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沖縄の「七日節句(ナンカヌスク)」☆昔ながらの拝み方

沖縄の「七日節句(ナンカヌスク)」☆昔ながらの拝み方
旧暦行事の多い沖縄では七日節句(ナンカヌスク)も旧暦に拝みますよね。本州からの年中行事も定着して、現在では新正月と旧正月の、双方で祝い事を行う地域も多いです。
 
新正月の新暦1月7日には全国で、春の七草をいただいてお正月に疲れた胃腸を労りながら、家族の一年の健康を願いますが、沖縄でも同じく「ナージューシー(七品雑炊)」をいただきつつ、ヒヌカンへ健康祈願をします。
 
2020年では、旧暦1月7日に当たる日が1月31日です。
 
旧暦1月7日(新暦2020年1月31日)、沖縄の「七日節句(ナンカヌスク)」について、風習や拝み方についてお伝えします。
 



 

沖縄の「七日節句(ナンカヌスク)」☆
昔ながらの拝み方

 

飾り物を片付ける日


沖縄ではこの七日節句(ナンカヌスク)に、旧正月の飾り物を片付ける家が多いです。
 
新正月も定着した現代の沖縄では、全国の風趣に倣い、新暦のお正月に向けて門松やお飾り、鏡餅を飾り付けつつ、全国のように1月11日の鏡開きでは片づけをせずに、旧正月のこの日まで飾り続けます。
 
昔ながらの沖縄の風習では、七日節句(ナンカヌスク)にお飾りを片付ける際、一連の「片付け方」がありました。それが「スクヌーシ(節句直し)」です。
 

【 沖縄の七日節句(ナンカヌスク)☆「スクヌーシ(節句直し) 】
 
★ 「スクヌーシ(節句直し)」はその年の沖縄の七日節句(ナンカヌスク)の日までに、トゥシビーウグァン(※)を終えている場合に行われます。
 
→ 順番としては、沖縄では最初に七日節句(ナンカヌスク)を行い、次にスクヌーシ(節句直し)です。

 

(※)トゥシビーウグァンは「年拝み」を言い、旧暦1月2日から始まって、最初の家族の干支日に、一年の厄払いと健康祈願を拝みます。(そのため、最大12干支の12日の期間です。)
 
干支日の本人が拝むのではなく、家族が拝むとされ、その年の干支に当たる人は沖縄では「厄年」となるために、より丁寧な拝みが行われます。
 
詳しくは別記事「【沖縄の御願】旧暦1月2日から始まるトゥシビーの拝み方」や「ウフトゥシビーは厄年のお祓い☆災難を避ける旧正月の御願」をご参照ください♪
 

 

スクヌーシ(節句直し)のグイス(祝詞)


沖縄では神様へお話する言葉を「グイス」と言います。
 
全国的な「祝詞(のりと)」に近い意味合いになりますが、実際には昔ながらの沖縄言葉で話しているので、同じ意味合いや内容であれば、現代言葉でも問題ありません。
 
スクヌーシ(節句直し)では、下記のような言葉を神様へお伝えして、お飾りを片付けてください。
 

【 沖縄の七日節句(ナンカヌスク)☆スクヌーシのグイス 】
 
★「スーグザッチニ ウカザイ アギャイビンタル ウカザイムンチーヤ
(お正月にお飾りいたしましたお飾りを、)
 
チューヌ ヒガラムトゥイ、ムル、サーギラチィ クィミスーリー。
(今日の良き日に、どうぞみな、下げさせてくださいませ。)」

 

…単純に、今日の良き日取りにお正月のお飾りを下げさせていただきます。とお伝えしているだけですが、日ごろ沖縄言葉がすっかり少なくなった現代、拝み言葉としてだけでも用いるのも粋かもしれません。
 
下げたお飾りは、地域の神社で受け付けてくれれば、お焚き上げをお願いしても良いです。(受け付けている神社では、お飾りや前年のお守りなどを入れる場所があります。)
 
ただ、沖縄の御嶽などは無人のことも多いので、塩を振った後、ゴミとして捨てる家庭が多いかもしれません。
 

 

沖縄の七日節句のお供え物


沖縄でも七日節句(ナンカヌスク)には、全国とは少し品目が違いながらも「ナージューシー(菜雑炊、若しくはナナシナジューシー=七品雑炊)」を作り、皆でいただきつつ、ヒヌカンやお仏壇に供えます。
 
