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沖縄の旧正月、お供え物と飾り物☆元旦から進める御願

沖縄の旧正月、お供え物と飾り物☆元旦から進める御願
沖縄の旧正月では、お供え物も欠かせませんよね。ヒヌカン(火の神)とお仏壇へ、おめでたい「ハレの膳」を供えます。

 

沖縄の旧正月ではお供え物はもちろん、お飾りも独自の文化があるのは有名です。沖縄の「しめ縄」も本州とは違いますし、昔はしめ縄自体を飾らず、若木を門前に飾るのみの地域もありました。

 

前回は、トゥシヌユール(大晦日)に準備するお飾りやお供え物をお伝えしましたよね。(「トゥシヌユールは沖縄の大晦日☆昔ながらの過ごし方」)

 

そこで今回は、それに続いて元旦に行うお飾りや、沖縄の旧正月のお供え物をお伝えします。

 



 

沖縄の旧正月、お供え物と飾り物☆
元旦から進める御願

 

トゥシヌユール(大晦日)のお飾りをおさらい


新正月と同じように、沖縄の旧正月でもお供え物やお飾りを、出来る限りまでトゥシヌユール(大晦日)に済ませて、新年を迎えます。

 

主に玄関(門)、ヒヌカン、床の間に準備をしますが、ここで一度コチラもおさらいです。

 

【 トゥシヌユール(大晦日)に出来るお飾り 】

 

① しめ縄を飾る家庭では、しめ縄

 

② 若木を玄関や門前に飾る

 

③ 床の間に南天(なんてん)などの縁起の良い若木や若葉、生け花を飾る

 

詳しくは、トゥシヌユール(大晦日)の過ごし方についてご説明している別記事「トゥシヌユール(大晦日)☆旧正月、年末の過ごし方」を参考にしてみてください。

 

 

床の間とお仏壇へ供える「花米」


沖縄の旧正月ではお供え物に「お米」は欠かせません。「花米」は「カラミハナ」や「ナハグミ」などと呼ばれ、御願やお祝い事でよく供えられる、お米です。

 

米びつのお米を供えるだけですが、沖縄の旧正月ではお供え物に多く使用するので、お米は年末からしっかり保管しておいてください。

 

【 沖縄の旧正月のお供え物:花米 】

 

★ (二つ用意します。)重箱に九合のお米を盛り、上から「ウカリー」と呼ばれる、赤・黄色・白の色紙を重ね置きます。(色の順番もこの通りです。)

 

・ さらにこの上に、二個の橙(みかん)二個の昆布巻きの炭を置いて、これを床の間とお仏壇へお供えしてください。

 

「ウカリー」は沖縄の旧正月では欠かせないお飾りで、この他にもヒヌカンやお仏壇で活躍します。旧正月が盛んな地域では、年末になるとスーパーで手に入りますよね。

 

【 沖縄の旧正月のお供え物:ウカリー 】

 

★ 血色が良い「赤」=健やかに、黄金(クガニ)の「黄」=金運、まっさらな「白」=全体運、を表す縁起物とされてきました。

 

また、「昆布巻きの炭」も、もちろん家庭で作っても良いですし、今ではスーパーで年末にたくさん積み上げられて販売されているはずです。

 

昆布巻きの炭と橙(みかん)は、全国的な習わしと同じです。「喜ぶ=昆布」で、炭は「家の繁栄」、橙(みかん)は「代々」なので、「代々に渡り喜び多き、栄える家でありますように」の意味合いです。

 

 

朝一番で汲む「ワカミジ(若水)」


井戸が残る昔ながらの沖縄では、旧正月元旦の朝、一番に井戸から汲んできたお水を「ワカミジ(若水)」と言いました。

 

今では水道水の家庭が多いではありますが、沖縄では旧正月のお供え物には、ワカミジ(若水)で供えます。(水道水でも朝一番のお水を供えれば問題ありません。)

 

