【2026年版】沖縄の旧暦大晦日「トゥシヌユール」お供え物や過ごし方を解説

沖縄では、旧暦12月の大晦日を「トゥシヌユール」と呼び、一年の終わりを静かに迎えます。
新しい年を祝うというよりも、無事に一年を過ごせたことへの感謝を込めて、仏壇にお供え物を整える日とされています。
2026年のトゥシヌユールは、2月16日(月)。
本記事では、沖縄の暮らしの中で受け継がれてきたトゥシヌユールの考え方を踏まえながら、仏壇に供える年越し膳の内容や配置、当日の過ごし方について、できるだけ丁寧に整理してご紹介します。
形式にとらわれすぎず、それぞれの家庭に合った形で年の夜を迎えるための参考としてお読みください。
目次
トゥシヌユールとは|沖縄の旧暦大晦日

◇トゥシヌユールは、沖縄で旧暦12月の大晦日にあたる日を指します。
旧正月を迎える前夜にあたり、一年の区切りとして静かに過ごす大切な日です。
現在の沖縄では新暦の正月が一般的になっていますが、旧暦行事としてのトゥシヌユールは、今も家庭の中で受け継がれています。
にぎやかに祝う日というよりも、一年を無事に終えたことに感謝し、次の年を迎える準備を整える日として位置づけられています。
「年の夜」「年を取る日」と呼ばれる理由
◇「トゥシヌユール」は、沖縄の言葉で「年の夜」を意味します。
また、「年を取る日」という呼び方をされることもあり、これは新しい年を祝う前に、まず一年を送り出すという考え方が根底にあるためです。
沖縄の旧暦行事では、区切りとなる日を丁寧に扱う風習が多く見られます。
トゥシヌユールも同様に、家族がそろい、仏壇にお供え物を整えながら、これまでの一年を振り返る時間として大切にされてきました。
2026年のトゥシヌユールはいつ?
◇2026年のトゥシヌユールは、2月16日(月)です。
旧暦12月の大晦日にあたり、その翌日が旧正月となります。
旧暦行事は毎年新暦の日付が変わるため、事前に日程を確認しておくことが大切です。
特にトゥシヌユールは、年越し膳の準備やお供え物を整える日でもあるため、余裕をもって迎えられるよう早めに意識しておくとよいでしょう。
トゥシヌユールの考え方|祝うより「感謝する日」

トゥシヌユールは、新しい年の始まりを祝う日というよりも、無事に一年を終えられたことに感謝する日として大切にされてきました。
旧暦行事の多くがそうであるように、この日もまた、派手な祝いごとより「清めること」「振り返ること」に重きが置かれています。
家族が揃い、ご先祖様とソーキ汁をいただきながら、年の夜を過ごす。その時間そのものが、トゥシヌユールの意味といえるでしょう。
新年を迎える前に、一年を送る意味
◇沖縄の旧暦行事では、「始まり」よりも「区切り」を丁寧に扱う考え方が根付いています。
トゥシヌユールもそのひとつで、新年を迎える前に、まず一年を送り出す日とされています。
一年のあいだ無事に暮らせたこと、家族がそろってこの日を迎えられたこと。
そうした感謝の気持ちを、仏壇へのお供え物や御願という形で表すのが、トゥシヌユールの過ごし方です。
新しい年への願いを語る前に、まず「ありがとうございました」と伝える。
その順番を大切にする点に、沖縄らしい年の迎え方が表れています。
トゥシトゥイジル(年取り汁)という考え方
◇トゥシヌユールに欠かせない料理のひとつが、ソーキ汁です。
この汁物は、「トゥシトゥイジル(年取り汁)」とも呼ばれ、一年の締めくくりにいただく特別な意味を持つ料理とされています。
滋養のある豚肉を使った温かい汁物をいただくことで、年の終わりを穏やかに迎えるという考え方が背景にあります。
ソーキ汁のレシピは下記コラムで詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
・【2026年版】旧暦12月29日・沖縄のトゥシヌユール(大晦日)に作るソーキ汁レシピ|2026年は2月16日(月)
トゥシヌユールの仏壇へのウサギムン(お供え物)

トゥシヌユールの夜は、仏壇の前に年越し膳を供え、日頃のお供え物とあわせて家族で手を合わせます。
ここでは、「年越し膳」として供えるものと、ふだん仏壇に供えているものを分けて考えると、分かりやすいです。
年越し膳として仏壇の前に供えるもの

