仏壇を購入する時に気になること☆専門家が答えるQ&A
仏壇を購入するとなっても、現代では日ごろ仏壇に馴染みのない家も多く、その時になって自分の家の宗旨宗派が分からなかったり、仏壇を購入する際のしきたりやルールが不安になることもありますよね。
日ごろ仏壇を購入する機会など、そもそもありませんから、仏具店に行っても「自分達に何が必要なのか…。」良く分からないまま、家に戻ることも少なくありません。
もしも仏壇を購入することになったのなら、仏具屋さんより先に菩提寺があれば菩提寺を訪ねて、必要な仏壇・仏具などを質問すれば良いのですが、今では宗旨宗派にこだわらない、民間霊園にお墓を建てる方々も増えてきました。
仏壇を購入する時に何より大切な事柄は心ではありますが、できる限り昔ながらの決まり事やしきたりにも倣って、きちんとした供養をしたいですよね。
そこで今回は、仏壇を購入する際に戸惑いやすい、仏具店で多い質問からいくつかピックアップして、その解説をお伝えします。
仏壇を購入する時に気になること☆
専門家が答えるQ&A
仏壇を購入する時期はいつ頃?
正式な位牌を仕立てる目安が四十九日であるため、仏壇も理想としては四十九日までに購入するのが理想的ではあります。とは言っても、現代では緩くなり必ず四十九日に合わせる必要はありません。
【 仏壇を購入するタイミング 】
★ 基本的には気持ちが大切ですので、家に迎え入れたい時期に購入するのが一番です。
・ ただ、四十九日までは忌中ですので、四十九日前に仏壇を迎え入れた場合には、忌明けの四十九日までは扉を開けないのが習わしです。
ただ、これは新しい仏壇を購入する時にのみ必要な習わしではなく、もともと仏壇がある家でも、忌中は扉を閉めなければなりません。
仮の位牌となる白位牌を本位牌に仕立てるのは、特に沖縄であれば四十九日の法要では必須(白位牌を墓前で炊く風習があるため)なので、沖縄なら四十九日には仏壇も準備しておくと安心です。
今ではモダンな仏壇も多くなりましたが、昔ながらの沖縄仏壇を購入して、押し入れまで改造するとなると、早め早めに進めていくことをおすすめします。
どのような仏壇を入れれば良いの?
本来であれば沖縄なら大きな沖縄仏壇を購入して、家の中央に配置したり、全国的にも宗旨宗派に見合った仏壇を購入するのが習わしです。
【 仏壇を購入する際の、昔ながらの習わし 】
★ 全国的には例えば浄土宗は唐木仏壇、ご本尊は阿弥陀如来(あみだにょらい)となり、壁掛けは右が弘法大師・左が法然上人となるなど、その宗旨宗派でそれぞれ適した仏壇、ご本尊や脇掛があります。
・ 天台宗、真言宗などそれぞれの宗旨宗派で違うので、菩提寺があるならば菩提寺に伺って聞くのが一番ですが、近年では民間霊園のお墓も多くなり、宗旨宗派に拘らない家も多くなりました。
宗旨宗派に拘らない場合には、ご本尊がなくても構いません。無宗教での手元供養の例を取ると、故人の遺影と「三具足」(燭台・花瓶・香炉)を置くのみの仏壇も見受けられます。
仏壇の置き方にルールはあるの?
冒頭でもお伝えしたように、基本的には仏壇を購入した時に大切な点は気持ちであるため、家に仏壇スペースを確保することだけでも問題ありません。
ただ、確かに一般的に「良い」とされる昔ながらの風習はあるので、ムリがなければ参考にしてください。
【 仏壇を購入する時の、置き場所の習わし 】
★ 全国的に言われているのは、仏壇は南の方角を向けて置く、もしくは東向きが良いとされ、仏教用語では南向きを「南面北座」、東向きを「西方浄土」と言います。
・ 沖縄仏壇は家の中央、昔ながらの沖縄の家では仏壇スペースがもともと作られていましたが、現代では押し入れを改造して仏壇を入れることが多いため、必ずしも中央にある家ばかりではありません。
さらに、仏壇の耐久性を考えると、湿度の多い場所は木材には適していないため、風通しの良い場所、また直射日光を避けることができる場所を選ぶと、長持ちします。
仏壇を購入したら、儀式はあるの?
仏壇を購入したら、まだ新しい仏壇に魂を入れる儀式があります。お墓の開眼供養などと同じ役割の、名前もそのまま「魂入れ」や「開眼供養」「開眼法要」です。
【 仏壇を購入した後の法要 】
★ お坊さんにお願いして、読経供養を執り行うのが一般的ですが、沖縄の場合にはユタさんや独自の御願で開眼供養を行う家も見受けられます。
・ お坊さんには読経供養の料金の代わりとなる「開扉供養御礼」(もしくは「入魂料」とも言われます。)として、三万円~五万円を目安にお渡ししてください。
仏壇を購入してすぐ本位牌を入れることが多いものの、仏壇購入自体はおめでたいことなので、「開扉供養御礼」は、紅白の水引きが掛けられた封筒を用いるのが習慣です。
予算に合わせた仏壇を購入しても良い?
仏壇を購入する際、仏具店へ行って驚く事柄のひとつは、価格帯が幅広いことではないでしょうか。お墓とは違い、価格も明示されて並んでいる仏具店が多いので、予算に合わせた購入はしやすいです。
仏壇には煌びやかな金仏壇や、落ち着いた重厚感のある唐木仏壇の他、沖縄であれば沖縄仏壇、近年ではモダン仏壇や上置き仏壇まであるので、カジュアル度も価格帯も、自分の加減で選べるのではないでしょうか。
【 仏壇ごとの価格目安 】
・ 金仏壇 … 相場としては最も高く100万円~150万円が目安です。
・ 唐木仏壇 … 価格帯が幅広く50万円前後~100万円前後が目安、彫刻などの細工や木材の品質などで金額が決まります。
・ 沖縄仏壇 … タンス調の簡易沖縄仏壇で10万円台もありますが、大きなタイプだと50万円前後~130万円台の仏壇が多いです。
・ モダン仏壇や上置き仏壇 … 10万円前後~50万円前後のものも多くあります。
ただし、価格帯が広いとあるように600万円などの高級仏壇も多く、探せば20万円台30万円台の仏壇も購入することもできるはずです。
いかがでしたでしょうか、今回は初めて仏壇を購入する方々へ向け、仏具店で質問の多い事柄に対し詳しくお伝えをしてきました。基本的には昔ながらの仏壇の風習を元にお伝えしましたが、今では随分常識なども変わりました。
手元供養の需要が増え始め、無宗教の仏壇も多くなったことから、デザイン的にも現代のおしゃれな住まいに合った、モダンな仏壇が増えてきたのも、その理由のひとつです。
なかにはコンパクトな仏壇もあり、A4用紙程度のサイズで必要な時だけ扉を開いて拝むようなタイプが見られます。このような仏壇になると、数万円の価格帯で販売されているので、暮らしに合わせて検討してみても良いかもしれません。
仏壇を購入したい気持ちを大切に、本記事も参考にしながら、ぜひ自分達らしい供養の形を選んでください。
まとめ
仏壇を購入する時の豆知識
・仏壇を仕立てる期日はないが、四十九日が目安
・宗旨宗派によってご本尊も変わる
・風習では南向きか東向きに置くのが良い
・仏壇を迎え入れたら開眼供養を行う
・開眼供養時には「開扉供養御礼」をお渡しする
・現代の仏壇は価格帯が幅広い