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沖縄の七日節句(ナンカヌスク)の拝み方|昔ながらの御願と供え物

沖縄の七日節句(ナンカヌスク)の拝み方|昔ながらの御願と供え物
七日節句(ナンカヌシク)は、全国的な七草粥にあたります。
沖縄の旧正月行事のひとつで、旧暦1月7日に行う健康祈願の御願(ウグァン)です。
2026年の旧暦1月7日は2月23日(月)、天皇誕生日の祝日です。
 
この日は、七草粥「ナージューシー(菜雑炊)」を供え、ヒヌカン(火の神)やお仏壇へ拝みを行い、家族で共食することで一年の無病息災を願います。
 
一方で、
「お線香の本数は?」
「ヒヌカンとお仏壇、どちらが先?」
「拝み言葉は何を伝えればいい?」

…と、細かな部分で迷う人も少なくありません。
 
本記事では、七日節句(ナンカヌシク)の意味や行事食であるナージューシーの位置づけを整理しながら、ヒヌカン・お仏壇それぞれの供え方や拝み方を、具体的な流れに沿って解説します。

 



 
 

七日節句(ナンカヌスク)とは


七日節句(ナンカヌスク)とは
◇七日節句(ナンカヌスク)は、沖縄の旧正月行事のひとつで、旧正月を終えたあとに行う御願(ウグァン)です。
 
正月行事の締めくくりとして、神様やご先祖へ無事に正月を過ごせたことを報告し、これから一年の健康を願う節目の日とされています。
 
 

七日節句の位置づけ(旧正月後の御願)

◇七日節句(ナンカヌスク)は、健康を祈願する行事です。
…全国の七草粥と同じく、旧正月の7日間のご馳走で疲れた胃腸を労わります
また、日常へ戻っていく切り替え・節目という位置づけです。
 

 ●沖縄の旧正月行事では、
 
 ・旧正月(ソーグァチ)
 ・正月明けの各種拝み
 ・七日節句(ナンカヌスク)

 
…といった流れの中で、正月明けの区切りとして行う御願が、七日節句にあたります。
そのため、派手な供え物や祝い事ではなく、体と暮らしを整える意味合いが強い行事として受け継がれてきました。
 

 
 

2026年の七日節句はいつか

◇2026年の七日節句(ナンカヌスク)は旧暦1月7日、新暦2月23日(月)です。
七日節句は旧暦で日付が決まる行事のため、毎年、新暦の日付は変わります。
 
御願を行う際は、新暦の日付だけでなく、旧暦1月7日にあたる日であることを確認して準備します。
 
 

この日に行う御願の目的(健康祈願)

◇七日節句(ナンカヌスク)の御願の目的は、家族の健康と無病息災を願うことです。
…旧正月の祝いを終え、食事や生活のリズムを整えながら、一年を健やかに過ごせるよう願いを込めて拝みます。
 
この日に供えられるナージューシー(七草粥)も、祝いの料理ではなく、体をいたわり、健康を願う行事食として位置づけられています。
 
 

七日節句(ナンカヌスク)の御願で準備するもの


◇七日節句(ナンカヌスク)で供える行事食は沖縄の七草粥「ナージューシー」です。
…ナージューシーは沖縄で「菜雑炊」の意味で、菜入りジューシー(雑炊)、つまり葉物野菜を入れた雑炊を指します。
 
行事食なので家族でいただくことが基本ですが、家族で食べる前に、ヒヌカン(火の神)やお仏壇へお供えをしましょう。
 
 

七草粥(ナージューシー)

◇ナージューシー(菜雑炊)は沖縄版の七草粥です。
…沖縄の七草粥は、本州のように決まった七種の草をそろえるものではありません。
 

 ●全国的な七草粥は「春の七草」と呼ばれるセリやナズナなどですが、沖縄ではなかなか入手できないものも多くありました。
 
 …そのため、フーチバー(よもぎ)ハンダマー(水前寺菜)など、地元で入手しやすい七草を用いる傾向にあります。

 
いずれにしても、ナージューシーは、旧正月の祝い膳とは異なり、正月のご馳走で疲れた体をいたわり、一年の健康を願うための行事食として供えられてきました。
 
七日節句(ナンカヌスク)では、このナージューシーを供えて御願を行い、その後、家族でいただくことで健康祈願の意味を共有します。
 

 
 

沖縄の七草粥でお線香を供える本数

◇ヒヌカンやお仏壇にお供えをする際には、お線香を供えます。
ヒヌカン(火の神)を祀っている、お仏壇がある家では、ナージューシー(菜雑炊)ができたら、まず最初にヒヌカン・お仏壇へ供えましょう
 
