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トゥシヌユールは沖縄の大晦日☆昔ながらの過ごし方

トゥシヌユールは沖縄の大晦日☆昔ながらの過ごし方
トゥシヌユールは沖縄の言葉で「大晦日」、今では主に旧正月前日の大晦日の意味合いが強いです。

 

現代ではすっかり新正月が主流になった沖縄ですが、南部糸満市などもともと漁師町だった地域では、今も公立学校の授業が半日になるなど、旧正月が盛んです。

 

2020年の旧正月(ソーグァッチ)は1月25日(土)、トゥシヌユール(大晦日)は1月24日(金)なので、新正月明けながら旧正月に向けた年末で大忙しではないでしょうか。

 

そこで今日は、旧正月に向けた沖縄のトゥシヌユール(大晦日)、今でも残る、昔ながらの過ごし方をお伝えします。

 



 

トゥシヌユールは沖縄の大晦日☆
昔ながらの過ごし方

 

トゥシヌユール(大晦日)は豚を下ろす?


昔の沖縄では豚は大の御馳走で、清明祭(シーミー)やお盆など、大きな御願行事でなければ、いただくことはなかなかできませんでした。

 

もちろん旧正月は一大年中行事ですよね。ですから昔の沖縄では、トゥシヌユール(大晦日)に、家で飼っていた豚を一頭下ろして、「鳴き声以外は(※1)」全て保存したり、調理をしました。

 

【 トゥシヌユール(大晦日)のウァークルシー 】

 

☆ 「ウァークルシー」は「豚を殺す」の意味合いです。豚を解体すると、豚脂をアンダーガーミ(油甕)に保存したり、肉は茹でて塩を振り、保存したりしました。

 

・ もちろんトゥシヌユール(大晦日)から旧正月に掛けても、たくさんの豚肉料理が出ます。トゥシヌユール(大晦日)の定番はあばら骨の肉を煮付けた「ソーキ汁」です。 

 

新正月で言うところの「年越しそば」に近い存在が、この「ソーキ汁」ですので、現代では「ソーキそば」をいただく家庭も多く見受けられます。

 

本州では年末にお餅をついて、年末年始にお雑煮などでたくさんいただきますが、沖縄では年末に豚を下ろして年末年始にたくさんいただくので、「豚正月」です。

 

※ ソーキ汁の作り方は、別記事「トゥシヌユールはソーキ汁☆沖縄の大晦日に作るレシピ」でお伝えします。

 

(※1)の「鳴き声以外は…」は、沖縄では「豚は鳴き声以外は全ていただく」と言う、モツ(内臓)から手足、耳まで、「くまなく料理する」意味合いの言葉です。

 

それだけ御馳走だったと言うことですね。

 

 

トゥシヌユール(大晦日)に行う飾り付け


ヒヌカン(火の神)とお仏壇は、トゥシヌユール(大晦日)にウサギムン(お供え物)を捧げて拝みますから、旧正月の元旦にも改めてお供えをします。

 

けれどもトゥシヌユール(大晦日)で済ませられるお飾りは、ここで済ませてしまい、旧正月を迎えるのが一般的です。

 

【 トゥシヌユール(大晦日)に行う飾り付け 】

 

① 若木や若松、縁起の良い花 …

 

門前とヒヌカン(火の神)に若松を飾り、お仏壇や床の間には南天などの縁起の良い若木や、色の付いた菊の花などを活けてください。

 

② しめ縄を飾る家庭は、しめ縄 … 今でも、本州式ではなく、沖縄独特のしめ縄が多いです。

 

③ 準備をするもの …

 

・ 赤・黄色・白の三色を重ねた色紙「ウカリー(御嘉利)」

 

「花米(お米)」は床の間とお仏壇に重箱に九合を入れるので、米びつはチェックしておきます。

 

・ 「昆布巻きの炭」も、今ではスーパーで販売しているので、こちらを使用すると便利です。

 

