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【沖縄の御願】信仰もチャンプルー?戸惑いがちな宗旨宗派

【沖縄の御願】信仰もチャンプルー?戸惑いがちな宗旨宗派
沖縄の御願については、多くの方々が本州など他県・海外の方々から「沖縄の信仰は何?」と戸惑うように聞かれることも、多いですよね。とは言え、日本全体が世界的には「無宗教」とも言われています。

 

ただ、本州では江戸時代からの歴史が長い、「檀家制度」があり、日頃はクリスマスを祝い、お彼岸にはお墓参りをするものの、身内が亡くなった時には、菩提寺に読経をお願いしなければなりません。

 

そのためお通夜や葬儀といった弔事では、宗旨宗派がハッキリとしてくるのですが、沖縄の場合には近所のお坊さんへ読経をお願いしたり、時にはユタが取り仕切ることも、少なくありません。

 

沖縄の文化を知らないと戸惑いがちな、沖縄での御願、信仰の対象について、もう少し知りたくなりますよね。そこで今回は、他県の方々が戸惑いがちな、沖縄の御願、信仰の対象についてお伝えします。

 



 

【沖縄の御願】信仰もチャンプルー?
戸惑いがちな宗旨宗派

 

沖縄の御願では欠かせない、「先祖崇拝」


まず、全国的にも有名な沖縄での信仰文化が「先祖崇拝」。特に沖縄では位牌を先祖崇拝の象徴としていて、「位牌」を意味する「トートーメー」は、そのまま位牌継承の意味合いも持っています。

 

【 沖縄の御願:先祖崇拝 】

 

★ 沖縄の旧家では、大きなお仏だんスペースが鎮座。

 

・ お正月や旧正月(旧暦の正月)、お盆(こちらも旧暦のお盆)では、お仏壇の前に「ウサンミ」と呼ばれる重箱料理四段ものお供え物が供され、分家した兄弟の家族が次々に集まって仏だんへ手を合わせます。

 

全国的には先祖代々墓が一般的ですが、沖縄では父系血族が集まる「門中墓」が広がり、お墓参り行事である「清明祭(シーミー)」などは、全国的にも注目される、沖縄の一大行事にもなっているほどなのです。

 

 

今でも脈々と残る、「火の神」ヒヌカン


このように全国的に沖縄と言えば大きな仏だんやお墓の影響もあって、「先祖崇拝」として認識されつつあります。けれども実は、沖縄では今でも脈々と「自然崇拝」が残っているのです。

 

【 沖縄の御願:自然崇拝 】

 

★ 沖縄では八百万の神様が存在し、最も象徴的な神様が「ヒヌカン」。ヒヌカンは火を司る神様で「かまどの神様」とも言われる存在。

 

・ 現代でも家庭を守る主婦の台所には、コンロ回りにヒヌカンが祀られ、沖縄では毎日の御願と、毎月1日・15日の御願が行われています。

 

その他、その土地を守る土地神様や海の神様、天の神様などがおり、沖縄では御願の対象となっているのも特徴的。お墓にも左側(お墓に向かうと右側)には「ヒジャイガミ」様が鎮座し、お墓参りの前に御願を行う風習があります。

 

 

ヒヌカンが取り持つ神々とは


このヒヌカンですが、沖縄の御願では、家に心配事があったり、沖縄での御願の年中行事になると、まず最初に拝む存在とされているのも特徴的。

 

この理由はヒヌカンが、他の八百万の神々を繋ぐ存在として、認識されているからです。

 

【 沖縄の御願:ヒヌカンの繋がり 】

 

★ そのため沖縄の御願では、ヒヌカンへの御願の詞で「ばんあらち うたびみすぅち」などの言葉もあり(地域によって、方言や言い回しが大きく変わります。)、これは「取り次いでください。」の意

 

・ 「○○の神様へ取り次いでください」と、まずヒヌカンへ相談するのです。

 

沖縄の御願では自然信仰として海・地・天の神様が出てきますが、同時に屋敷の御願で代表される、身近な神々が多いのも興味深いポイント。例えば「フールヌガミ」はトイレの神様(正しくは昔の豚トイレ)。

 

その他、屋敷の四隅の神様や中央の神様、門の神様と、家ひとつでも多くの神々が住んでいます。

 

 

沖縄の御願で出てくる、三つの神様


前項でもお伝えしたように、身近な神々が多く住んでいるものの、沖縄の御願では、海・土・天の神々がおり、詞にも出てくる点も、理解しておきたいところ。

 

3項でお伝えしたお墓の左に住む神様「ヒジャイガミ」様も、土地神様のひと柱です。

 

【 沖縄の御願:自然崇拝三つの神様 】

 

★ 沖縄の御願での詞では、「ウティンヌガミ」「ヂーチヌカミ」「リュウグヌカミ(若しくは「ニレーリュウグ」)」の三つの神様がよく登場します。

 

・ 「ウティンヌカミ(ウティンヌカミ)」はウティン=天で、天の神様、「ヂーチヌカミ」はヂーチ=地となり地の神様、最後の「リュウグヌカミ」はリュウグ=竜宮=海の神様を差しています。

 

沖縄の御願の詞では、「この三神とご先祖様、みなさまのお蔭で、私たち家族、子ども孫皆、健康に家庭円満で過ごしています、お見守りくださり、ありがとうございます。」

 

…と言う意味合いの、報告と感謝を述べているのです。

 

 

 

いかがでしたでしょうか、今回は他県や海外の方々が戸惑いがちな、沖縄の信仰文化についてお伝えしました。けれども、ここでより疑問を感じるのは「どうして葬儀ではお坊さんを呼ぶの?」と言うことかもしれません。

 

沖縄の人々の暮らしや心の奥底には、深い先祖崇拝・自然崇拝があるものの、葬儀での形式には大きなこだわりがないのが特徴。そのため、葬儀では宗派に拘らず、近所のお坊さんにお願いすることが多いのです。

 

一方で沖縄の葬儀では、日ごろからお世話になっているユタさんをお願いすることも多く、焼香などの葬儀後の法事では、遺族が自分達で沖縄スタイルの御願を行うのが一般的。

 

現に葬儀ではお経を唱えながら、納骨ではユタさんが仕切るケースが多いもの…。とても不思議なのですが、沖縄は他の文化同様、葬儀や法事のスタイルもチャンプルー文化があるのではないでしょうか。

 

 

まとめ

沖縄の信仰文化とは

・沖縄には先祖崇拝の文化がある
・自然崇拝も広がり、その象徴がヒヌカン
・ヒヌカンは八百万の神々への通信役
・御願の詞では天・地・海の三神が出てくる
・葬儀で読経、その後の納骨はユタも多い
・沖縄の葬儀や法事はチャンプルー

 



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