【沖縄旧暦行事】旧暦12月!旧正月前のヒヌカン送り
沖縄の旧暦行事のなかでも、旧正月は沖縄南部を中心に、今でも大切な行事ですよね。そして旧正月の前、沖縄の旧暦12月に行う年末の御願は、沖縄独特ながら代々現代まで伝わっています。
その昔は沖縄では新暦のお正月よりも旧正月が大切な節目でしたが、明治中期の廃藩置県以降、少しずつ新暦のお正月が浸透してきました。
今では新正月、旧正月と両方とも祝われるため、新暦1月は新正月の年明けと、旧正月の年末が重なる時期!旧正月が盛んな地域では、大忙しの月ではないでしょうか。
そこで今日は、新暦2019年1月6日から始まる、沖縄の旧暦12月、御願行事をお伝えします。ぜひ、参考にしてください。
【沖縄旧暦行事】旧暦12月!
旧正月前のヒヌカン送り
沖縄の旧暦12月の年中行事
新暦では年が明けていますが、沖縄では旧暦の正月「旧正月」が待っています。2019年度は新暦1月6日(明日ですね)が旧暦12月1日ですので、旧正月へ向けて何かと忙しい、「年末」です。
また、その前に沖縄の旧暦行事では全島で親しまれている、鬼をやっつける!「ムーチー(鬼餅)」も待っています。
【 沖縄の旧暦12月(新暦1月頃)の御願 】
① 新暦2019年1月6日(日) = 旧暦12月1日 … 毎月行うヒヌカン(火の神)への「チィタチ(1日)の御願」です。
② 新暦2019年1月13日(日) = 旧暦12月8日 … 厄払いをして家族の健康祈願を行う、鬼祓いの「ムーチー(鬼餅)」があります。
③ 新暦2019年1月20日(日) = 旧暦12月15日 … 毎月行うヒヌカン(火の神)への「ジュウグニチ(15日)の御願」です。
④ 新暦2019年1月29日(火) = 旧暦12月24日 …
この日は旧正月に向けて屋敷(家)を掃除して屋敷の神々へ感謝の御願を行い、一年の祈願を解き、ヒヌカン(火の神)が天へ里帰りするのを見送ります。
最も沖縄で大きい旧暦12月の御願の日は、24日ではないでしょうか。
屋敷の神々への感謝の御願は「ヤシチヌウグァン(屋敷の御願)」、その後の一年の祈願を解く儀礼は「ウグァンブトゥチ(御願解き)」、と言います。
保育園でも行事を行う「ムーチー(鬼餅)」
沖縄の旧暦行事も少しずつ見られなくなってきましたが、そのなかでもムーチー(鬼餅)は、起源となる昔話と並び、沖縄の人々に今でも慣れ親しんでいる行事です。
それでも那覇市都心部では少なくなりましたが、沖縄の旧暦行事が色濃く残る本島南部などでは、保育園や幼児園などで、「ムーチー(鬼餅)」を作る行事があるほどです。
【 沖縄の旧暦12月、ムーチー(鬼餅) 】
☆ 妹が鉄を入れた餅を作って、鬼になった兄を追い払う沖縄の昔話にちなみ、サンニンの葉(月桃の葉)で包んで蒸したお餅(ムーチー・カーサームーチー)を作り、供えて厄払いをする御願行事です。
・ ムーチー(鬼餅)はヒヌカン(火の神)やお仏壇にお供えをする他、子どもの年齢の数だけを繋げて天井から吊るしたり、産まれて初めて迎える「初ムーチー」では、近隣のお家に配ったりします。
もともとは「ヤナカジ・シタナカジ」と呼ばれる悪霊や悪疫を追い払う行事でしたが、近年では家族の健康祈願として行われるようになりました。
特に子どもの健康祈願としての色合いが強く、この時期になると沖縄の旧暦行事が色濃い南部地方の保育園などでは、両親が保育園などにサンニンの葉を持って行き、園で子ども達と作る光景も見受けられます。
ムーチーの詳しい御願方法は別記事でご紹介しますので、下記のリンクを参考にしてください。
【 沖縄の旧暦12月行事、ムーチー 】
・ 【沖縄の御願】旧暦12月8日ムーチーの興味深い由来とは
・ ムーチー(お餅)の作り方☆無病息災を願う3つの手順
・ ムーチーの祈願で無病息災☆家族の健康を願う拝み方
※ 記事をアップ次第、リンクを貼って行きます。
旧正月に向けた御願、旧暦12月24日
地域によっても日にちに違いはありますが、旧暦12月24日は旧正月に向け、屋敷(家)を掃除して浄化し、屋敷の神々へ一年の感謝を捧げ、一年の御願を解く日です。
さらにこの日は、一年中屋敷を見守ってくれているヒヌカン(火の神)が、天へ里帰りをしますので、お見送りの儀礼もあります。
【 沖縄の旧暦行事、旧暦12月24日 】
① ヤシチヌウグァン(屋敷の御願) …
ヒヌカン(火の神)、仏壇、屋敷の四隅…と、四方八方から屋敷と屋敷に住む家族を守ってくださっている六ケ所の神々を廻り、御願を行い感謝を伝える御願です。
② ウグァンブトゥチ(御願解き) …
ヤシチヌウグァン(屋敷の御願)を終えたら、この一年、無事に祈願が叶えられ、家族幸せに一年を過ごせたことに感謝を捧げながら、一年の祈願を請い下げます。
③ ヒヌカンのお見送り …
ウグァンブトゥチ(御願解き)の後、ヒヌカン(火の神)は天へ里帰りしますのでお見送りの御願をします。この一年の感謝を伝えて、「天の神様に良い報告をしてください。」と祈願をしてください。
…これが沖縄の旧暦12月24日の御願です。少し大変な日にも見えますが、一連の流れがありますので、進めてしまえばさほど大変ではありません。
詳しくは別記事でお伝えしますので、下記のリンクを参考にしてください。
【 沖縄の旧正月、年末年始 】
・ 屋敷の御願の行い方☆感謝を捧げる6つの手順
・ 御願解き(ウグァンブトゥチ)の行い方☆旧暦年末の拝み
・ ヒヌカンのお見送り☆旧暦年末に行う昇天の御願
・ トゥシヌユールは沖縄旧暦の大晦日☆昔ながらの御願
※アップ次第、リンクを貼って行きますので、楽しみにしていてください。
いかがでしたでしょうか、旧暦12月の年末は旧正月への準備で何かと忙しくなりますが、新正月明けでもあります。
全国的な習わしに従うと、新暦1月7日は七草粥、15日には成人式もあるので、行事尽くしのひと月です。
特に沖縄の旧暦行事が盛んな南部の漁師町や八重山諸島、北部地域などでは、多くの地域で新正月のお飾りが旧正月まで飾られるため、この時期はずっと、玄関先の正月飾りの光景が見受けられます。
ムーチーは手作りでも簡単ですが、沖縄のスーパーの多くが、この時期になると惣菜コーナーでムーチーを販売しているので、コチラを利用しても手軽で良いかもしれません。
まとめ
沖縄、旧暦12月の行事とは
・2019年1月6日(旧暦12月1日)チィタチの御願
・2019年1月13日(旧暦12月8日)ムーチー
・2019年1月20日(旧暦12月15日)ジュウグニチの御願
・2019年1月29日(旧暦12月24日)ヤシチヌウグァン
・2019年1月29日(旧暦12月24日)ウグァンブトゥチ
・2019年1月29日(旧暦12月24日)ヒヌカンのお見送り
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