お墓の種類、今と昔。その特徴と最近のニーズとは
お墓の種類と言えば、一般的には昔ながらの和風墓。沖縄では伝統的な破風墓や亀甲墓が最も多く思い浮かぶイメージですよね。大きな存在感で重厚に、毎年の行事や法要の際に、故人やご先祖を敬う象徴でもありました。
そんなお墓の種類ですが、現代ではより自由に選択肢も広くなり、さまざまな価値観が見受けられるようになりました。これは、近年注目されている「終活」の広がりにより、故人の生前の意向が強く反映されるようになったことも影響しています。
近年の日本では、タブーとも思われた昔とは少しずつ変化し、生や死を見つめる方々が増えてきたのです。その流れがそのまま、お墓の種類のニーズに繋がっているとなれば、少し興味深いですよね。
そこで今回は、近年急激に変わりつつある、お墓の種類のニーズの変化や傾向をお伝えします。
お墓の種類、今と昔。
その特徴と最近のニーズとは
現代のお墓のニーズ
ひと昔前は新しく建てるお墓の種類となると、一大行事でもあったためか、墓地代金を含めると100万円以上はもちろん、300万円以上を優に超えても、さほど驚くことはなかったかもしれません。もちろん、現代でも昔ながらのお墓の種類を望む方々が多いです。
けれどもその一方で、若い方々や「終活」をしている方々を中心に、お墓に求めるニーズに新しい価値観が生まれています。
【 現代のお墓のニーズ 】
■ 現代のお墓の新しい価値観には、3つの「現実的な」ニーズがあります。
・ 立地が良く、交通が便利
・ お墓の維持が楽にできる
・ 予算を極力抑えたお墓
このような条件を満たしたお墓の種類が人気で、昔ながらの菩提寺との関係性も年々薄れ、より気軽にお墓参りをする、一周忌や三回忌などの時期や法要に拘らず、ふと思い立った時に故人を偲び会いに行く…、という価値観が広がりつつあるのです。
最新のお墓でデザイン重視?
また、最近新しく建てられるお墓の場合、もちろん昔ながらのお墓の種類を希望する方々は多いものの、故人らしいオリジナルのお墓を希望するケースも増えてきました。ピアノや野球ボールなど、故人を象徴するイメージを象るなどの、「特注」のお墓の種類です。
さらに全国的な現代のお墓の種類の変化で特徴的なのが、昔ながらの和風墓から、少しずつ欧米で扱われているような、洋墓が人気が出ている点です。
【 少しずつ広がる洋墓 】
■ ひとつには、洋墓がプレートなどで石材を使う量が少ない事情から、和風墓よりも比較的安く建てられることが、理由にあります。
・ もうひとつの理由として、洋墓を「デザイン墓」と捉える事例が多くなった、と言うこと。様々なおしゃれなデザインの洋墓が販売されるようになりました。
インターネットを中心に、欧米風のおしゃれな洋墓の数々が見られるようになり、ネットで気軽に比較検討できる時代になったこともあって、お墓もより気軽におしゃれなものが増えてきているのです。
昔ながらの凛とした佇まい
とは言え、やはり昔ながらのお墓と日本の風習を大切にしたい、と考える方々もたくさんいます。沖縄では破風墓や亀甲墓が主流ですし、その面影を残しながらも、現代に見合ったデザインにしているものが多いですよね。
【 シンプルな和風墓 】
■ 日本には削ぎ落としたシンプルなものを、美しいと感じる価値観があります。
・ 洋風のデザイン墓がじわじわとニーズが上がる一方で、現代の若い方々の間でも、基本のシンプルな和風墓は安定した需要があるのです。
現代求められる和風墓に多い特徴は、彫刻やデザインが細かく施されたものではなく、「ごくシンプルな」和風墓です。凛とした美しさがありますし、コストとしても、彫刻などが施された複雑なデザインよりも、比較的安価に納まります。
コンパクトにシンプルに
さらに現代求められるお墓の種類のニーズで特徴的な傾向に、「コンパクト・シンプル」が挙げられます。コンパクトなお墓の種類が求められる背景には、墓地問題もあり、新しく墓地を確保することが難しい時代であることが伺えます。
【 お墓の種類がシンプルに 】
■ シンプルであることも、前項で少し触れたように、シンプルであるほど技術料が掛からないため、安くなることも理由のひとつではあるかもしれません。
このように、求められるお墓の種類の傾向として、「シンプルなお墓」と「オリジナルなお墓」のふたつの流れがあるのです。お墓がより身近で自由な存在になっていますよね。
石材をインターネットで選ぶ時代?
