沖縄のお盆の初日は「ウンケー」☆基本の流れと手順
沖縄のお盆は旧暦の七月十三日から十五日までの三日間で行われますよね。全国的なお盆とは日程だけではなく、細やかな風習が違うことは、広く知られています。ただ、2019年の沖縄のお盆は8月13日(火)~15日(木)までとなり、全国的なお盆と同じ日程です♪
この沖縄のお盆、初日はご先祖様を迎える「ウンケー」、二日目は三日間の真ん中として「ナカビ(中日)」、最終日をご先祖様をお見送りする「ウークイ」と言うのですが、それぞれの日にしきたりや決まり事に沿わなければなりません。
…とは言え、現代では緩やかな家庭も増えてきましたが、せっかく沖縄のお盆を経験するのですから、基本の風習を理解して、御願したいですよね。
そこで今回は、沖縄のお盆の初日となる、ご先祖様をお迎えする「ウンケー」の基本をお伝えします。
沖縄のお盆の初日は「ウンケー」☆
基本の流れと手順
ウンケーの準備
ウンケーの日の朝は仏壇をキレイにして、これから始まる沖縄のお盆三日間のために、供え物や飾り物を整えてください。ちなみに仏壇はその素材から、掃除するにはからぶきがおすすめ。清められる意味合いもありスッキリします。
【 沖縄のお盆、基本のお供え 】
★ 沖縄のお盆での仏壇飾りは、中心の位牌やお線香を立てる香炉、お水以外は、ほとんどが両脇に対で飾られますので、それぞれ二つずつの準備をしてください。
・ 沖縄のお盆に限らず、御願では欠かせないお供え物が、ウチャトウ(お茶)と供え花です(*^_^*)/お墓参りでもお仏壇でも、ウチャトゥと供え花、お酒とお水は並べます。
さらにその他で、沖縄のお盆をはじめとする祝い事や行事、法要では、果物の盛り合わせを両脇に一対飾ってください。バナナの他りんごなど、できるだけ丸いものを選んで、上に盛り上げるのがコツです。
沖縄のお盆ならではの、お供え物
お仏壇に飾る(お供えする)ものは実はこれだけではありません。沖縄のお盆ならではのお供え物もいくつかあるので、押さえておくと安心ではないでしょうか。特にさとうきびが、沖縄のお盆の飾りで大きな役割を果たしているので、お伝えします。
【 沖縄のお盆ならではの、仏壇飾り 】
★ さとうきび(ウージ)は短く切ったら「七本」ずつ束ねて結び、もう一対、長いサトウキビを二本ずつ一対の四本準備します。
・ さらに沖縄では一対の「ガンシナ」と言う、ドーナツ型のくば笠で作った敷物に乗せた、大きな果物を両脇に飾りますが、これはパイナップルなどがおすすめです。
ガンシナに乗せる果物は、もちろん前述した果物の盛り合わせとは別。お仏壇にはこのほかに、丸いぼんぼりも手前に並べる習わしがあります。
また、さとうきび(ウージ)の長い棒を、お仏壇の両脇に飾る風習を不思議に思う方々も少なくありません。これはご先祖様が家まで歩く際に使う「杖」の役割として、飾られています。
ウンケーでご先祖様に出す食事
沖縄のお盆と言って最もイメージされるのが、重箱料理のウサンミですが、これは最終日のウークイで出されるお供え物。ウンケーでは「ウンケージューシー」と呼ばれる、沖縄の炊き込みご飯を供えてください。
【 沖縄のお盆、ウンケーの御膳料理 】
★ お膳を用意してその上に、「ウンケージューシー」と酢の物(ウサチ)を並べたら、手前にしょうがを三本並べます。ショウガは葉付きのものが一般的です。
・ そして仏壇側にはお箸となる「ソーローハーシ」を配してください。これで沖縄のお盆、ウンケーの夜のお食事が完成です!
その他、白団子(白もち)をそれぞれ七個ずつならべた、「ダーグ(お盆ではウンケーダーグ)」もお出しします。このダーグはもち米が理想的ですが、近年では白玉粉で用意する家庭も多いです。
沖縄のお盆、ウンケーでの御願
以上のようなお仏壇飾りやお供え物の準備ができたら、ウンケーの御願。親族が揃ったら、ご仏壇前より先に門前へ行き、お出迎えをします。
【 沖縄のお盆、門前での迎え方 】
★ ろうそくなどの二対の灯を玄関(門)の両脇へ置き、中央に沖縄のお線香「ヒラウコー」を二枚の「タヒラ」火を灯して並べ置いてください。
・ 家長を中心に門前へ向かって集まった親族で拝み、「本日(七月十三日)の盆のいり口、家族全員でご先祖様をおもてなしいたします。どうぞおいでください。」と言った内容の文言を唱えるのが、一連の儀式です。
全国的なお盆では、提灯を持ってお墓まで出迎える地域もありますが、沖縄のお盆の場合は七夕でご報告しているので、門前で大丈夫。ただ沖縄の島々など、地域によってはお墓までお迎えすることもあるので、その際にはぜひ、周囲に合わせてみてください。
お仏壇へのウンケーの御願
前にお伝えした御膳料理は、ご先祖様が複数いる場合には二膳を準備。お仏壇に配膳したら、お仏壇前でのウークイの御願が始まります。門前で拝したヒラウコーは、そのまま置いていく地域もあれば、家中に持ち帰り香炉に立てる地域もありさまざまです。
【 沖縄のお盆、ウンケーの御願 】
★ お仏壇での御願でも、ヒラウコーは「タヒラ」の二枚。ただ、家長だけではなく、集まった人々がそれぞれ1/2ヒラ(それぞれ3本)を、香炉に供える手順があります。
・ ここで家長が沖縄のお盆を始めるための文言を唱えれば、ウンケーの御願は終了。集まった皆でご先祖様とともに、食事を楽しんでください。
いかがでしたでしょうか、沖縄のお盆はほとんどの家庭が最終日の「ウークイ」がメインと考えているため、初日のウンケイの御願や準備も、思ったよりも覚えやすいのではないでしょうか。
サトウキビのお供え物なども最初は戸惑うかもしれませんが、本記事などでその意味合いを知ることで、「なるほどそうだったのか。」と納得すれば、早々忘れることもすくなくなるはずです。
そしてこのお盆、初日は確かに旧暦七月十三日のウンケーなのですが、その前の旧暦七月七日には「七夕(タナバタ)」と呼ばれる、沖縄のお盆が近づいてきたことを、ご先祖様に知らせる(案内する)ための、お墓参りの旧暦行事もあります。
沖縄の風習は慣れていないと、ひとつひとつは驚くことも多く、覚えにくく感じるかもしれませんが、こうして流れと意味合いを理解すると、自然と理解も進み体も付いてきますので、せっかくの沖縄のお盆、参考にしながらぜひ楽しんでいただければ幸いです♪
まとめ
沖縄のお盆の初日、ウンケーの流れ
・基本のお供えはお酒・花・お茶・水の四点
・ウージは短い七本を束ねたものと、長いものを準備
・初日の御膳料理はウンケージューシー
・まず門前でヒラウコーを拝し、お出迎え
・仏壇でも、家族皆がヒラウコーを配して御願