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沖縄にもあるお墓の継承問題。イレギュラーな3つの事例

沖縄にもあるお墓の継承問題。イレギュラーな3つの事例
沖縄のお墓でも、継承問題は深刻化しつつありますよね。全国的には問題があっても、少し前までは門中墓など人数が多い沖縄のお墓では、継承問題はあまり表面化していませんでした。

 

けれども最近では沖縄のお墓でも、継承問題がきっかけで墓じまいをせざる終えなくなってしまったり、問題が解消されないまま墓主が亡くなり、継承者のいないお墓も目立つようになりました。

 

そんな時代ですから、昔ながらの沖縄のお墓の継承のしきたりもだんだんと緩くなってきています。また、沖縄のお墓の継承にまつわる相談も、イレギュラーな形で解決したものも多くなりました。

 

そこで今回は、沖縄でのお墓の継承問題で、近年多い相談や、その後の解決事例をお伝えします。今までの習慣とは違うものもあるかもしれませんが、ぜひ、参考にしてみてください。

 



 

沖縄にもあるお墓の継承問題。
イレギュラーな3つの事例

 

子連れ再婚、夫方の子は女の子


近年特に多くなってきた相談は、離婚・再婚による継承問題です。沖縄ではお墓の継承と言えば、門中の風習に倣って、「父方の血を引く男性」でなければならない家は多くありました。

 

今回の相談も、夫婦共に子連れ再婚のケースです。子連れ再婚でも旦那方の子どもが男性であれば、その子に継承するパターンが多いのではないでしょうか。

 

ただ、今回は夫方の子どもは皆女の子、妻方の子どもが男の子のパターンでした。

 

【 沖縄のお墓継承の相談、連れ子同士の再婚 】

 

★ この夫婦の場合、夫が門中墓を継承しています。また、夫世代の兄弟の家の子どもが皆女の子だったため、「父方の血を引く男の子」の継承者がいない点が問題でした。

 

・ 親族で話し合った結果、「今後は女性でも引き継ぐこともできる」としたものの、やはり女の子ですから嫁ぐ可能性も考えなければなりません。最終的には、三親等に入るおじさん(父方の弟)に引き継がれることになりました。

 

…では、今回相談に来たご夫婦や子ども達はどのお墓に入るのか…、と言う問題ですが、夫はおじさんへ門中墓を渡して、自分は新しくお墓を建てることにしたのです。

 

夫婦はもちろん、妻方・夫方の子どものどちらも、本人が希望すれば入れるように、また本人達が継承が出来なくても問題がないように、霊園に家族墓を建てました。

 

 

離婚した妻の元にいる息子


コチラも離婚による沖縄でのお墓継承の相談です。今回相談を受けたBさんも門中墓を継承しています。Bさんは5年前に離婚していて、子ども達は元奥様が引き取りました。

 

そのため親権は元奥様にあり、夫婦の間には長男と次男、男の子が二人います。

 

【 沖縄のお墓継承の相談、妻の元にいる息子 】

 

★ 「親権が元妻にあっても、子ども達にお墓を継承してもらえるかどうか?」と言うのが今回の相談でしたが、親権がどちらであってもお墓の継承は可能です。

 

・ ただ、後々元奥様が他の男性と結婚するかもしれません。沖縄でのお墓の継承では「父方の血を引く男性」による継承を条件とする家が多いですが、本州であれば、息子さんが後のお義父さんのお墓を引き継ぐ可能性も高いです。

 

Bさんは元奥様との話し合いの結果、次男さんが引き継ぐことを望んでいます。ただ、本人が充分に理解できる年まで待ち、本人の判断を待つ事にしました。

 

【 沖縄のお墓継承の相談、親子の関係性は大切 】

 

★ 離婚をした配偶者が親権を持つ子どもの場合、お墓の継承自体は法的に問題はありません

 

・ ただ、本人の意思は後々を考えても重要で、沖縄でもお墓を継承して欲しい親や親族と、子どもとの関係性はとても大切な要素です。

 

 

友人からお墓の継承を頼まれた


沖縄のお墓継承の相談でも増えて来た内容が、この友人からの継承依頼です。まだまだ沖縄のお墓継承の習わしから考えると、驚く方が多いかもしれませんが、全国的にも「血の繋がりよりも、心の繋がり」と考える方が多くなってきています。

 

【 沖縄のお墓継承の相談、友人からの継承依頼 】

 

★ 法的には血の繋がりがなくても、お墓を継承することは可能です。さらに、法的には公的な書面がなくても継承することはできるものの、問題になるケースもいくつかあります。

 

① 墓地管理者の使用規則 … 特に寺院境内墓地など、墓地によっては現在の墓主から「三親等まで」と定められている場合があります。

 

② 姓が違う場合の手続き … 墓地が定める使用規則によって違うため、全てではありませんが、姓が違う場合に協議者(関係者)全員の署名捺印が必要になるなど、手続きが複雑になるケースにも注意をしてください。

 

③ 親族とのトラブル … 本人からの明確な書類がない場合、家族親族とのトラブルもあり得ます。

 

③のように他に継承者がいるのであれば無縁仏になりませんが、墓地管理者に正式な継承者と認めてもらえなかった場合、継承者のいないお墓として、区画整理が行われることも多いです。

 

【 沖縄のお墓継承の相談、血縁関係のないお墓 】

 

★ 血縁関係のない友人からのお墓の継承依頼の場合、法的には問題なくても、事前に書類を作成して、墓地管理者に確認してもらうことをおすすめします。

 

もしも生前の書面がないまま訃報があり、墓じまいが進んでしまった場合、継承を依頼された証拠となるような、メモなどがあればそれを持参して、家庭裁判所まで相談に行くことも、ひとつの対策です。

 

 

 

いかがでしたでしょうか、今回は近年沖縄で増えた、お墓の継承問題に関する相談についてお伝えしました。いくつかの事例を元に解決策をお伝えしましたが、それぞれのケースによって解決策はさまざまです。

 

この20年前後、沖縄では霊園のお墓が増え、継承問題の内容自体も変化しつつあります。

 

例えば三つ目のケースがそれに当たります。この「友人へお墓を託す」と言う考え方は、終活の広がりによって、本人が生前に意思を伝えるようになったことも一因です。

 

全国的にも最近出て来た考え方でしたが、特にもともと個人墓地に建てる風習があった沖縄では、なかなか選べなかった選択でした。霊園にあるお墓なら、個人墓地のように大がかりな掃除をしないお墓も多く、託しやすくもあります。

 

子ども世代の暮らし方がどんどん変化している現代、新しい事例も参考にしながら、より柔軟に、関わる皆が納得できる着地点を見つけてみてください。

 

 

まとめ

沖縄で増えたお墓継承の相談と、その解決例

・連れ子同士の再婚で、皆が入れる家族墓を建てた
・継承した門中墓は父方のおじさんへ託した
・お墓の継承を依頼するのに親権は関係ない
・お墓を継承する親との関係性は大切
・友人でも依頼されればお墓の継承はできる
・友人なら生前に書類を作り手続きを進めると良い

 



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