その際、お線香を供えて「今日の日はナンカヌシク(七日節句)の日ですので、ナージューシー(菜雑炊)を供えます。」とひと言添えると、神様やご先祖様に届きます。
 
※お線香の供え方や本数については、後ほど「沖縄でお線香を供える本数」詳しく解説します。
 
 

ナージューシー(菜雑炊)以外のお供え物

◇日頃のお供え物、そしてナージューシー(菜雑炊)の膳を供えます。
トゥシヌユール(大晦日)や旧正月のお膳とは違い、七日節句(ナンカヌスク)はナージューシー(菜雑炊)がメインです。その他のお供え物は日頃のお供えで良いでしょう。
 

 【日頃のお供え】
 
 ●ヒヌカン
 ・ウミキ(御酒)
 ・ミジティ(お水)
 ・マース(塩)
 ・神葉(チャーギ・クロトンなど)
 
 ●お仏壇
 ・ウミキ(お酒)
 ・ウチャトゥ(お茶)…両脇に2杯
 ・供え花(菊など)

 
ご先祖様へ供えるお仏壇には、箸休めとなるウサチ(酢の物)などの副菜・小鉢があると丁寧です。
 

[ヒヌカンへ日頃のお供えと拝み方の基本]
【沖縄の御願】ヒヌカン(仏壇)への毎月の拝み方

 
 

体を労わるナージューシー(菜雑炊)


体を労わるナージューシー(菜雑炊)
◇七日節句(ナンカヌスク)でいただくナージューシー(菜雑炊)は、旧正月明けに体を労わる料理です。
 
沖縄では気候が異なるため、入れる「七草」や「七種」は異なる家庭も多いですが、全国的な七草粥と同様、その菜(野菜)は胃腸の消化を助けるなど、体を労わることを目的とした行事食です。
 
 

沖縄の「七草」は本州と異なる

◇沖縄の「七草」は地元で入手しやすい7種類の「菜」や「穀」を入れます。
全国的な七草粥は、新暦1月7日にセリ・ナズナなどの「春の七草」を入れていただきますよね。
 
一方、沖縄のナンカヌスクでは、決まった七種類の草をそろえる決まりはありません。
 

 【沖縄での「七草」の一例】
 
 ・フーチバー(ヨモギ)
 ・ンジャナバー(苦菜)
 ・ハンダマ(水前寺菜)
 ・島にんじん
 ・モーウィ
 ・シマナー
 ・ノビル

 
…などなど、家庭によって入れる「菜」は異なりますが、身近にある葉野菜や薬草を用いてナージューシーを作ってきました。
 
そのため「ナナタテジューシー(七品ジューシー)」とも呼ぶ地域もあるでしょう。
また、厄払い祈願も兼ねて、香りの強いニラやネギなどを入れる風習もあります。
 
 

現代沖縄ナンカヌシク(七日節句)の行事食

◇現代の沖縄では、七日節句の行事食として、沖縄風炊き込みご飯「ジューシー」をいただく家庭も多いです。
…消化しやすく胃腸に優しい雑炊「ボロボロジューシー」として作る家もありますが、家庭によっては沖縄風炊き込みご飯「ジューシー」をいただきます。
 

 【現代沖縄に見るナンカヌシク(七日節句)の行事食】
 
 ●雑炊にした「ボロボロジューシー」
 ●沖縄風炊き込みご飯「ジューシー」
 ●穀物7種を入れた「七穀ジューシー」

 
また、沖縄風炊き込みご飯「ジューシー」を雑炊にして、少し柔らかくしていただく家もあるでしょう。
 
七穀ジューシー(ナナタテジューシー)は稗や粟を栽培する、離島地域に多く見られる風習です。
 
 

七草粥(ナージューシー)の供え方


七草粥(ナージューシー)の供え方
家庭にヒヌカン(火の神)を祀っている、お仏壇がある家では、沖縄の七草粥「ナージューシー」ができたら、家族がいただく前にお供えをしましょう!
 
