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沖縄のお墓参り☆事前に知っておきたい5つのマナー

沖縄のお墓参り☆事前に知っておきたい5つのマナー
沖縄のお墓参りは、全国的に見ても独自の文化を辿っていますよね。沖縄のお墓自体、他の地域ではまず見られないものなので、当然のことなのかもしれません。そのためか、何となくは分かっていても、いざ自分が親族として参加するとなると不安なもの…。

 

ただ、沖縄のお墓参りと言えば、旧暦で祝われる旧正月のすぐ後に行われる、旧暦一月十六日の「十六日(ジュウルクニチー)」と「清明祭(シーミー)」が有名ですが、その様子を見ても分かるように、多くの親族が集まるので安心と言えば安心。

 

それでも沖縄のお墓参りに参加するからには、ある程度の知識を身に付けて、誠実にお手伝いをこなしたいですよね。そこで今回は、沖縄のお墓参りやお墓事に関する基礎知識をお伝えします。

 



 

沖縄のお墓参り☆
事前に知っておきたい5つのマナー

 

沖縄のお墓参りはヒジャイガミ様から


沖縄のお墓参りは、本州とはさまざまな違いがあります。なかでも、沖縄のお墓には左側(向かって右側)に「ヒジャイヌガミ様」と呼ばれる、土地神さまがおり、お墓を守ってくれているのが特徴的。ちなみに「ヒジャイヌガミ様」は「左神」の意味合い。

 

【 沖縄のお墓参りでは、ヒジャイヌガミ様から 】

 

★ そのためまず、ヒジャイヌガミ様へお供えをして御願をし、「お墓を守っていただいてありがとうございます。」を意味する、文言を唱えるのが作法。

 

・ ヒジャイヌガミ様へ御願をした後は、供えたウサンミ(お重料理)から、それぞれ二個ずつおかずをとりだして、お皿に並べてください。

 

お重には改めて取り出した分のおかずを並べ、今度は墓前へ供えるのが一般的な沖縄のお墓参り。(そのため、補充するためのおかずを準備してお墓参りに出向かなくてはいけません。)

 

 

お墓事のための法要なら


従来の沖縄でのお墓参りと言えば、日々のお参りはもちろん、十六日(ジュウルクニチー)や清明祭(シーミー)などの、年間行事であることがほとんど。この場合には、日取りももともと決まっていますし、特に問題はありません。

 

【 お墓事のための、沖縄のお墓参り 】

 

★ ただ、納骨やお墓の改装などを伴う場合、沖縄ではとても日取りを気にします。

 

・ お墓事を伴う法要のための沖縄でのお墓参りの場合、一年で言えば旧暦七月七日の「七夕(タナバタ)」が、お墓事に適した時期。

 

そしてもうひとつ。旧暦と新暦のずれにより、一年間に13ヶ月になる、三十三ヶ月ごとに訪れる「閏年(ユンヂチ)」の年回りも、年間を通して日取りを気にせずお墓事ができる時期です。

 

ちなみに2017年はそのユンヂチの年回り。これは一般的にも広く知られている作法で、沖縄では特にお墓事に関するフェアーがあるなど、何かと「ユンヂチ」の言葉を目にする年でもあります。

 

 

お供え料理「ウサンミ」の供え方


沖縄のお墓参りと言えば、墓前で大勢の親族や知人、ゆかりのある人々が集まって、お供え物である重箱料理の「ウサンミ」を分け合い食べる、「ウサンデー」が有名。大きな沖縄のお墓参りだと、重箱は4箱の「チュクン」を準備します。

 

【 沖縄のお墓参り:ウサンミの供え方 】

 

★ このチュクンを墓前や仏前に供える際には、ちょっとした決まりごとが…。それは、沖縄料理の定番であり、ウサンミには必ずと言って良いほど用意される、豚の三枚肉の、おかずの位置。

 

・ おかず重箱ともち重箱を交互に、二列にお供えする場合なのですが、一列目では豚の三枚肉をお墓側になるように並べ、二列目はお参りする自分達側になるように並べるのです。

 

