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沖縄のお墓事なら「ユンヂチ」、こなしたい事柄とは

沖縄のお墓事なら「ユンヂチ」、こなしたい事柄とは
沖縄のお墓事仏壇、位牌に関する事柄は、とても細かいならわしがありますよね。沖縄の書店を覗けば、たくさんの沖縄のお墓や仏壇事…、スーコーやトートーメーに関する書籍が並ぶことでも分かります。

 

沖縄のお墓事では「スーコー」は法事「トートーメー」はご先祖や位牌を表し、沖縄に住んでいるとよく聞く言葉。沖縄ではお墓事や位牌や仏壇に関する事柄を、とても大切なものとして扱っています。

 

それはもちろん、本州でも同じ事が言えるのですが、沖縄の文化は独特なものが多いのです。そして2017年は、そんな沖縄でお墓事を進めるのに適した年と言われる「ユンヂチ」の年回り

 

せっかく沖縄でお墓を建てるなら、昔ながらの慣わしを大切にしながら、堂々と建てたいですよね。そこで今回は、沖縄でお墓事を進めるのに適した年回り、「ユンヂチ」について解説します。

 



 

沖縄のお墓事なら「ユンヂチ」。
こなしたい事柄とは

 

沖縄のお墓事を進めたい、ユンヂチ


ユンヂチは漢字で書くと「閏月」。そのまま読めば「うるうづき」となるように、新暦と旧暦のずれで生じる、一ヶ月の余分な月を差しています。沖縄の年間行事は、旧暦を軸にして行われるため、ユンヂチがあると言えます。

 

【 沖縄のお墓事に適した「ユンヂチ」とは 】

■ 新暦では「閏年(うるうどし)」がありますよね。閏年(うるうどし)の2月は4年に一回だけ2月29日を設けて、暦を調整していますが、この一日と同じように、何と一ヶ月!設けているのがユンヂチなのです。

 

・ この月はあの世にいる神様にとっては、「日無し(ひなーし)」と言われ、「ないもの」。そのため、この世の出来事は、ユンヂチの期間だけ、神様の目が届かない、とされているのです。

 

沖縄ではお墓事をする際に、良い日取りやしきたりなど、細やかな決まり事があります。ただ、そのしきたりや日取りをキチンと守っていると、お墓自体が建てられないことも…。

 

そのため、他の時期でも沖縄でお墓を建てることは多いのですが、ユンヂチの時期は比較的自由に進められるため、好まれているタイミングなのです。

 

 

ユンヂチの一年のなかでも良い時期


このユンヂチは約33ヶ月毎に一回訪れ、昔ながらの考え方であれば閏月となる一ヶ月がユンヂチの期間になりますが、現代では閏月のある年、一年間をユンヂチとしています。

 

【 2020年のユンヂチ 】

■ 新暦では新暦2020年1月25日~新暦2021年2月11日が、2020年のユンヂチ期間です。

 

・ 2020年は旧暦の4月が閏月になりますので、正確なユンヂチ期間は、新暦では2020年5月23日土曜日(旧暦閏4月1日)~6月20日土曜日(旧暦閏4月29日)。この時期の契約や地鎮祭と言うのも一案です。

 

・ その他、旧暦の七夕も、神様の目がこの世の事柄に届き難いとされているので、旧暦の七夕の日を目安に進めることもあります。

 

約33ヶ月に一度、19年間で七回訪れますので、ユンヂチの時期が過ぎるとまた数年待つことになります。2018年2月15日が過ぎると、次のユンヂチは2020年1月25日の旧正月から。ぴったりの時期を選びたいものです。

 

 

ユンヂチに進めたい、沖縄のお墓事とは


そもそも、新しいお墓を建てることは悪いことではないのですが、沖縄でお墓を建てる際のさまざまな行事を行う時、日取りで悩むことが少なくなる点が、嬉しい側面です。

 