沖縄の旧暦行事では、お仏壇(ご先祖様)へ最初の行事食をお供えし、家族と一緒にいただきます(共食)。
 
 

ナンカヌシク(七日節句)の進め方

ナンカヌシク(七日節句)の日、七草粥ナージューシーができたら、最初にお供えをする先はヒヌカンです。
 
日ごろから家を守護いただいているヒヌカンへ、今日の日がナンカヌシク(七日節句)の日であることをご報告し、何事もなく健康祈願ができることを祈ります。
 

 【ナンカヌシク(七日節句)の進め方】
 
 1.七草粥をお盆にのせる
 2.ヒヌカンへ供えてご報告
 3.お仏壇へ供える
 4.家族で共食
 5.ウサンデー

 
沖縄で「ウサンデー」とは、お供え物を下げることです。
ウサンデーしたお供え物は、家族が食べることでご加護をいただくとされています。
 
ナンカヌシク(七日節句)は午前中から明るい時間帯が好ましいですが、現代社会では、家族が揃う時間帯なら、いつでも問題はありません。
 
 

ヒヌカンへの供え方

ヒヌカンへの供え方
◇お盆に七草粥ナージューシーを配膳して供えます。
…ヒヌカン(火の神)へ七草粥を供える場合は、お盆にのせ箸は添えません
 
ヒヌカンは神様であるため、七草粥は食事としてではなく、供え物として出すという扱いになるためです。
 
七草粥ナージューシーを供える際、日頃からヒヌカンへ供えているウミキ(御酒)・ミジティ(水)は、新しいものに継ぎ替えると丁寧です。継ぎ足すのではなく、一度捨ててから、新しいものに変えましょう。
 
その後、お線香(ウコー)を供えて御願を行います。
 
 

お仏壇への供え方

お仏壇への供え方
◇お盆に副菜・七草粥ナージューシー・お箸を添えて供えます。
…お仏壇はご先祖様への供えであるため、食事として出すのが基本です。
お仏壇へ供える場合は、七草粥(ナージューシー)をお盆にのせ、箸を添えて供えます
 
また、七草粥(ナージューシー)に加えて、ウサチ(酢の物)などの箸休めになる副菜を添えるのが一般的です。
 
旧正月の祝い膳のように品数をそろえる必要はなく、七日節句に合わせた軽い内容で十分です。家族がいただくものと同じ行事食で、問題はありません。
 
 

供え終えた後の扱い

◇供えた七草粥ナージューシーは、後でウサンデーしましょう。
お供えをしてから少し時間が経った頃に、ヒヌカンやお仏壇から下げ、家族でいただきます。これを沖縄では「ウサンデー(お下がり)」と言います。
 
神様やご先祖様からのウサンデー(お下がり)をいただくことで、福徳などのご利益をいただくとされてきました。
 
 

七草粥|ナンカヌシク(七日節句)でお線香を供える本数


下天の拝みとは|旧暦1月4日に行うヒヌカンのお迎え
◇七日節句(ナンカヌシク)では、ヒヌカン(火の神)とお仏壇で、供えるお線香の本数が異なります。
 
これは七日節句に限った特別な決まりではなく、多くの沖縄の旧暦行事で行われる御願(ウグァン)で受け継がれてきた習慣です。
ここでは、七草粥・ナンカヌシク(七日節句)の御願にあわせて、本数の目安を整理します。
 
 

ヒヌカン|ジュウゴフンウコー(十五本御香)

◇ヒヌカンへ供えるお線香は、ジュウゴフンウコー(十五本御香)です。
沖縄の旧暦行事の際、ヒヌカンへ供えるお線香の本数は、日本線香15本にあたる「ジュウゴフンウコー(十五本御香)」を供えます。これは拝み主である家長が供える本数です。
 

 【ジュウゴフンウコー(十五本御香)】
 
 ●沖縄線香(ヒラウコー)…タヒラ半(2枚と半分)
 ●日本線香…15本

 
ナンカヌシク(七日節句)では、ヒヌカンへ最初にお供えをします。
一日の家族の平安を願うために、台所を担う家族が朝一番に拝むとされる神様がヒヌカンであるため、最初に供えて、ブジに行事を済ませられるよう、祈るためです。
 
 

お仏壇:ジュウニフンウコー(12本)

◇お仏壇へ供えるお線香は、ジュウニフンウコー(十二本御香)です。
お仏壇へ七草粥ナージューシーを供える際には、日本線香12本分にあたる「ジュウニフンウコー(十二本御香)」を供えます。こちらも拝み主である家長が供える本数です。
 

 【ジュウニフンウコー(十二本御香)】
 
 ●沖縄線香(ヒラウコー)…タヒラ(2枚)
 ●日本線香…12本

 
その他の家族は、家長の後で手を合わせて拝みます。
家長の後に続いてお線香を上げる場合には、1人につき「サンブンウコー(三本御香)」を供えると良いでしょう。
 
「サンブンウコー(三本御香)」は日本線香3本分にあたり、沖縄線香ヒラウコーでは縦半分に折ったもの、日本線香であれば3本、簡易版なら日本線香1本です。
 
 