このような新たなお墓の種類のニーズの変化は、インターネットが大きく影響していることは否めません。石材屋さんがHPで、石材の種類やお墓のデザインを掲載しているため、価格を見ながら、自宅で比較検討する時代になっているのです。
【 石材もインターネットで比較検討 】
■ 石材屋さんのHPには、何十何百種類の石材の特徴や価格を掲載しています。
・ もちろん驚くほど多くの種類がある石材だけに、シルバーグレーや白、赤や緑、黒色など、見た目にも様々なバリエーションの石材を比較検討できます。
昔も石材屋さんでお墓を見ながら選ぶことはありましたが、よりカジュアルな感覚で、石材を選べますし、価格帯や特徴が明瞭に比較できるのも大きな変化です。
合祀の永代供養墓
このように、より合理的にそしてカジュアルにお墓の種類を選択するようになったことはお伝えしてきましたが、なかには、よりコンパクトな価格帯を希望していたり、そもそも、後々のお墓の管理が心配な方々も増えています。
【 合祀の永代供養墓を選ぶ 】
■ そのため、大勢の人々と一緒に埋葬される一面はありながらも、コンパクトな価格帯で後々無縁仏になる心配のない、永代供養墓を選択する事例も増えています。
最近よく耳にする永代供養墓は、お寺や施設が子孫に代わって永代に渡り供養をしてくれることを保証した、お墓を指しています。そのため、もちろん管理が楽ですし、価格もコンパクト、シンプルなのです。
納骨堂のニーズが増大
同じように後々の管理が楽で、価格帯のコンパクトな上、交通の便が良いため気楽にお墓参りができる新しいニーズとして、納骨堂が大変注目されています。従来のお墓が、「一戸建て」だとすれば、納骨堂は「マンション」のような感覚ではないでしょうか。
【 納骨堂と言う選択肢 】
■ もちろん一時期的に納骨を行う本来の「納骨堂」の利用方法もありますが、現代では小さなお墓やお仏壇などを備え、永代供養も供えた納骨堂の施設が多くなりました。
一般的によりシンプルな作りの施設を「納骨堂」。一方で、同じ納骨堂でもよりお墓としての役割を意識した、お墓やお仏壇などの施設に重きを置いた施設は「霊廟」とも呼ばれています。
いかがでしたでしょうか。ひと昔前の感覚で現代のお墓の種類のニーズを紐解いていくと、何かと驚くことばかりかもしれません。けれども、より故人やご先祖様との距離感を近く、いつでも故人を偲び弔う気持ちには、共感する方々も多いもの。
確かに最近では、お盆やお彼岸はもちろん、一周忌や三回忌、七回忌などの法要も、年々少なくなってはいますが、一方で納骨堂を選択した方々は、毎月尋ねて気軽に話をする事例も多くあります。
本文ではお伝えしていませんが、最近では自然葬もニーズが増えつつありますよね。特に故人が生前に希望していたり、終活の折に生前契約をしている事例では、遺族もそれに従うケースが多いです。
さまざまな価値観が認められるようになった現代だからこそ、故人の想いを組んだ、納得の行くお墓を建てられるのかもしれません。
まとめ
お墓に求められる現代のニーズとは
・維持がしやすく便利、安価なお墓のニーズが高い
・シンプルで価格帯が安い洋墓のニーズが増加
・和風墓も飾りの少ないシンプルなもの
・お墓や石材をインターネットで比較検討
・合祀の永代供養墓で安くて安心
・交通の便が良い納骨堂が注目されている