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沖縄の三十三年忌☆前夜に行うメーヒウグァン

沖縄の三十三年忌☆前夜に行うメーヒウグァン
沖縄の三十三年忌(サンジュウサンニンチ=三十三周忌)は、最後の焼香(法要)ですよね。そのため、沖縄では三十三年忌に限り、「メーヒウグァン(前日御願)」を行う地域がありました。

 

もともと二十五年忌(二十五周忌)からは、お祝いの意味合いがある沖縄のニンチスーコー(年忌焼香=周忌法要)、沖縄では三十三年忌は盛大なウフスーコー(大焼香)と呼ばれるお祝いです。

 

この前夜のメーヒウグァンでも、昔ながらの習わしでは、お祝いのごとく、チラガー(豚の顔肉)やヒチジ(ヒージャー=羊肉)を供えてきました。

 

そこで今日は、沖縄の三十三年忌、前夜から行われる、故人の昇天の供養、「メーヒウグァン(前日御願)」についてお伝えします。「こんな習わしもあったのか」と言う方も多いかもしれません。ぜひ、参考にしてください。

 



 

沖縄の三十三年忌☆
前夜に行うメーヒウグァン

 

沖縄の三十三年忌、前日の「メーヒウグァン」とは


今ではほとんどの地域で見なくなりましたが、故人が守護神(祖霊)になる境目である、沖縄の三十三年忌では、前日に「メーヒウグァン(前日御願)」が行われました。

 

「メーヒウグァン」の他に、「メーニゲー」「ウティンジウグァン(御願の御願)」とも言われ、守護神となる御先祖様が、天へと昇天する拝みです。

 

【 沖縄の三十三年忌の前夜、メーヒウグァン 】

 

☆ 行う場所は仏間前の縁側…、夕方以降に行います。戸口から外へ向けてお供えをして、拝んでください。

 

 

「メーヒウグァン」のお供え物


沖縄の三十三年忌は「ウフスーコー(大焼香)」とも言われる、カリー(お祝い)の年忌(法要)です。ですから地域によっては、集落の人々が集まることもあり、自治会から鍋などを借りて、大量に料理をすることもあります。

 

「チラガー(豚の顔肉)」「ヒチジ(ヒージャー=羊)」は、本州の方々は驚かれる方も多いですが、沖縄では新築祝いや建墓祝い…、あらゆるカリー(お祝い)で振舞われて来ました。

 

今では「若ヒチジ」は、大鍋でヒージャー汁を振舞うことが多いです。チラガーやヒージャー汁は、今では家で作らず、専門店で注文をして、当日に取りに行くと便利です。

 

「七」つ、対の「二」つ、それぞれ一つずつと、数字が特徴的なので、お供え物を数字で分けてお伝えします。

 

【 沖縄の三十三年忌、前日に拝む「メーヒウグァン」 】

 

☆ ウサギムン(お供え物)

 

① 七つのウサギムン

 

・ ミジトゥ(水)
・ ウサキ(お酒)
・ ウチャトゥ(お茶)

 

② 対の二つのウサギムン

 

・ チラガー(豚の顔肉)
・ 卵
・ 青菜と豆腐和え(小皿盛り)
・ 若ヒチジ(若い羊肉)
・ エビ、カニと鯛(七つずつ盛りつける)

 

③ 一つずつのウサギムン

 

・ チャーシウブン(赤飯)
・ シラベーシ(茹で豚を七枚)
・ お膳

 

もちろん、重箱料理の御三味(ウサンミ)も供えます。御三味(ウサンミ)は、チュクンの四段でお供えをしてください。

 

【 チラガーや若ヒチジはどうするか… 】

 

☆ …ただ、こちらのウサギムン(お供え物)には、チラガーや若ヒチジについて詳しくお伝えしたものの、今ではすっかり見なくなりました。

 

・ 「特殊な亡くなり方をした場合に限り」と考える家もあり、盛大にお祝いするかどうか…、家々によって判断しても、問題はありません。

 

少し大変そうにも思えますが、翌日は三十三年忌があり、その時のお供え物とも重なりますので、二日間をまとめて準備をする感覚で進めると少し負担が軽減します。

 

 

メーヒウグァンで準備をするもの


沖縄の三十三年忌、前夜に行うメーヒウグァン(前日御願)では、これらのお供え物の他に、準備をする御願道具があります。

 

他のニンチスーコー(年忌焼香=周忌法要)でも利用するものもありますが、沖縄の三十三年忌だからこそのものもあるので、ぜひ参考にしてください。

 

【 沖縄の三十三年忌、メーヒウグァンの準備 】

 

① 九号花 … 「花」は「花米」で、何もしていないお米のことです。四角い容器に花米を敷き、その上に古銭を乗せます。今では普通に三十五円を入れる家も多いです。

 

② ウティンジカビ … ウチカビと共に焚く「ウティン(御天)」様の絵が描かれている、赤い紙です。

 

③ シルカビ … 神様への拝みではお馴染みの、神様への「お金(税金)」がシルカビです。習字の半紙三枚を縦に二つ折りし、折り目を残したまま、横に四つに切り分けた紙を差しています。

 

④ ウチカビ … 御先祖様への供養で使う、グソー(後生=あの世)で使う「お金」です。

 

以上を準備して供えます。ウティンジカビは沖縄の三十三年忌特有のものですが、地域によってこの他にも、白紙を七つに千切った「ナナハシヌカミ(七橋の神)」を準備することもあります。

 

どちらも故人が天へ昇天していくのを、助けるものとされてきました。ウティジンカビは寺院などでいただいてください。

 

 

いかがでしたでしょうか、今日は沖縄の三十三年忌の前夜に行う、「メーヒウグァン(前日御願)」についてお伝えしました。メーヒウグァン(前日御願)は、前日の夜に庭先で行う、故人の魂が昇天して極楽浄土へ行くための供養の拝みです。

 

今では家屋としても庭先の縁側(ハシル)もないためか、ほとんど見られなくなりました。けれども前日から沖縄の三十三年忌のお供え物をお仏壇に供え、手を合わせる姿は見受けます。

 

「明日は三十三年忌です。どうぞ守護神となり、これからもクワッウマガー(子孫皆)、ミーマンティー ウタビミスーリー(見守ってください。)、ウートゥートゥーディービル。」と、故人にお伝えしても良いかもしれません。

 

 

まとめ

沖縄三十三年忌、前日の御願とは

・「メーヒウグァン(前日御願)」と言う
・年忌の前夜に縁側で行う
・故人が極楽浄土へ行く供養の御願
・チラガーやヒージャーなども供えた
・九号花やウティンジカビも揃える
・翌日の三十三年忌と一緒に準備をする



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