ただ、その他にも今まで気になっていたけれど、踏み出せなかった沖縄のお墓事の悩みを解消するには、このユンヂチが最も良いタイミングかもしれません。

 

【 ユンヂチに解消したい、沖縄のお墓事 】

■ 例えば、老朽化したお墓の修繕や建て直し。その他、沖縄のお墓の改葬や墓じまいなども、この時期に行ってしまいたい沖縄のお墓事です。

 

・ 自分の代以降の、お墓の継承者や管理状況への不安を持つ高齢の方々は多いです。けれども、ご先祖様を大切にする沖縄だけに、なかなか悩みを解消するに至らないまま、時には無縁仏となってしまうこともあるのです。

 

確かにお墓の改葬や墓じまいは、なかなか踏み出せない沖縄のお墓事のひとつですが、老朽化が進んでボロボロになってしまったり、無縁仏になるのは避けたいもの。

 

ユンヂチを良いタイミングとして、検討するのもひとつの方法です。

 

 

墓じまいや改葬は「不吉」?


ユンヂチには神様の目が届かないため日取りが決めやすく、沖縄で「お墓事を行うのに良い年」とは言われていますが、お墓の修理修繕や祝い事は良しとしても、「墓じまいや改装は不吉だから良くない!」や「死んだ人が悲しむ、迷子になる」との理由で、墓じまいや改葬を嫌う声も良く聞こえます。
 
けれども、暮らしの範囲が全国→世界へと広がるなか、現実的にお墓の改葬も墓じまいもせずに、今のまま維持していくには、子どもや子孫への負担が重く、ムリが生じているのも事実です。
 
この「お墓の改葬や墓じまいは不吉」との由縁はどのようなものなのか…、ここを理解した上でなら、決断しやすいかもしれません。

 

【 お墓の改葬や墓じまいは不吉? 】

■ その昔、沖縄では風葬の歴史がありました。そのために人々が住む地域から離れた「あの世」と言われる地域に風葬され、一定期間が過ぎると、子孫が改めて訪れ、骨になった遺体を洗い(洗骨)、骨壷に入れていました。

 

・ この風習から人はゆっくりと死の国へ移行すること…、人々の魂はその体を落ちて地面へと移り、そこから離れないと信じられていたのです。
 
→ けれども今では国から火葬を義務付けられており、火葬ですので「空へと煙になって」上がるとされています。確かに「風葬時代からの魂はその地面に残る…」とも言えますが、何十年も昔の魂でもあり、すでに成仏していると取る方々も多いです。

 

お墓を移動すると入っていたご先祖様が迷子になる…、その場所から動くことはできない…、などの声も多いですが、一方で仏教の観点から考える人々も増えました。
 
そのために墓じまいや改葬での閉眼供養や開眼供養のお経で、ご先祖様へその意向はしっかりと伝わるものだと、考える人々も多くなっているのも事実です。

 

 

ユンヂチで進めたい、沖縄の仏壇事


このユンヂチは沖縄のお墓事ばかりではなく、仏壇の新調などにも適しています。沖縄ではお墓はもちろん、仏壇や位牌もとても重要視されているもの。特に位牌はトートーメーの対象であり、ご先祖様そのものなのです。

 

【 ユンヂチには仏壇の新調も 】

■ そんな仏壇や位牌ですから、もちろんユンヂチに新調すると、沖縄のお墓同様、日取りや細かな部分で停滞したり、悩まずに進められる部分はあります。

 

・ 仏壇の新調時も、沖縄のお墓じまいと同様に、閉眼供養をして魂を古い仏壇から抜き、開眼供養を行って、新しい仏壇へと移さなければなりません。

 

ただし、時々言われる「お仏壇はいつでも新調して良い訳ではない。(時期をわきまえないと、その家に不幸が訪れる)。」は、迷信。ご先祖様の住まいを立派に新調するのですから、ユンヂチがより良い時期、と言うことです。

 

 

