ナンカヌスクは沖縄の七草粥☆一年の健康を願う年中行事
ナンカヌスクは漢字で「七日節句」と書きます、旧暦1月7日(2020年度の新暦では1月31日)の年中行事ですが、新暦1月7日の「七草粥」と繋がるものがありますよね。
そう、少しばかり沖縄ならではのアレンジがありますが、ナンカヌスクでも「ナージューシー」と呼ばれる、野菜がいっぱいの雑炊をいただきます。
旧正月の豚料理でくたびれた胃には、スッキリとした優しいナージューシーが体に染みますよね。
そこで今日は、沖縄のナンカヌスクの進め方とナージューシーの作り方をお伝えします。
ナンカヌスクは沖縄の七草粥☆
一年の健康を願う年中行事
沖縄のナンカヌスク
もともとは本土の七草粥も起源は同じと言われていますが、沖縄のナンカヌスクは中国、その昔の「六朝時代」からの影響です。
本州と同じく「七種類の野菜」であることは同じですが、沖縄では本州のような「春の七草」が揃う環境ではありません。
ですから、本州とは違う野菜でナージューシーを作りました。これを日ごろの沖縄の御願行事と同じく、ヒヌカン・お仏壇へお供えをします。
★ 「ナージューシー」は七つの「ナー」ではなく、「菜」の意味合いです。「ジューシー」は「雑炊」ですので、「菜の雑炊」となります。
・ 七つの葉物を入れれば良いのですが、以下のような野菜が多く用いられてきました。※()内は沖縄言葉です。
① 高菜(シマナー) ② よもぎ(フーチバー) ③ 大根の葉(デークニバー) ④ 不断草(ンスナバー) ⑤ ねぎ(ビラ) ⑥ 水前寺菜(ハンダマ) ⑦ 長命草(サクナ)
…ただ、現代ではスーパーに行けば野菜の種類も豊富で、春の七草で調理できますよね。
ですから「七種類の野菜」が入っていれば良い、として、子どもも食べやすいようにアレンジをする家庭も多いです。
特にハンダマやフーチバーは、沖縄では定番ながら、子どもが苦手な家庭が多いので、ほうれん草やニラ、水菜や白菜などで代用する…、と言う声も良く聞きます。
昔ながらのナージューシーの作り方
さらに今では子ども達にも食べさせられるよう、シーチキンなどを合わせたり、お味噌味にアレンジをする家庭も多いです。
ただ、今回はいろいろとアレンジができるよう、基本のナージューシーの作り方をお伝えします。
★ 材料 ★
・ お米 … カップ1 ・ 水 … たっぷり(6カップほど) ・ 好きな七種類の「野菜」
《 味付け 》
・ 塩 (少し味を付けたい時はだし汁や味噌)
① 洗ったお米を土鍋に入れたら、分量の水を加えて、しばらく浸けておいてください。(うっすらと味を付けたかったら、お水を出し汁にします。)
② ニンジンや大根などの根野菜を選んだ場合には、茹でて柔らかくしておきます。
③ 葉物野菜は一度塩を振ったお湯で茹でて取り上げ、ジューシー用に細かく切ってください。
④ ①のお米を浸けて置いた土鍋を炊いていきます。まずは強火に掛けて沸騰させます。
⑤ 泡が噴き出すように沸騰したら、すぐに弱火です。後は蓋を閉めたまま、30分ほど弱火に掛けてください。
⑥ 30分ほど経ったら蓋を開け、②・③の野菜を加えます。味を見ながら塩で調整したら、完成です。
…味付けは最初にだし汁に浸ける以外にも、最後の仕上げで塩だけではなく、味噌を入れても美味しく仕上がります。この時にサラダ油を少量回し入れる家庭も多いのではないでしょうか。
また、盛り付けの時には小口ネギを散らしたり、シークァーサーや胡椒を振り掛けても美味しいです。
ヒヌカンとお仏壇へ供えます
沖縄ではナンカヌスクでは、家族でナージューシーをいただくだけではなく、ヒヌカンとお仏壇へもお供えをします。
ヒヌカンにはお椀に盛った器だけで良いのですが、お仏壇にはナージューシーと共に、ウサチ(副菜の酢の物)とお箸も添え、膳に配膳して供えるのが、一般的な慣習です。
お供えをした時には、以下のようにお伝えして手を合わせてください。
① ヒヌカン …
「ウートゥートゥー、ヒヌカンガナシー、
本日はナンカヌスクの日でございます。七種の菜を加えたナージューシーをウサチ(酢の物)と共にお供えし、ナンカヌスクの御願を無事にさせてください。」
「ウートゥートゥー ウヤフジガナシー、
本日、お蔭様で家族皆健やかに、今年もナンカヌスクの日を迎えました。
七種の菜を加えたナージューシー、ウサチ(酢の物)をここにお供えしています。
今年一年もどうぞ、家族が健康に安全に過ごすことができますよう、ミーマンティー ウタビミスーリー(見守っていてください)、ウートゥートゥー」
…家庭や地域によっても細かな部分は変わりますが、自分達なりの言葉で、このような内容の言葉をお伝えしたら、ナンカヌスクの御願は終わりです。
後は家族皆でナージューシーをいただいて、次のナンカヌスクまでの健康を祈願してください。
いかがでしたでしょうか、今日は旧正月の御馳走で疲れた胃腸を労わり、一年の健康を願う沖縄旧正月の年中行事、ナンカヌスクの進め方をお伝えしました。
本文中ではハンダマやフーチバーの癖が強く、子ども達のなかには苦手な子も多いお話をしましたが、一般的には沖縄ではフーチバーもハンダマも、親しまれていますよね。
七菜を入れることができなくても、白粥にフーチバーを入れて、「フーチバージューシー」にしていただく家庭も多いです。
まt、あ普通の炊き込みご飯を「ジューシー」と言うので、雑炊ジューシーは「ボロボロジューシー」と言う家庭も多く見受けます。ぜひ、家族でナンカヌスクの節目を祝い、健康的な一年を過ごしてはいかがでしょうか。
まとめ
ナンカヌスクの進め方
・旧暦1月7日がナンカヌスク(七日節句)
・七種の菜を入れた「ナージューシー」をいただく
・ナージューシーは手に入りやすい七菜で良い
・先にお粥を作り、最後に菜を加える
・ナージューシーはヒヌカンとお仏壇にも供える
・家族でいただいて、一年の健康を願う
・現代では美味しくアレンジする家庭も増えた