沖縄の旧正月は豚料理☆今の子も美味しい豚肉レシピ
沖縄の旧正月は「豚正月」ですよね。昔の沖縄では旧正月前の年末に豚を一頭下ろして、「鳴き声以外は全て」料理、保存をしていました。
今でもその風習が残る沖縄の旧正月は、豚肉料理とひと口に言っても、あらゆる部位を使います。
ミミガー(豚の耳)やティビチ(豚足)は有名ですが、その他にも網脂や豚の肝まで…、お祝い事の豚料理は、バラエティに富んでいます。
そこで今日は、定番の沖縄の旧正月の豚肉料理に加え、少し変わったレシピまでいくつかお伝えします。美味しい豚肉料理をいただいて、活気ある一年にしてください。
沖縄の旧正月は豚料理☆
今の子も美味しい豚肉レシピ
沖縄の旧正月、元旦の豚肉料理
沖縄の旧正月でいただく豚肉料理、昔ながらの元旦の定番と言えば、如意素麺(るいぞうめん)を挙げる方も多いのではないでしょうか。
もちろん今では、沖縄では「豚の三枚肉の煮付け」が第一に挙げられますが、その昔には元旦のお昼などに、豚ロースを乗せたにゅう麺、「如意素麺(るいぞうめん)」を家族でいただく習慣がありました。
【 沖縄の旧正月、豚ロースの「如意素麺」 】
★ 材料 (約5人前) ★
・素麺 … 二束半
《 具材 》
・豚のロース肉 … 80g
・干し椎茸 … 大3枚
・大根 … 少々(2cmの輪切りの半分くらい)
・錦糸卵 … 少々(飾り付け程度)
・からし菜 … 半束
《 おつゆ 》
・鰹だし … 1000cc
・醤油 … 最後に回し入れる
・塩 … 味の調整に少々
《 具を煮るタレ 》
・鰹だし … 200cc
・醤油 … 回し入れる程度
・みりん … 回し入れる程度
★ 作り方 ★
① そうめんを茹でます。 … ポイントは一人分(半束)の端っこをそれぞれ糸で結んで茹でることです。茹で上がったら流水で冷やして水を切り、よけておいてください。
② 水に戻した椎茸、大根、豚ロースは千切りに切り揃えます。
③ 鍋に《具を煮るタレ》を入れて沸騰させ、②の具材を並べ入れて、ゆっくり弱火で煮含めてください。
④ 別鍋に《おつゆ》の材料を入れて温めたら、お椀に適量注ぎます。
⑤ ①のそうめんを、キレイに折るようにまとめて④のお椀に盛りつけ、最後に糸部分を切り取ると、美しい盛りつけです。
⑥ 鍋に水を入れ、からし菜を茹で、ザルに上げたら、②の具材に合わせた長さで切ります。
⑦ ⑤のお椀に③の具材と⑥のからし菜をキレイに乗せれば完成です!
いわゆるにゅう麺ですが、沖縄の旧正月の豚料理らしく、美しく盛り付けるのがポイントです。元旦にお仏壇へ供える「ハレの膳」にも配膳します。
現代も美味しい、ミミガーアレンジ
ミミガーは豚の耳、沖縄の旧正月の豚料理では、ハレの膳の副菜などとして出されますよね。
本来のミミガーは茹でて塩を振り掛けたものですが、お酒のおつまみにもなるような味付けをすると、ウサンデー(お供え物を下げた)後も、美味しく家族でいただけます。
しかも「嫁は大忙し」と言われる旧正月、簡単に調理できれば便利です。
【 沖縄の旧正月、豚の耳「ミミガー」 】
★ 材料 ★
・ミミガーのスライス
・ポン酢
・きゅうり
・塩
★ 作り方 ★
①ミミガースライスを塩を掛けたお湯で、じっくりと茹でます。柔らかくするために、弱火で20分前後は茹でてみてください。
② ①をザルに上げたら、再び水をボウルに入れ、しばらく手もみしながら洗います。(これで臭みをとります。)
③ きゅうりは千切りにします。
④ ②のミミガースライスの水を切ったら、ポン酢をひたひたに入れて和え、さらに③のきゅうりを加えます。
⑤ 充分に和えたら完成です!