香炉が小さい場合の調整方法

◇小さな香炉に供えるお線香は、簡易版で少なく供えると良いでしょう。
 
近年は、コンパクトな仏壇や小ぶりな香炉を使う家庭も増えています。
現代の沖縄では大きな沖縄のウコール(香炉)から、コンパクトな香炉へ変える際、今まで通りの本数を供えたことで、香炉が割れてしまうケースも増えました。
 
この場合、簡易版として少ない本数を供えることをおすすめします。
ウティン(御天)・ジーチ(地)・リュウグ(海)」の3天をひとつ神とする考え方もあり、その考え方に基づいています。
 

 【簡易版のお線香の本数】
 
 ●ヒヌカン……日本線香 5本(15本÷3本)
 ●お仏壇………日本線香 4本(12本÷3本)

 
とする方法が、よく用いられています。また、日本線香1本のみを供える人もいるでしょう。
 
沖縄線香ヒラウコーは、燃えやすく煙も出やすいため、小さな香炉では灰があちこちに散らばってしまう。香炉などに熱がこもり心配、などの声もありました。
 

 
 

七草粥(ナージューシー)の拝み方


七草粥(ナージューシー)の拝み方
七日節句(ナンカヌシク)の御願は、ヒヌカン → お仏壇の順で行います。
拝みは長く行うものではなく、「節目を報告し、健康を願う」ことが目的です。
 
 

ヒヌカンで伝える内容

◇ヒヌカンには、これから御願を行うことをお伝えします。
…ヒヌカンでは、「今日は七日節句であること」「無事に一年を過ごせるよう健康を願うこと」を伝えます。
 
昔ながらの沖縄言葉による拝み言葉「グイス」はありますが、一般家庭であれば、決まった文言を唱える必要はないでしょう。
以下のような要素が入っていれば問題ありません。
 

 【ヒヌカンへお伝えすること】
 
 ・今日がナンカヌシク(七日節句)の日であることの報告
 ・ナージューシーを供えたことの報告
 ・家族の健康・無事への願い
 
 [拝みの一例]
 
 「今日は七日節句の日です。
  ナージューシーを供えて、家族の健康を願います。
  今年も無事に過ごせますよう、お守りください。」

 
ヒヌカンは行事を始める前に報告する存在なので、ここで長く語る必要はありません。
 
 

お仏壇で伝える内容

◇お仏壇では、ご先祖への報告と感謝が中心になります。
お仏壇では「お願い」よりも主に「報告と感謝」です。伝える内容は次の流れが基本です。
 

 【お仏壇でお伝えすること】
 
 ・七日節句を迎えたことの報告
 ・無事に正月を過ごせたことへの感謝
 ・家族の健康を願うこと
 
 [拝みの一例]
 「今年も七日節句の日を迎えました。
  ナージューシーを供えています。
  家族が一年、健康で過ごせるよう見守ってください。」

 
そのため、ヒヌカンよりも言葉は少し丁寧でも構いませんが、ここでも長文にする必要はありません。
 
 

長くしないための組み立て方

◇七日節句(ナンカヌシク)の御願(ウグァン)は、短く終えて問題はありません。
…迷ったときは、次の三点だけを意識すると整理しやすくなります。
 

 ・今日は何の日か(七日節句であること)
 ・何を供えたか(ナージューシー)
 ・何を願うか(家族の健康)

 
この三点が入っていれば、拝みとしては十分です。
言葉が詰まった場合は、途中で区切っても問題ありません。
 
七日節句は「正月を締め、日常へ戻る節目」です。
形式を整えるよりも、節目を意識して区切ることが、この日の御願の本質と言えるでしょう。
 
 

まとめ|七日節句の御願で押さえるポイント


まとめ|七日節句の御願で押さえるポイント
七日節句(ナンカヌシク)は、旧正月の行事を終え、一年の健康を願って区切りをつける御願です。
祝いの行事ではなく、体と暮らしを日常へ戻すための節目として行われてきました。
 
七日節句の御願で押さえておきたいポイントは、次のとおりです。
 

 ・七日節句は 旧暦1月7日 に行う御願である
 ・行事食は、沖縄の七草粥 ナージューシー(菜雑炊)
 ・家族がいただく前に、ヒヌカン → お仏壇の順で供える
 ・ヒヌカンには箸を添えず、お仏壇には箸と副菜を添える
 ・お線香の本数は、ヒヌカンとお仏壇で異なる
 ・御願は長くせず、節目の報告と健康祈願を伝える
 ・御願後はウサンデーし、家族で共食する

 
七日節句は、「きちんとやらなければならない行事」ではなく、正月を無事に終えたことを確認し、次へ進むための御願です。
 
ナージューシーを供え、拝み、家族でいただく。その一連の流れそのものが、七日節句の意味といえるでしょう。
 
 



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