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浜下り(はまうい)の三月お重|昔ながらのお弁当と三月菓子の作り方

浜下り(はまうい)の三月お重|昔ながらのお弁当と三月菓子の作り方
沖縄の浜下り(はまうい)といえば、旧暦3月3日に家族で潮干狩りを楽しむ行楽行事として、すっかり定着していますよね。
 
現代ではピクニック弁当を持参する家庭がほとんどですが、昔ながらの浜下りには「三月お重」と呼ばれる特別なお重弁当がありました。
 

フーチムチ(よもぎ餅)にカラフルなおかず、手作りの三月菓子
 
…女の子の節句らしい可愛らしい色合いで詰められた四段重ねのお弁当は、浜下りならではの特別感がありますよね。

 
今ではすっかり見かけなくなった「三月お重」ですが、せっかくなら今年の浜下りに挑戦してみませんか?
2026年の浜下りは旧暦3月3日、新暦4月19日(日曜日)です。三月菓子の作り方レシピもあわせてご紹介します。
 

※本記事は、公益財団法人「沖縄県メモリアル整備協会」が作成しています。地域の習わしを大切に、それぞれの家らしい心のこもったご供養の一助にしてください。(2026年4月09日更新)

 



 
 

浜下り(はまうい)の「三月お重」とは


浜下り(はまうい)の「三月お重」とは
沖縄の浜下りに昔から欠かせなかったのが「三月お重」です。
朝から丁寧に用意して海岸へ持参するお重弁当で、女の子の節句らしい可愛らしい色合いが特徴です。
 
現代では運動会のピクニック弁当のようなスタイルが主流になり、三月お重を用意する家庭は少なくなりました。それでも毎年丁寧に用意する家庭もまだまだあり、沖縄の浜下りに受け継がれてきた大切な食文化のひとつです。
 

●沖縄の浜下りは旧暦3月3日、旧暦の女の子の節句に行います。
…その名の通り女性たちが浜へ下りて潮水に手足を浸し穢れを落とす行事で、昔は男子禁制でした。

 
全国的な新暦3月3日のひな祭りと同じ女の子の節句ですが、行うことが全く違いますよね。
 
沖縄では、浜下りに出かける前にはヒヌカン(火の神)とお仏壇にフーチムチ(よもぎ餅)をお供えして拝みを捧げてから海岸へ向かいました。
 
浜下りの由来や儀礼については、こちらもあわせてご覧ください。
 

 
 

昔ながらの四段重ねのお弁当

◇三月お重には、カラフルなおかずやお菓子が並びます。
ピンクや緑、黄色など華やかな色合いで詰めるのが、女の子の節句ならではの楽しみです。
 

●例えば…、
 
・カステラかまぼこ
・赤かまぼこ
・紅地豆
花イカ
・てんぷら
・昆布巻き
三月菓子(サングァッチグァーシ)
フーチムチ(よもぎ餅)
…などなどのおかずが詰められます。

 
花イカは食紅でピンクに色づけして花の形に切り、見た目にも可愛らしく仕上げます。
 
赤かまぼこを花型に切ったり、カステラかまぼこを添えたりと、彩り豊かに詰めるのが昔ながらの三月お重の醍醐味です。
 


【豆知識】花イカって何?
 
花イカは三月お重の定番おかずで、イカに格子状の切り込みを入れて食紅で色づけし、ゆでると花のように開く華やかな一品です。
 
女の子の節句らしい、見た目にも美しいお重のアクセントになります。

 
 

三月お重の中身|何を詰める?


浜下り(はまうい)の「三月お重」とは
◇昔ながらの三月お重は四段重ねで、それぞれの段に詰めるものが決まっていました。
地域やお家によって多少違いはあるものの、どの段も女の子の節句らしい華やかな色合いで仕上げるのが、沖縄の浜下りらしいところですよね。
 
 

一段目|おかずの段

◇一段目はおかずの段です。
赤かまぼこを花型に切ったり、花イカを華やかに添えたりと、見た目にも工夫を凝らすのが昔ながらのスタイルでした。
 

・カステラかまぼこ
・赤かまぼこ
・昆布巻き
・紅地豆
・花イカ
・てんぷら

 
ピンクや白、緑など彩り豊かに詰めると、女の子の節句らしい華やかな一段に仕上がります。
 
 

二段目|フーチムチ(よもぎ餅)

二段目|フーチムチ(よもぎ餅)
◇二段目には旧暦3月3日のお餅「フーチムチ(よもぎ餅)」を奇数個詰めます。
…もち粉によもぎを混ぜて蒸したお餅で、中にタロいものあんを入れるのが昔ながらのスタイルです。
 
春先のやわらかいよもぎを使うと、色も風味も格別ですよね。
 
 

三段目|三月菓子(サングァッチグァーシ)

三段目|三月菓子(サングァッチグァーシ)
◇三段目には手作りの三月菓子(サングァッチグァーシ)を詰めます。
…小麦粉と卵、砂糖を合わせた生地を揚げた素朴なお菓子で、三月お重には欠かせない一品です。作り方は次の項でご紹介します。
 
 

四段目|寒天

◇四段目には棒寒天を砂糖で甘く煮溶かして固めた寒天を詰めます。
赤い棒寒天を使うことが多く、その華やかな色合いが女の子の節句らしい一品です。
 
昔ながらの三月お重では、この四段それぞれを朝から丁寧に用意したものです。
 
現代ではなかなか見かけなくなりましたが、ぜひ一度、昔ながらのスタイルで挑戦してみてはいかがでしょうか。
 

【豆知識】奇数個がポイント
 
沖縄の御願行事では「奇数」が大切とされています。
 
フーチムチや三月菓子をお重に詰める際も、三個・五個など奇数個にするのが昔ながらの習わしです。

 
 

三月菓子(サングァッチグァーシ)の作り方


三月お重の中身|何を詰める?
◇三月お重に欠かせない三月菓子(サングァッチグァーシ)は、小麦粉と卵、砂糖を合わせて揚げた素朴なお菓子です。
…昔はどのお家でも手作りするのが当たり前でしたが、最近では「三月菓子」として販売されているものも見かけるようになりました。
 
せっかくなら手作りに挑戦してみませんか?
 