そしてお重の上には一列目では左上、二列目では右下に、お箸を並べて添え、ウチカビもお重の上や近くに供えて並べるのが一般的な決まりごと。ただ、地域や家庭によっても、その自由度や作法が少しずつ異なるので、周囲に合わせて準備をしてください。

 

 

定番、ウチカビとヒラウコーの枚数


沖縄のお墓参りでは、必ずと言っても良いほど欠かせないのが、「ウチカビ」と「ヒラウコー」ではないでしょうか。「ウチカビ」は「打ち紙」であり、天国のお金とされている紙。燃やす(焚く)ことで天国へお金を届けます。

 

「ヒラウコー」は沖縄のお線香。6本がひとつにくっついた長い板のような形状が特徴で、その一枚を「一ヒラ」と数えるのも、面白い風習ではないでしょうか。

 

【 沖縄のお墓参り:ウチカビとヒラウコーの枚数 】

 

★ ここでちょっと気になるのが、ウチカビやヒラウコーをそれぞれ焚く時、何枚(何ヒラ)焚けば良いのか…。

 

・ 基本的には一人に付き、ウチカビは三枚、ヒラウコーも1/2ヒラとなる3本とされていますが、最初に焚く家長だけウチカビを五枚…、とする家庭も見受けられます。

 

 

ビンシーは神様へ出すのが基本


沖縄のお墓参りは一通りのお供えや決まり事が多いため、一連のお供え物が持ち運びしやすいように、「ビンシー」を利用する家も見られるようになりました。ただ、これは神様へ出すことが多いため、お墓では「ヒジャイガミ様への拝み」で利用することになります。
 
一家に一台はあるものでしたが、最近の若い世代では持たない家庭も増えてきました。拝所での利用が基本の扱い方なので、沖縄のお墓参りではコチラを利用しなくても、本来は問題ありません。

 

【 沖縄のお墓参り:ビンシーは神様への拝みで利用? 】

 

★ このビンシーは一部では「近代からの言い伝え」とも言われますが、「あの世の実印」とする家も多く、主に御嶽などの拝所で利用します。一方、南部など一部の地域に行くと、「認め印」と言われる御先祖様用のビンシーを用いる事例も多いです。

 

・ ただ「実印」や「認め印」と言われるだけに、親族兄弟であっても、他の家庭から貸し借りはご法度とされています。そのため、利用したい日にない場合には、自分達でタッパーなどに準備をします。(前述したように、お墓参りよりも拝所での利用が多いことを心に留めておいてください。)

 

ただ沖縄ではお墓参りの前に、その地域の土地神様へ拝みに行く家庭もありますので、この場合には、お米やお酒など、沖縄のお墓参りに必要なものをひと通り揃えて、タッパーなどでも、適当な箱に並べれば、略式ビンシーになるので、急に必要になったら準備をしてみてください。

 

 

いかがでしたでしょうか、沖縄のお墓参りは外目から見るととても賑やかで、参加したくなる行事ですが、いざ墓主や親族として自分が参加するとなると、何かと決まりごとや準備がたくさん!ひとつひとつに作法や意味合いがあるのです。

 

そのため初めは戸惑うことも多いかもしれませんが、多くの家庭で沖縄のお墓参りに慣れている家長が中心に進めるケースがほとんど。ウサンミなどは、家長のおばぁが中心に手伝う親族にそれぞれ指示することが多いので、その間に理解すれば大丈夫。

 

とは言え、こうして知識を予め持っておくことで、お願いされた仕事の意味合いを理解することができ、全体の流れも把握できるため、安心して沖縄でのお墓参りに参加できますよね。

 

本記事を参考にしながら、地域や家庭の風習も理解して、楽しく沖縄のお墓参りに参加しましょう。

 

まとめ

沖縄のお墓参りの基礎知識

・お墓参りはまず、「ヒジャイヌガミ様」から行う
・お墓事のお参りは、七夕かユンヂチが日取りが良い
・ウサンミの三枚肉は、一列目がお墓側、二列目がお参り側
・ウチカビは一人三枚、ヒラウコーは一人1/2ヒラを焚く
・お墓参りの道具を揃えたビンシーは、あの世の「実印」



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