昔の沖縄の家庭では、門や玄関に若木を飾るのみで、しめ縄を飾らない地域も多かったのですが、最近では沖縄独特のしめ縄は定番になっています。

 

…以上がトゥシヌユール(大晦日)に整えるお飾りですが、地域によっては本州のように、床の間にウカリーの上に鏡餅を置き、橙(みかん)を乗せる家庭もありますよね。

 

【 トゥシヌユール(大晦日)までの注意点 】

 

★ トゥシヌユール(大晦日)の「年越し膳」から、旧正月の「ハレの膳」まで、年末年始を掛けて豚料理を多数お供えします。

 

・ 年末までに市場の肉屋さんへ行き、豚の必要な部位を調達しておくのも大切です。

 

 

トゥシヌユール(大晦日)のお供え物


お飾りを飾ってソーキ汁を作りますが、地域や家庭により、トゥシヌユール(大晦日)ではジューバク(重箱)料理のウサンミ(御三味=御馳走)も作っていました。

 

今では重箱にこだわる家も少なくなりつつあり、オードブルを頼む家庭も多いですが、トゥシヌユール(大晦日)のお供え物もあるので、豚の三枚肉の煮付けは定番なのではないでしょうか。

 

【 トゥシヌユール(大晦日)のお供え物 】

 

☆ ヒヌカン(火の神)にはいつも通りのお供え物(緑葉樹の葉、ミジティ(水)、お酒)に、赤ウブク(赤飯)を三膳供えるのみです。

 

☆ お仏壇へはいつものお供え物である一対のウチャトゥ(お茶)、お酒の他に、「年越し膳」を供えてください。

 

年越し膳の内容は、下記のようになります。

 

【 トゥシヌユール(大晦日)の年越し膳 】

 

① お赤飯(古米を混ぜて炊いたご飯などもあります。)

 

② ソーキ汁

 

③ ウサチ(酢の物)

 

④ ウチャワキ(お茶脇=おかずを取り分けたお皿)

 

⑤ ニンニクの葉

 

⑥ お箸

 

…ウチャワキでは豚の三枚肉の煮付けやかまぼこ、結び昆布の煮物など、縁起物を盛り付けます。ジューバク(重箱)料理のウサンミ(御三味=御馳走)を作っていたなら、そこから取り分けてください。

 

ウサチ(酢の物)はさまざまですが、豚正月ですので、ミミガーの酢の物などが多いです。

 

ちなみにニンニクの葉は臭いがきつく、これが悪い霊などを追い払うとされてきました。

 

※こちらもレシピは別記事「トゥシヌユールはソーキ汁☆沖縄の大晦日に作るレシピ」や「沖縄の旧正月は豚料理☆今の子も美味しい豚肉レシピ」などでお伝えします。

 

 

 

いかがでしたでしょうか、今日は旧正月へ向けたトゥシヌユール(大晦日)の過ごし方、拝み方をお伝えしました。

 

ヒヌカンとお仏壇へウサギムン(お供え物)を捧げたら、手を合わせて本日がトゥシヌユール(大晦日)であること、一年の感謝を伝えて拝んでください。

 

今では現代語で拝む家庭が多いですが、お仏壇では拝みの最後に沖縄言葉の敬語を用いて拝む家庭も見受けられます。

 

「サカイハンジョウシミティ ウタビミスーリー(繁盛させてくださいませ)」「ミーマンティーウタビミスーリー(見守ってください)、ウートゥートゥー」で終えてみても、良いかもしれません。

 

まとめ

トゥシヌユール(大晦日)の過ごし方

・沖縄では豚料理が豊富な「豚正月」
・若松や若木、お花の飾り付けを終えておく
・ヒヌカンへは赤飯を三膳供える
・お仏壇には年越し膳を供える
・年越し膳の脇には、ニンニクの葉を添える
・お供え物を済ませたら、御願を行う

 



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