 

材料と作り方

材料はスーパーで手軽に揃えられるものばかりです。生地を冷蔵庫で休ませる時間が必要なので、当日の朝早めに取りかかると余裕を持って用意できますよ。
 

☆ 材料 ☆
 
・薄力粉…500g
・砂糖…350g
・卵…5個
・ベーキングパウダー…大さじ1
・サラダ油…大さじ1
・サラダ油(揚げ用)
・打ち粉…少々

 

☆ 作り方 ☆
 
① ボウルに卵を全部割り入れてよくとき、こし器でこします。
 
② 卵に砂糖、サラダ油を加えてよく混ぜます。
 
③ 別のボウルに薄力粉とベーキングパウダーをふるっておきます。
 
④ ふるった薄力粉を卵に加えてよくこね、冷蔵庫で2時間ほど休ませます。
 
⑤ まな板の上に打ち粉を軽くふり、生地を棒状に伸ばします。
 
⑥ 包丁の腹でまっすぐ形を整え、1センチくらいの厚さに押しつぶして幅2センチくらいに切ります。
 
⑦ 最初は低温にして、ゆっくりと揚げたら出来上がりです。

 
素朴な甘さの揚げ菓子ですが、サクッとした食感がやみつきになりますよね。浜下りの日だけでなく、おやつにもぴったりの一品です。
 
 

簡単アレンジ版も人気

◇最近ではホットケーキミックスを使って手軽に作るお家も増えてきました。
…また、沖縄のお土産でも見かける「ドーナツ棒」で代用する家庭もあるようです。
 
三月菓子として販売されているものを購入して詰めるのももちろんアリですよね。大切なのは、家族みんなで浜下りを楽しむ気持ちです。
 
 

現代の浜下りと三月お重


現代の浜下りと三月お重
◇現代の浜下りでは、運動会のピクニック弁当のような気軽なスタイルで出かける家庭がほとんどです。
…三月お重を知らない世代も増えてきた中で、昔ながらの四段重ねを毎年丁寧に用意するお家はだんだん少なくなってきました。
 
それでも浜下りの朝、ヒヌカン(火の神)とお仏壇にフーチムチ(よもぎ餅)をお供えしてから出かける風習は、今も多くの家庭で大切に受け継がれています。
 

●たとえ三月お重でなくても、浜辺でお重を開く瞬間のワクワク感は、昔も今も変わりませんよね。

 
せっかくなら今年の浜下りに、フーチムチや三月菓子だけでも手作りして持っていくのも素敵かもしれませんね。
 
ヒヌカンやお仏壇への拝み方については、こちらもあわせてご覧ください。
 

[浜下り(ハマウイ・浜降り)のお供え物や準備についてはコチラ]
浜下り(はまうい)のお供え物☆海に行く前の拝み方

 
 

まとめ|昔ながらの三月お重で浜下りを楽しもう


まとめ|昔ながらの三月お重で浜下りを楽しもう
◇今回は昔ながらの浜下り(はまうい)の「三月お重」と、三月菓子(サングァッチグァーシ)の作り方をご紹介しました。
…現代では気軽なピクニック弁当が主流になりましたが、こうして昔ながらの三月お重を知ると、浜下りがより一層特別な行事に感じられますよね。
 
2026年の浜下りは旧暦3月3日、新暦4月19日(日曜日)です。
 
全部揃えるのは大変でも、フーチムチや三月菓子だけでも手作りして持っていくと、いつもとちょっと違う浜下りになるかもしれません。
 
ぜひ今年の浜下りに挑戦してみてください。
 
浜下りの由来や儀礼の手順、お供え物の拝み方については、こちらの記事もあわせてご覧ください。
 

 

【この記事のまとめ】
 
・三月お重は四段重ねが昔ながらのスタイル
・一段目はおかず、二段目はフーチムチ、三段目は三月菓子、四段目は寒天
・花イカやカステラかまぼこなど彩り豊かに詰めるのが三月お重らしさ
・三月菓子は小麦粉と卵、砂糖で作る揚げ菓子
・ホットケーキミックスやドーナツ棒で代用するお家も
・2026年の浜下りは4月19日(日曜日)

 


【監修者:東恩納 寛寿(ひがしおんな ひろひさ)】
 
東恩納写真
公益財団法人 沖縄県メモリアル整備協会 終活支援部長
 
●経歴
 
19XX年、沖縄県名護市出身。
米国・南ユタ大学コミュニケーション学部卒業。
 
県内大手建設会社勤務を経て、2007年に公益財団法人 沖縄県メモリアル整備協会に入社。長年、お墓の企画提案や販売業務の第一線に従事し、中城メモリアルパーク所長を歴任。現在は終活支援部長として、沖縄の供養文化と現代のニーズを繋ぐ活動に注力している。
 
●資格・活動
 
・終活カウンセラー1級(沖縄県初取得者)
一般社団法人 全国空き家アドバイザー協議会 沖縄県名護支部 幹事
 
●実績
 
県内各自治体、社会福祉協議会、医療法人、老人ホーム等での出張セミナーや講演を累計500回以上実施。沖縄タイムス等のメディア寄稿を通じ、相続や空き家問題、墓じまいに関する啓発活動を行っている。

 
 



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