沖縄での葬儀後、喪主のマナー。迷う方が多い5つの質問
沖縄での葬儀後のマナー、喪主としては気になりますよね。例えば、沖縄ではお香典は千円~三千円と少なめにお渡しするのが一般的ですが、時に高額のお香典をいただくこともあります。
そんな時、全国的には後々に改めて香典返しを送ることが多いですが、沖縄では控えることもあり、その対応は沖縄での葬儀スタイルが変化しつつある現代、家によって見解が分かれるようになりました。
また、告別式では時に何百人と多くの弔問客が訪れることも多いのが、沖縄の葬儀の特徴です。
もちろん、そのなかにはさまざまな弔問客がいますが、どこまで細やかな対応をすべきか…、時代に合わせて沖縄の葬儀後のマナーも変化しているだけに、迷う方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、沖縄での葬儀後のマナーで、喪主の方々が知っておきたい基本をお伝えします。基本のマナーを理解しておけば、その都度臨機応変な対処ができるので、ぜひ一読されてみてはいかがでしょうか。
沖縄での葬儀後、喪主のマナー。
迷う方が多い5つの質問
高額なお香典、香典返しはするの?
新聞に荼毘広告が掲載される沖縄の葬儀では、マナーとしてお香典には即日返しを選択する家が多いです。コーヒーなどの嗜好品の他、沖縄の香典返しに多いものには、お米券などがあります。
ただ、このような即日渡しの香典返しを準備するのは、沖縄のお香典の相場が格段に安いためです。沖縄のお香典の相場は、冒頭でお伝えしたように、知人友人であれば千円~高くても三千円前後が常識でした。
【 沖縄での葬儀後マナー、香典返し 】
★ けれども近年では、全国的なお香典相場に倣って、五千円~三万円ほどのお香典を、知人友人でも渡されることがあります。
・ 遺族としては返って戸惑ってしまいますが、特別な事情がなければ忌明けのご報告とともに、お香典の三分の一を目安に香典返しをお渡ししてください。
沖縄での葬儀後マナーの場合、「特別な事情」には、子育て真っ只中の家庭で一家の大黒柱であった父親(夫)を亡くしてしまった…、など、金銭的な事情を抱えている場合が多いです。
高額なお香典、お返しをしない場合
もともとお香典には「相互扶助」の意味合いがあり、ひと昔前までは沖縄に限らず、葬儀後マナーとしての香典返しは存在しなかった事情もあります。
【 沖縄での葬儀後マナー、香典返しをしない場合 】
★ 周囲にも分かるような経済的な事情で香典返しをしない場合には、忌明けの挨拶状として、ひと言添えて気持ちを伝えてはいかがでしょうか。
・ 「本来であれば返礼をすべきではありますが、子どもの今後を想うと不安は尽きず、誠に勝手を申し上げておりますが、本状のお礼にて、失礼をさせていただきます。」
…などと添える方も多いです。
葬儀後の弔問の申し出には…
多くの弔問客が集まる沖縄ですが、葬儀当日に参列できない方もいます。このような場合、四十九日前に弔問の申し出を受けることが多いのですが、喪主としてはどのように対応すれば良いのでしょうか。
なかには、やることも多く精神的にもショックが重なり、自宅に弔問客を招き入れたくない…、なんて遺族の方もいます。
【 沖縄での葬儀後マナー、弔問客への対応 】
★ まず沖縄の場合には、葬儀後も四十九日まで「ナンカスーコー」を自宅で執り行う家が多いです。「ナンカスーコー」は周忌焼香(法要)で、奇数週(ウフスーコー)であれば弔問客を迎え入れる風習があります。
・ そのためナンカスーコーを執り行うのであれば、ウフスーコーに拝みに来ていただく方も多いです。
ただ、最近では葬儀後は四十九日まで、焼香(スーコー)も行わない家も増えました。このような場合には、四十九日までは弔問客の方々をできるだけ迎え入れるようにしてください。
どうしても葬儀後に弔問客をお断りしたい
ただ最近では沖縄でも家族葬が増え、新聞に荼毘広告を掲載せずに、ごくごく身内のみで葬儀を執り行い、後日に訃報を知らせる家も増えました。
【 沖縄での葬儀後マナー、自宅への弔問を断る場合 】
★ そんな時には、葬儀後も「弔問客をお断りしたい…。」と言う遺族が多いです。この場合には、ぜひお断りする際の言い回しに注意をしてください。
・ 例えば
「お忙しいみなさまへの御迷惑になることを、故人は一番気遣っておりました。そのお気持ちを仏前(墓前)にて伝えさせていただきます。
どうかそれでご容赦いただけますでしょうか。」
…などとお伝えすれば、あまり失礼には捉えられません。
また、家族葬を選んだために葬儀後に訃報を知らせる場合には、訃報ハガキなどに、後日の自宅への弔問をお断りする旨を記しておくのもひとつの方法です。
喪中の年越し、お中元やお年賀は?
喪中に年越しになる場合には、喪中ハガキをお送りして年賀状を控えることは広く知られていますよね。このように、沖縄でも葬儀後マナーとして、お祝いにまつわる物事は避けてください。
【 沖縄での葬儀後マナー、お正月 】
★ お正月(沖縄の場合は旧正月も含みます。)はお祝い事ですので、しめ縄や門松などの飾りは控え、初詣もお寺でなければ控えるのが一般的です。
・ お年賀(お歳暮)やお中元も控える家もありますが、実はこれはご挨拶であってお祝いではないので、送っても構いません。ただ、忌中(四十九日前)の贈答品は控えるようにしてください。
この時、喪中であるのに紅白の色目は不自然ですので、表書きはそのまま(お中元・お歳暮など)、のし紙を避けて、白短冊などを用いると、より安心です。
いかがでしたでしょうか、今回は沖縄での葬儀後マナー、喪主の方々に多い質問のなかから、いくつかをお答えしました。ただし、冒頭でお伝えしたように、現代の沖縄では葬儀スタイル自体が大きく変わりつつあります。
昔からの沖縄の葬儀では、荼毘広告を掲載するために大勢の弔問客が集まるものが多かったのですが、近年では人数を決めて少ない予算で、ごくごく少数の家族や知人友人のみで執り行うものも増えました。
本文でお伝えしたようなナンカスーコーも、都心部では減少傾向にあり、繰り上げ(繰り下げ)ることで、本州と同じように四十九日のみ、弔問客が集まる焼香(法要)を行う家も見られます。
このような時代なので、沖縄での葬儀後マナーも家や地域によって大きく変わるのが現状です。ただひとつ言えることは、お香典返しにしても弔問をお断りするにしても、丁寧な対応で説明することが大切、と言うことです。
小さな家族葬も増えてきた沖縄ですが、その選択の理由を説明して、心から対応すれば、理解を得られることも多いのではないでしょうか。
まとめ
葬儀後に喪主が注意したいマナーとは
・高額なお香典、忌明けに1/3ほどのお返しをする
・お返しをしない場合には、丁寧な挨拶状を送る
・後日の弔問は、ナンカスーコーをご案内する
・迎え入れない場合には、丁寧なお断りをする
・喪中は正月(旧正月)の飾りや初詣は控える
・忌中は贈答品は控える
・喪中でもお中元やお歳暮は可能