【 沖縄の旧正月のお供え物:ワカミジ(若水) 】

 

★ ワカミジ(若水)には、若木と並んで「生命が宿る」とされ、若返りの力や、命の復活まで司るとされてきました。

 

・ さらに沖縄の旧正月では、お供え物だけではなく、このワカミジ(若水)で「ウビナディ」をするのが習わしです。

 

「ウビナディ」では、ワカミジ(若水)に中指をしっかり浸した後、その中指でおでこの眉間少し上あたりを、「ちょん、ちょん、ちょん」と三回タッチします。

 

子ども達にとっては日々健やかに成長する祈願でもあり、母親や祖母がこのウビナディを子どもへ行ってきました。

 

 

ヒヌカンへの沖縄の旧正月でのお供え物


沖縄ではヒヌカンの旧正月のお供え物も、元旦に行う家庭が多いです。ここでも、ウカリーと橙(みかん)、昆布巻きの炭が活躍します。

 

【 沖縄の旧正月のお供え物、ヒヌカン 】

 

① 基本のお供え物 … 塩・お酒・ミジティ(水)・供え葉(クロトンやチャーギ)

 

② 赤ウブク三膳

 

③ 長方形のウカリーの上に、ウチャヌク・昆布巻きの炭・橙(みかん)を並べたものを三セット

 

…以上が沖縄の旧正月、ヒヌカンへのお供え物です。お供えをしたら手を合わせ、「御願立て(ウガンタティ)」をしてください。

 

「今年も無事に家族揃ってお正月を迎えることができました。新しい年も家族みな、健やかに穏やかに過ごせますよう、お見守りください。」

 

※ヒラウコー(沖縄線香)は、タヒラ半(二枚と半分=日本線香12本と3本)です。

 

 

お仏壇への旧正月のお供え物


お仏壇へは「ハレの膳」をお供えします。ハレの膳以外はいつものお供え物、一対のウチャトゥ(お茶)、お酒を供えてください。生け花は前日のトゥシヌユール(大晦日)で済ませます。

 

【 沖縄の旧正月のお供え物、お仏壇 】

 

★ ハレの膳は、ウカリーの上に乗せ、お膳の脇には昆布巻きの炭と、橙(みかん)を添えます。

 

《 ハレの膳の内容 》

 

・ 赤ウブク(赤飯)
・ 如意素麺(るいぞうめん)などの汁もの
・ ウサチ(酢の物)などの副菜
・ ウチャワキ(御馳走をお皿に取り分けたもの)

 

…などをお箸と一緒に供えてください。

 

お仏壇にいらっしゃる御先祖様がお一人であれば、ハレの膳も一膳ですが、複数いらっしゃる場合には、左右に二膳を供えます。この場合、お箸も多めに添えるのが習わしです。

 

 

 

いかがでしたでしょうか、今日は沖縄の旧正月に進めるお供え物についてお伝えしました。

 

最後のお仏壇のお供え物でも、お供えをしたら家長を中心に手を合わせ、御願立て(ウガンタティ)をしてください。内容はヒヌカンと同じで問題ありません。

 

ただしお仏壇への御願立てでは、家長が御願を終えた後に、家族がつづいてそれぞれに今年の祈願をすることが多いです。

 

※「御願立て(ウグァンタティ)」は、「立御願(タティウグァン)」、「初御願(ハチウグァン)」などとも言われます。

 

ぜひ、沖縄の旧正月、お供え物も楽しみながら、旧暦の暮らしを感じてみてはいかがでしょうか。

 

 

まとめ

沖縄の旧正月のお供え物とお飾り

・大晦日にはしめ縄と若木のお飾り
・大晦日までにお供え物を準備する
・お仏壇と床の間に九合の花米を飾る
・朝一番に汲んだ「若水」で供える
・ヒヌカンへお正月の飾りをする
・お仏壇へハレの膳を供える
・供えたら「御願立て」を行う



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