…ミミガーを耳から作る場合には、充分に下茹でをした後、水洗いをして臭みを取りながら、しっかりと汚れを落とします。
豚の毛はライターなどを使用して火で炙り、焼き取ってください。
「チム=心」を表す、豚肝
一部地域の沖縄では、旧正月のお供え物に豚肝をお供えします。「肝」は沖縄の言葉で「チム」と言いますが、心もまた「チム」ですので、「良い心を持つ」と言う意味合いが込められてきました。
昔ながらの豚肝のお供え物は、茹でて塩を振り掛けるだけですが、これでは今は捨てることになる家庭も多く、もったいないですよね。
そこで、網脂で豚肝を巻いた、「チムマチ(肝巻き)」はいかがでしょうか。
【 沖縄の旧正月、豚肝料理「チムマチ」 】
★ 材料 ★
・豚肝
・豚の網脂
《 煮ダレ 》
・醤油 … 大さじ3杯
・みりん … 大さじ3杯
・お砂糖 … 大さじ2杯
・お酒 … 大さじ2杯
・ショウガ汁
★ 作り方 ★
① 豚肝を適当な大きさ(長方形が一般的です)に切り、血抜きをします。(水に浸けるだけでOKです。)
② 豚の網脂を①の豚肝を巻くことができるような大きさにします。
③ ①の豚肝を②の豚の網脂で包み、最後は用事や竹串で留めてください。
④ 蒸し器で強火のまま、30分ほど蒸します。
⑤ フライパンに《煮ダレ》の材料を入れて煮立たせたら、蒸しあがった④の豚の網脂で包んだ豚肝を入れて、炒め煮をしてください。
⑥ 充分に味が染みたら、匂い消しのショウガ汁を回し入れ、さらに混ぜれば完成です。
「豚の網脂?」と言うことで、今ではあまり料理されませんが、年末に他の食材と一緒に、市場の肉屋さんへ行けば売られています。(なければ聞いてみてください。)
煮ダレで絡まり、美味しくいただけますので、試してみてはいかがでしょうか。
いかがでしたでしょうか、今日は沖縄の旧正月でいただく、豚肉料理のレシピを三点、如意素麺(るいぞうめん)、ミミガーの和え物、チムマチをお伝えしました。
この他にいただく、沖縄旧正月の豚肉料理、ソーキ汁(トゥシヌユール=大晦日にいただきます)や、豚の三枚肉の煮付けも定番ですよね。
別記事「トゥシヌユールはソーキ汁☆沖縄の大晦日に作るレシピ」でお伝えしていますので、コチラも参考にしてください。
沖縄の旧正月は豚肉料理が豊富で、調理場は大変ですが、市販のタレや圧力鍋を活用して、便利に進めるとスムーズです。
【 沖縄の大晦日、旧正月に関する記事 】
・トゥシヌユールは沖縄の大晦日☆昔ながらの過ごし方
・トゥシヌユールはソーキ汁☆沖縄の大晦日に作るレシピ
・沖縄の旧正月は豚料理☆今の子も美味しい豚肉レシピ
・沖縄の旧正月に供える膳☆ウサンデーも美味しいレシピ
・沖縄の旧正月、お供え物と飾り物☆元旦から進める御願
・沖縄の喪中、旧正月の迷い事。四十九日前と後の違いとは
まとめ
旧正月にいただく、豚肉レシピ
・旧正月の元旦に供える「如意素麺」
・ミミガーはポン酢で簡単美味しく味付け
・「良い心」の豚肝は「チムマチ」で煮付ける