【沖縄の御願】旧暦五月、ユッカヌヒーはハーリー大会!
沖縄の御願行事で、旧暦五月四日の「ユッカヌヒー」は欠かすことができない日ですよね。沖縄の御願行事のなかでもユッカヌヒーは盛り上がる日ですが、何と言っても「ハーリー大会」があるからではないでしょうか。
那覇市では一大観光イベントとしてのお祭りにもなっている、このハーリー大会ですが、もともと、沖縄の御願としてのユッカヌヒーは海の神様への拝みの日です。
そこで今日は、旧暦五月四日の沖縄の御願行事「ユッカヌヒー」の、各家庭での拝み方についてお伝えします。
【沖縄の御願】旧暦五月、
ユッカヌヒーはハーリー大会!
旧暦五月四日の沖縄の御願、ユッカヌヒー
全国的にはこの時期に観光客が多く訪れるなど、ハーリー大会の「お祭り」的なイメージが先行していますが、ハーリー大会は旧暦五月四日の沖縄の御願、ユッカヌヒーのひとつの行事です。
【 沖縄の御願、ユッカヌヒーとは 】
★ 海の神様へ祈りを捧げ、豊漁を祈願する沖縄の御願が「ユッカヌヒー」です。そのため、漁港や漁村で盛んな行事でもあります。
・ 昔の沖縄ではこの日に漁港まわりに玩具市が広がり、ハーリー大会を応援しながら、子ども達はこの市で遊びまわりました。
一方、沖縄の御願としては、ユッカヌヒーと言えば、家庭でヒヌカンとお仏壇に沖縄のおやつ「ちんぴん」や「ぽーぽー」です。これをお供えして家族の無事を祈ります。
沖縄の御願、自宅でのユッカヌヒー
ユッカヌヒーで欠かせないのは「ちんぴん」と「ポーポー」です。どちらも小麦粉で作った生地をくるくると巻いたおやつなのですが、ちんぴんは黒砂糖を巻き付けた甘いおやつ、ポーポーは肉みそ巻きです。
【 沖縄の御願、ユッカヌヒーの拝み 】
① ヒヌカンへのお供え物 …
もともとのお供え物はそのまま(チャーギなどの葉・塩・酒・水)、ちんぴんとポーポーを盛りつけたお皿をお供えしてください。ヒラウコーはタヒラ半(二枚と半分)です。
② お仏壇へのお供え物 …
同じく、左右一対の供え花に一対のお茶、中央にお酒を供えたお仏壇に、ちんぴん・ポーポーのお皿をお供えします。ヒラウコーはタヒラ(二枚)のみです。
沖縄の御願、ユッカヌヒーでの拝みの内容
この時、神様御先祖様へは、子ども達の健やかな成長を報告するとともに、今後も見守ってもらえるようにお願いをしてください。
【 沖縄の御願、ユッカヌヒーの拝みの内容 】
「本日は五月四日、ユッカヌヒーでございます。
ヒヌカンガナシー(ヒヌカン様)や御先祖様のお陰で、本日まで子ども達も健やかに成長し、今日の日を迎えることができました、ありがとうございます。
どうぞ今後とも私たち家族が健康に円満に日々を過ごせるよう、お見守りください。
ミーマンティー ウタビミスーリー ウートゥートゥー」
沖縄の御願では沖縄言葉で伝える「グイス」はありますが、一般家庭であれば日ごろ使っている言葉で、同じ内容をお伝えして拝みを捧げれば、問題はありません。
地域のチームが集結!ハーリー大会
ちなみに「ハーリー」とは、昔ながらの沖縄の漁船である「サバニ」に複数人が乗り込み、チーム同士でゴールを競う海人(ウミンチュ)の競技です。
沖縄では今でも健在!地域の会社や有志、学校のPTAや学生まで、多くのサバニチームが参加して、競技を盛り上げます。真剣なチームも多いので、毎年この時期になると、参加チームの練習風景も見られます。
【 沖縄の御願、ユッカヌヒーで行うハーリーとは 】
★ サバニに乗り込む人数はサバニの大きさ…、つまり会場によって違います。漕ぎ手10名や20名(ドラゴンボートでの競技も有り)もあれば、最も有名な那覇ハーリーでは漕ぎ手だけでも32名と大人数です。
・ 御願バーレー・上がりハーリー・転覆ハーリー、の三種類があり、「このハーリー競技で優勝するとその年は豊漁!」と言われています。
現在では観光客が集まる那覇市が最も有名なハーリー大会です。ただその他にも海が近い糸満や奥武島、屋慶名や嘉手納でも、今なお続く行事ですので、興味があればぜひ、訪ねてみてはいかがでしょうか。
このハーリーについては別記事「沖縄のハーリーを解説!今も盛り上がる年中行事とは」で詳しくお伝えしています。
ちんぴんとポーポーを用意する
沖縄の御願でこのユッカヌヒーにお供えするちんぴんとポーポーですが、地元のスーパーの総菜コーナーに行けば、この時期には販売されていることが多いです。
その他にも、ケーキミックスならぬ「ちんぴんミックス」「ポーポーミックス」が販売されているので、思った以上に簡単に用意ができます。
【 ちんぴん・ポーポーの作り方 】
① 生地は小麦粉200gに水2カップの割合で出来ます。ベーキングパウダーと塩を少々加え、そのまま数時間置いてください。
② 肉みそは豚のひき肉60gと赤みそ60gを鍋に掛け、大さじ2杯の砂糖、酒とみりんを大さじ1杯ほど加えながら煮詰めます。煮詰まったら火を止めて、しょうが汁とピーナッツのみじん切りを少量加えてください。
③ 置いていた生地を薄いホットケーキのような要領でフライパンで作り、ちんぴんには黒糖を、ポーポーには先ほどの肉みそを巻いたら完成です!
「生地は水の代わりに牛乳を使うと美味しい!」との声もあります。こちらも詳しくは別記事「チンピンやポーポーを手作り☆沖縄の定番おやつレシピ」でお伝えしていますので、こちらも参考にしてみてください。
いかがでしたでしょうか、今回は沖縄の御願行事、旧暦五月四日のユッカヌヒーについてお伝えしました。沖縄の御願行事では、このハーリーや綱引きのように、地域で盛り上がる行事も多いです。
近年では行事には参加するももの、ヒヌカンやお仏壇への拝みはしていない家も多くなりましたが、ちょっとちんぴんやポーポーをお供えして、御先祖様とお話するのも良いかもしれません。
ちんぴんやポーポーの作り方もお伝えしましたが、現代ではミックスを購入し、肉みそも瓶詰などを用意する家も多いです。2018年度の旧暦五月四日は新暦の6月17日!ぜひ気軽に家の拝みごとまで、行ってみてはいかがでしょうか。
まとめ
ユッカヌヒーの御願とは
・海の神様への豊漁祈願がユッカヌヒー
・2018年は6月17日がユッカヌヒー
・ハーリー大会が行われ、漁港では盛り上がる
・家ではヒヌカンとお仏壇にちんぴんとポーポーを供える
・ユッカヌヒーでは子どもの健やかな成長を報告する
・ちんぴんは黒砂糖、ポーポーは肉みそを巻く
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