「年越し膳」は、トゥシヌユールの夜に用意する特別な一膳です。
仏壇の前に膳として供えます。
年越し膳に並べるものは、次のとおりです。
● ソーキ汁(トゥシトゥイジル/年取り汁)
一年の締めくくりにいただく汁物として供えます。
椀に盛り、膳の中央または主となる位置に置きます。
● 赤ウブク(赤飯)
小豆を使った赤いご飯で、一膳分を用意します。
家庭によっては黒米を混ぜたご飯を供える場合もあります。
● ウサチ(酢の物)
ミミガーや昆布の酢の物など、小皿に盛って添えます。
量は少量で問題ありません。
● ウチャワキ(おかずの取り分け)
重箱料理や用意したおかずから取り分けたものを供えます。
三枚肉の煮付けや結び昆布などが一般的です。
● ニンニクの葉
1束をそのまま、または折って膳の脇に添えます。
料理の一部として扱うのではなく、膳に添える形で供えます。
● お箸
年越し膳には必ず添えます。
「食事として供える」という考え方に基づくものです。
これらを一つの年越し膳として配膳し仏壇の前に供えます。品数を増やすことよりも、揃っていれば問題はありません。
上記イラストも参考にしてください。
日頃から仏壇に供えているお供え物
年越し膳とは別に、仏壇には日ごろから供えているお供え物があります。
トゥシヌユールだからといって、特別に変える必要はありません。
普段どおり、次のものを仏壇に供えます。
● お茶(ウチャトゥ)
左右一対で供えるのが一般的です。
● お酒
小さな杯や器に注ぎ、仏壇に供えます。
● 供え花
左右に一対で活け、枯れている場合は新しいものに替えます。
これらは年越し膳に含めず、仏壇に常に供えているものとして、通常どおり整えます。
トゥシヌユールに供えるお線香
トゥシヌユールでは、仏壇にお供え物を整えたあと、お線香をあげて拝みます。
一般的に用いられるのは、ジュウニフンウコーと呼ばれる日本線香12本文、詳しくは次のいずれかです。
●ジュウニフンウコー(十二本御香)
・日本線香…12本
・沖縄線香ヒラウコー(平御香)…2枚
※沖縄言葉で「タヒラ」、日本線香12本分に相当します。
● 簡略形…日本線香4本
※住宅事情や家族の状況に合わせて省略する家庭もあります。
本数はあくまで目安であり、大切なのは、年の区切りとして感謝の気持ちを込めて手を合わせることです。
ニンニクの葉を供える

◇トゥシヌユールの年越し膳には、料理とは別にニンニクの葉を添えるのが一般的です。
量や置き方に厳密な決まりがあるわけではありませんが、この一束には、年の夜ならではの意味が込められてきました。
現在でも親しまれる風習であり、年越し膳を整える際に「忘れずに用意するもの」として扱われています。
悪霊・災いを遠ざける意味
◇ニンニクの葉は、香りの強い植物として知られています。
沖縄では古くから、この強い香りに悪いものを寄せ付けない力があると考えられてきました。
トゥシヌユールは、一年を終え、新しい年へ移る節目の夜です。
料理として食べるためではなく、あくまで年の夜を無事に越えるための添え物として供える点が特徴です。
供えた後の御願と過ごし方

◇トゥシヌユールの夜は、仏壇にお供え物を整えたあと、手を合わせて一年の区切りを迎えます。
特別な儀式を行うというよりも、日頃の延長として、落ち着いた気持ちで過ごす家庭が多いでしょう。
御願を終えたあとは、家族で年越し膳を囲み、それぞれのペースで年の夜を過ごします。
仏壇への拝み言葉の一例(トゥシヌユール)
トゥシヌユールの夜は、仏壇に手を合わせ、一年を無事に過ごせたことへの感謝と、新しい年への願いを伝えます。
以下は、トゥシヌユールに仏壇で唱えられる拝み言葉の一例です。
ウートゥートゥ ウヤフジガナシー
(あな尊き ご先祖様)
この〇〇年、〇〇家の家庭をお守りくださり
誠にありがとうございました。
今年一年も、夫婦の和合、親子の和合を取らせてくださり
家族みな、元気に健康で〇〇年を過ごさせていただきました。
これもウヤフジガナシー、神々様の御守護のお陰と思い
心より感謝をいたします。
新しい年も家族みな、健康で健やかに
家庭円満、繁栄していきますように。
ミーマンティー ウタビミスーリー
(見守っていてください)
ウートゥートゥ
(あな尊い)
このように、拝み言葉は家庭の事情や言いやすさに合わせて整えて構いません。
大切なのは、言葉を整えることよりも、年の区切りとして心を落ち着け、
仏壇の前で感謝の気持ちをきちんと伝えることです。
まとめ|2026年のトゥシヌユールを迎えるために

2026年のトゥシヌユールは、2月16日(月)です。
特に沖縄南部など、旧暦行事が今も暮らしに根付いている地域では、この時期になると、旧正月に向けた準備で街が少しずつ賑わい始めます。
トゥシヌユールには、旧正月のお飾りを買い求める人の姿も多く見られます。
注連飾りやウカリー(赤・黄・白の色紙)、昆布で巻いた炭などを揃え、旧正月明けに慌てることがないよう、早めに準備を進める家庭も少なくありません。
沖縄の旧正月では、本土のように鏡餅を飾るよりも、ヒヌカンや仏壇へのお供え物を揃えることを大切にする家庭が多く、トゥシヌユールは、その準備を本格的に始める節目の日でもあります。
翌日の旧正月には祝い膳を供えるため、トゥシヌユールの夜から、イナムドゥチやクーブイリチーなど、ハレの日の料理を仕込み始める家庭も一般的です。
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