初清明祭、霊園なら押さえたい準備。お墓参りの5つの手順
初清明祭(ハチシーミー)は通常であれば、今までのお墓参りを再開すれば良い訳ですから、特に問題はありませんよね。ただ故人が亡くなってから、それをきっかけに改装(お墓を引っ越すこと)したり、新しく建てた場合なら、何かと勝手が変わり戸惑う方が多いです。
ひと昔前の沖縄であれば、どのお墓も同じく個人墓地に建てられた、お家のようにプライベートスペースも広い、大きなお墓が多いため、自由は利きます。ですから人数が増えたり減ったりしても問題はなく、のんびりとウサンデー(お供え物を下げて皆でいただくこと)ができました。
一方、最近増えてきた狭いスペースにならぶ、霊園でのお墓の場合、そうはいきません。隣のお墓への配慮やスペースなど、何かと勝手が違ってくるため、あまり考えずに準備をしていると、当日になってあたふたしてしまう事態にも、なりかねませんよね。
そこで今回は、近年のお墓に合わせた初清明祭で意識すべき事柄と、安心して当日を迎えられる準備についてお伝えします。
初清明祭、霊園なら押さえたい準備。
お墓参りの5つの手順
新しいお墓から、人数を調整する
最近は昔ながらの沖縄のお墓だけではなく、同じ門中墓でも管理や後々の後継者の問題を考慮して、霊園などの集合墓地のものが増えました。今までの門中墓を改装して、永代供養の付いている、管理のしやすい小さいタイプに変えた方々も多いのではないでしょうか。
【 お墓によって清明祭の準備も変わる 】
★ 清明祭(シーミー)だけに大きな規模で行いたいものですが、霊園であれば準備はお墓の規模に合わせた人数を想定して進めることができれば、墓主としても安心です。
・ 霊園であっても墓前スペースが区切られていて広いお墓であれば、今まで通りの清明祭で問題はありません。ただ狭いスペースであったり、墓前スペースがないお墓となれば、集まる親族も考慮して小さい規模にする必要が出てきます。
墓前スペース以外での、ウサンデー
墓前スペースが狭い場合には、お墓参りだけを済ませてから、集まった親族で場所を移動してウサンデーをする事で、よりゆったりと進めることができます。
一方、家長と数人のみお墓に出向いて拝みを済ませ、親族は宗家(ムートゥーヤー)に集まり、家で清明祭をする家も増えました。
近年では少なくなりましたが、ウサンミ(お供え料理)を参加者に分けるウサンデーでは、何かと手間隙が掛かるので、昔ながらの風習に則っていた門中でも、仕出し弁当などを準備した方が、墓主も楽に進められます。
【 墓前スペース以外でのウサンデー 】
★ 霊園では広い芝生スペースなど、自由に使える場所がある事も多いので、事前に霊園内を散策してスペースを確認したり、施設管理業者に使用許可の有無を尋ねておくとより安心。
・ さらに雨天時にも自由に使用できる、建物が準備されている施設も。そのなかには、予約を取ることで会食用の部屋を確保できる場合もあるので、確認してみてください。
周辺に移動して、会食をする方法も
ある程度ハッキリと人数を決められるのであれば、周辺のお食事処や会館などで、会食スペースを予約するのもひとつの方法です。会館であればスペースの確保だけなので、仕出し弁当やウサンミを準備すれば問題ありません。
【 周辺のお食事処で会食 】
★ ただ飲食店のスペースを利用する場合には、当たり前ですが持ち込みは難しいですよね。早めに人数を決めて、お食事とともに予約をしてください。
・ 清明祭の会食(本来はウサンデー)のため、高齢の方が多い点にも配慮をしておくと、より安心です。高齢の方の移動はもちろん、お食事の内容にも注意を払って、予約した飲食店にお願いするとより親切かもしれません。
清明祭はお墓参りではありますが、お祝い事としての意味合いが強い行事です。そのため特に弔事用のメニューや仕出し弁当を準備しなくても、問題はありません。
ただごく稀にですが、熱心な仏教徒の方や本州出身の方が多くいる席では、お斎(おとき=法要後の会食)のイメージがある方も多く、精進料理を用意した方が良いケースも見受けられます。
施設に確認しておくと良いケースも
お墓スペースがそれなりに広い場合には、霊園施設への連絡なく、直接皆で清明祭(シーミー)出向いても問題がないことがほとんどです。もちろんスペースが狭い場合でも、注意されることは少ないではありますが、やはり事前にスケジュールを伝えておくと、何かと安心できます。
【 施設にスケジュール確認 】
★ 特に納骨堂や霊廟などの、ごく狭いスペースの場合には、施設スペースを利用したり、周囲の方々への配慮面もありますから、事前に伝えておくと、施設側も準備が整えられます。
・ また、一般的な清明祭(シーミー)の時期は、皆がお互いにスケジュール調整をすることも少なく、混雑するもの…。重なる確率は高いですから、少し時期をずらすのも一案です。
親族にも墓前の様子は伝えておく
これだけ事前に準備し、前項のように少し時期をずらして清明祭(シーミー)のスケジュールを組めば、ある程度は安心して当日を迎えられますよね。けれども高齢の親族など、この時期をずらすことは難しい…、と言う考え方もなくはありません。
【 墓前の様子は伝えておく 】
★ 新しくお墓を建てて初めての初清明祭(ハチシーミー)のケースでは、なかには初めて新しいお墓に訪れる親族もいらっしゃるかもしれません。
・ 特に高齢の方など、今までのお墓のイメージが強くある方も多くなりますので、事前に墓前のスペースの状況をお伝えしておくと、当日の混乱が少ないです。また、子どもと一緒に参加する親族には、霊園の地図を準備してみてはいかがでしょうか。
「この辺には自由に走れる芝生があるよ。」などと伝えてみると、周囲の理解も得やすくなり、段取りがスムーズに進みやすいです。事前に理解があるので、隣と重なった際にも、待つ余裕が生まれてきます。
いかがでしたでしょうか、若い世代になると霊園の並んだお墓の様子も、当たり前のように馴染むものですが、やはり長年大きな沖縄のお墓に慣れ親しんできた方々にとっては、清明祭(シーミー)の行事ひとつ取っても、なにかと勝手が違い戸惑う体験談が多いです。
ましては門中を取りまとめることが多い墓主としては、それぞれの親族に理解を求める場面も出てくるため、難しく感じることもあるかもしれません。けれども初めての清明祭さえ終えれば、親族はもちろん、自分達も勝手が分かるため、次からは滞りなく進みますよね。
さらに清明祭(シーミー)当日のお墓の掃除も、霊園にあれば日頃から管理が行き届き、ある程度の掃除道具も借りることができるなどの便利さも実感できます。事前にスムーズに進むように準備を進め、気持ちの良い初清明祭(シーミー)を迎えてください。
まとめ
初清明祭をスムーズに霊園で行うための準備
・墓前スペースによって、人数を調整する
・ウサンデースペースを別に設ける
・お食事処へ移動する方法も検討する
・スケジュールを施設に確認しておく
・親族にスペースが狭いことへの理解をもらう