ただお仏壇に関しては、地域によって風習が違うことも多く、他にも豚の三枚肉の「ソーキ」と大根根や昆布の煮物を供えたり、ソーキ汁を供える地域も多いです。
 
この他、単純にその日のおかずを供える家庭もあります。供えるおかずを取り分けた皿は、昔ながらの沖縄では「ウチャワキ(お茶脇)」などとも言います。
 

【 沖縄の七日節句(ナンカヌスク)☆お供え物 】
 
① ヒヌカン(火の神)ナージューシー(七品雑炊)の椀を供え、ヒラウコー(平線香=沖縄線香)をタヒラ半(二枚半=日本線香では12本と3本)を拝し、拝みます。
 
② お仏壇がある家ではお仏壇へ、前述した地域のお供え物で大丈夫です。特に風習のない家では、ナージューシー(七品雑炊)にお箸を添え(※)てから拝んでください。
 
※ ヒラウコー(平線香)はタヒラ(二枚=日本線香12本)です。
 
③ 床の間(トゥクヌカミ)がある家では、床の間にも供え、ヒラウコー(平線香)をお仏壇と同じ、タヒラ(二枚=日本線香12本)を拝してから、拝みます。

 

…このような流れですが、ヒヌカン(火の神)への拝みだけの家庭も多いのではないでしょうか。
 
(※)お仏壇にお箸を添える時には、お仏壇にの御位牌がおひとりの家庭であれば一膳のみ…、ご先祖様を祀っているなど、複数いらっしゃる家庭では、二膳や複数のお箸を、お盆に添えます。
 
ヒヌカン(火の神)へはお箸を添えない家庭が多いです。
 
また沖縄の七日節句の雑炊は、レシピを中心とした別記事「ナンカヌスクは沖縄の七草粥☆一年の健康を願う年中行事」でもお伝えしていますので、コチラも併せてご参照ください♪

 

沖縄の七日節句のグイス(祝詞)


スクヌーシ(節句直し)でグイス(祝詞)があったように、沖縄では七日節句(ナンカヌスク)でも、火の神(ヒヌカン)様への拝み言葉があります。
 
同じような言葉をお仏壇で伝える家庭もありますが、一方で、お仏壇へはご先祖様へ語り掛けるように、自由に言葉を紡ぐ家庭も多いです。(もともと沖縄言葉で語り掛ける言葉ですので、問題ありません。)
 

【 沖縄の七日節句(ナンカヌスク)☆グイス(祝詞) 】
 
★「ウートゥートゥー ヒヌカンガナシー、
(あな尊き ヒヌカン様)
 
チューヤ ナンカヌスクヌヒー ナトゥーイビィン。
(今日は七日節句の日です。)
 
クマンカイ ジューシーン ウチャワキン、ウサギティービーグトゥー、ウキトゥイジュラスァー ウタビミスーリー。
 
(こちらに雑炊のお茶脇をお供えしておりますので、どうぞ受け取ってくださいませ。)
 
チャー 〇〇(姓)ヌ チヌーサンムトゥイ、ウマムイジュラスァー ウタビミスーリー、ウシディガフゥーディービル。
 
(いつもいつも、〇〇(姓)の家をお守りくださり、感謝しております。)
 
クトゥシヌ〇(干支)ドゥシン、カティ エンマンニ ヤーグナァー ムル、カラダガンジュー ウミジトゥガナワイ シミティ クィミスーリー、ウートゥートゥー。
 
(今年の〇(干支)年も、家庭が円満で、家の者が皆、体も元気に祈願も成就しますように、ウートゥートゥー。)」

 

今日の日が(沖縄の)七日節句であること、②お供え物を供えてあるので、受け取ってください。③いつも守ってくださり、感謝しています。④今年も家族が皆健康で、円満でありますように。
 
…この4点がお伝えできれいれば、現代言葉でも問題ありません。
 
ちなみに「お供え物」は沖縄言葉で「ウサギムン」と言います。「ウサギビーグトゥー」は「お供えしていますので」となるんです♪
 
 

いかがでしたでしょうか、今日は旧暦1月7日に行われる沖縄の「七日節句(ナンカヌスク)」についてお伝えしました。
 
沖縄言葉でも地域によって、またそれぞれに分かれ、「ナンカヌスク」や「ナンカヌシク」の他、「ナンカヌシーク」などとも言いますので、沖縄言葉は分かりにくいかもしれません。
 
旧正月のお飾りを片付ける「スクヌーシ(節句直し)」は、トゥシビーの拝みがまだ終わっていない家庭では、他にも節目があります。
 
それが「小正月」に当たる「トゥッカユッカー(十四日)」や「ハチカソーグァッチ(二十日正月)」などです。
 
どうぞ今回の記事をきっかけにしながら、旧正月までの長いお正月を楽しんでみてはいかがでしょうか。
 
 

まとめ

沖縄の七日節句の拝み方

・七日節句にお正月のお飾りを片付ける
・年拝みを終えた家庭がお飾りを片付ける
・お飾りの片づけは「スクヌーシ(節句直し)」
・お供え物は七品雑炊やお茶脇、ソーキ汁など
・ヒヌカン→お仏壇→床の間へ供え拝む
・家庭円満と家族の健康を祈願する
・年拝みを終えていなければ他の節目で片づける



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