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年金の繰り下げは損か得か。70歳受給を現実的に考える

年金の繰り下げは損か得か。70歳受給を現実的に考える
年金の繰り下げ受給を検討する方が増えていますよね。昔は60歳定年で年金生活に入る道が一般的でしたが、現代では受給開始年齢は65歳からとなり、60歳からは「繰り上げ受給」で受け取ることができます。

 

一方、年金暮らしだけでは生活がままならない現代、「生涯現役」を目指す方々が増えました。そのため年金に頼らないシニアライフを送り、年金受給を繰り下げる選択も増えているのです。

 

実際に年金受給は繰り下げれば繰り下げるほど、受け取ることができる年金の支給額も増加します。そのため「できるだけ年金を繰り下げて得するぞ!」とばかりに、70歳受給を目指す方々も多くなりました。

 

けれども冷静に考えれば寿命は分かりませんので、個々や家庭によって、年金の繰り下げが損か得かは変わりますよね。そこで今回は、70歳まで年金を繰り下げるのが本当に得なのか…、いくつかの視点から見ていきます。

 



 

年金の繰り下げは損か得か。
70歳受給を現実的に考える

 

年金の繰り下げが得になる理由


現代、年金の繰り下げ受給を検討する方が増えているのは、冒頭でもお話したように遅れて受給を開始するほど、年間の支給額が増額するためです。若い時代に年金受給を我慢しているのですから、当然と言えば当然かもしれません。

 

【 年金の繰り下げで増額する 】

 

★ 年金を一か月繰り下げると0.7%増額するので、年間計算であれば8.4%の増額支給が期待できます。

 

・ 0か月で算出するとして、66歳では8.4%、67歳で16.8%、…70歳では何と42%も年金の受給額が増額する計算です。

 

仮に65歳で67万円の受給予定の方が、70歳まで年金受給を繰り下げたとすれば、951,400円まで上がることになりますから、元気で生涯現役であれば、当然、年金の繰り下げを検討するのではないでしょうか。

 

 

70代世帯の平均生活費から考える


前項の例で言えば、70歳まで年金を繰り下げて年間951,400円の受給を受けた場合、1か月では約7万9千円です。ただこれは老齢基礎年金の受給分で、サラリーマンだった方になると、これにプラスして老齢厚生年金が支給されます。

 

1年間我慢すると8.4%も受給額が増額する…となれば、民間の金融商品でもなかなかそうはいきませんので、もちろん喜ばしいことなのですが…、その分自分たちも高齢です。

 

【 年金の繰り下げ毎に、年齢は上がる 】

 

★ 統計で見ると年齢が上がればあがるほど、月々に必要な生活費も少なくなります。70歳以上になると夫婦でも平均支出が約23万5千円、これが75歳にもなると21万5千円なのです。

 

・ 「高齢になって多くもらっても、使い道がない。」なんて事も出てきます。さらに70歳まで年金を繰り下げて69歳で亡くなったら…。そう考えて、敢えて年金の繰り上げ受給を選ぶ方も確かにいます。

 

年金受給の累計で試算すれば、69歳から受給を開始したとしても、「得する」には80歳10か月までは生き続けることが条件です。もちろん寿命は自分では決められませんから、「後は運次第」と言うのが究極の答えではないでしょうか。

 

 

70歳まで年金の繰り下げができる背景を考える


ひと昔前までは60歳から定年で年金生活に突入、シニアライフを満喫していましたが、年金の受給開始年齢は60歳から65歳へ引き上げられました。そして70歳までの引き延ばすことで受給額の増額も可能です。

 

【 年金の繰り下げ制度で見て取れる背景 】

 

★ さらに仕事も今まで雇用契約を結んでいた企業は、もしも本人が望む時には、65歳までは再雇用契約を結ばなければならない、とされています。確かに助かる制度です。

 

・ ただ…、65歳から70歳、後々は75歳と、国が年金受給の開始年齢を引き上げているようにも見て取れます。

 

人生100年時代に突入した日本、ひと昔前のような感覚で60歳で定年、年金をもらって悠々自適の老後生活…、と言う青写真では、もしかすると老後破産の憂き目にあってしまうかもしれません。

 

健康な体と経験や専門スキルで、「生涯現役」を目指して老後に突入する人々が増えてくるのではないでしょうか。

 

 

「任意加入」で掛け金支払いを延長した場合


サラリーマンであれば自動的に厚生年金がプラスされるため、国民年金+厚生年金の受給が期待できますが、自営業になるとそうは行きません。国民年金のみの加入になり、満額でも6万5千円です。

 

しかもこの国民年金は受給資格が厳しく、25年支払いをしていなければなりません。仮に24年支払い続けていたとしたら、その24年分は全て無駄…。これではもったいないですよね。

 

【 年金の繰り下げで多い勘違い 】

 

★ そのため、60歳を過ぎても年金の掛け金を支払い続けて受給資格を得る方々もいますが、この時気になるのが、「70歳まで年金を繰り下げたら、受給額は42%の増額になるのか?」ではないでしょうか。

 

・ 実は、年金の繰り下げは受給資格を得て、1年後からの換算になります。そのため、70歳まで年金受給を繰り下げたつもりでも、増額の対象にならない方もいるのです。

 

任意加入で支払い期間を延長できるのも70歳まで、69歳まで支払いを続けていれば、年金の繰り下げ対象にはなりません。前例のように24年間払っていてあと一年であれば、年金の繰り下げ対象となります。

 

 

 

いかがでしたでしょうか、今回は最近シニア世代で話題になる、年金の繰り下げについてお伝えしました。確かに年金をできるだけ繰り下げて、受け取る時により多くの金額をもらうことは嬉しいものです。

 

ただ、65歳を超えれば身体にも不調が起きますし、寿命もいつ訪れるかは誰にも分かりません。

 

実際に年金の繰り下げ受給を選ぶ人は2018年現在までの統計では、まだ1.4%と低い数字にとどまり、反対に繰り上げ受給をしている人は全体の約30%、正規の65歳からの受給が残りの60%が現状です。

 

「70代80代では体も自由が利かないかもしれない。それなら、元気な内に受給額が低くても受け取って活用したい!」と言う方もいれば、「80代も元気でいるから、少しでも増額を目指す!」と言う方もいますので、「自分で選択する」ことが大切なのかもしれません。

 

 

まとめ

年金の繰り下げ受給は損か得か

・70歳まで繰り下げると42%増額する
・70代夫婦の平均支出は月々約23万5千円
・国は年金受給開始年齢を引き上げたい
・支払い延長なら、受給資格を得てから換算
・年金繰り下げはまだ全体の1.4%(2018年現在)

 



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