時期

 



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