ユンヂチに進める、「筋正し」とは


沖縄はお墓だけではなく、ユンヂチの期間に位牌の継承「トートーメー」のシジタダシを行うことも。このシジタダシとは、詳しくお伝えすればとても複雑ではあるのですが、継承の流れを正す、と言う意味合いです。

 

【 ユンヂチに進めたい、筋正し(シジタダシ) 】

■ 沖縄の位牌の継承、トートーメーは基本的に父系の血族でなければなりません。そのなかでも、とても複雑なしきたりが多々あるのです。

 

・ 家のなかで病気に悩んだり、家が繁栄しない…、などの問題が起きた時、沖縄では「継承の流れをどこかで間違えた。」と判断し、その継承の血筋を正す、「筋正し(シジタダシ)」が行われることがあります。

 

とは言え、普通に暮らしていると、祖先を遡ることはほとんど不可能、困難を極めますよね。そのため、このシジタダシを判断したり進める時、ユタに相談することがほとんどです。

 

「シジタダシ」のウソホント


このような「父方の血筋」でなければお墓に入れない…、などの考え方は確かに沖縄では昔からありました。今でも高齢の方々は、「血が混じる」とする方もいるかもしれません。
 
けれども実際の沖縄では「門中」一族の純粋な血筋のみが入るお墓はいわゆる「高貴」な人々が中心で、一般的な民衆は昔から、「村墓」などの共同墓が主流でした。
 
沖縄の風物詩となっている亀甲墓や破風墓も、そもそも一般庶民には許されていない時代も長く、村の人々が共同で入ったシンプルな「家墓」が主流の時代です。
 
ですから「門中墓」に父方の血族のみしか入ることが出来ない…、と言う「掟」自体も、戦前戦後の、歴史のなかではごくごく最近の話とも言えます。

 

【 シジタダシのウソホント 】

■ また、「このお墓の中に父方の血族以外の人々が入っているか…」「歴代引き継いで来た人物が、純粋な父方の血族なのか…」などを見極めるのは、あくまでもユタさんです。

 

・ ですから今では、そもそも父方と母方の親族が一緒に入るお墓を建てる家も出てきましたし、その昔はタブーと言われた女性(娘)のお墓の継承も増えました。

 

風葬が火葬になり、沖縄の御願文化だけではなくさまざまな宗旨宗派が受け入れられ、時代もワールドワイドになるなかで、少しずつ現代に合わせた伝統を守りつつ、出来る部分の文化や考え方は今に残す…、そんな時代になっているのかもしれません。

 

 

いかがでしたでしょうか、沖縄のお墓事やしきたりについて、あまり気にしてこなかった方々でも、沖縄に住んでいると広告などで「ユンヂチ」の言葉を見掛けたこともあったのではないでしょうか。

 

このような理由から、ユンジチの期間には沖縄のお墓に関するさまざまな事柄を進めるのにふさわしく、お仏壇なども新調しやすいなど、数年に一度のタイミングとなるのです。

 

今では沖縄のしきたりも世代を重ねる毎に、だんだんと緩くなってきて、あまり気にしない人々も増えてきましたが、やはり心のどこかで気になることもあるもの。

 

もちろんユンヂチ以外の期間でも、沖縄でお墓を建てたり、仏壇を新調することは問題ないのですが、ユンヂチの年回りも意識してみたいですよね。この時期を良いきっかけとして、お墓や仏壇事を進めてみてはいかがでしょうか。

 

まとめ

お墓事に適したユンヂチとは

・ユンヂチは旧暦と新暦の調整により生まれた「閏月」
・今ではユンヂチは、閏月のある一年間を差す
・閏月の一ヶ月と旧暦の七夕は、尚お墓事に適した時期
・特にお墓の改葬や墓じまいは、ユンジチが良いタイミング
・ユンヂチでは仏壇の新調も適している
・トートーメーの「シジタダシ」もこの時期が適切

 



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