香典返しの時期と作法。おすすめの品々と5つのマナー
香典返しの時期、もちろん喪主や遺族としてはあまり経験がないだけに、迷ってしまうことも多いですよね。
ただ、香典返しの時期によっては、葬儀社スタッフの方々が先導して、喪主の代わりに準備をしてくれるので安心ではあります。
とは言え、突然の訃報に、自分の大切な身内のために駆けつけてくださった方々ですから、できるだけ丁寧にマナーあるお礼がしたいもの…。
近年では家族葬など、葬儀スタイルにも幅が生まれたために、「心を込めた香典返しを」と、自分達で準備を進める方々も増えてきました。心を込めたお礼をしたいですよね。
そこで今回は、喪主の方が自分で準備を進める際に迷いやすい、香典返しの時期や、基本的なマナー、おすすめの品をお伝えします。ぜひ参考にしながら、納得の行くお礼の仕方を選んでください。
香典返しの時期と作法。
おすすめの品々と5つのマナー
香典返しの二つの選択
地域によってもその習慣がありますが、香典返しの時期は喪主が選択できる部分があります。
【 香典返しの時期:喪主の二つの選択肢 】
■ 葬儀前に準備ができる「即日渡し」と「後日渡し」。香典返しの時期に、即日渡しを選ぶ場合、多くは葬儀社が香典返しまで案内してくれることが多いため、便利。
・ 一方後日渡しの場合には、それぞれの香典を確認してから香典返しを選ぶことができるため、高額の香典をいただいた時にも、丁寧な対応ができます。
これは喪主本人の考え方もありますが、地域によって違う、香典の金額相場も合わせて検討するのがベスト。例えば沖縄では香典が千円~三千円と比較的小さいため、即日渡しが多いです。
比較的、参列者それぞれの香典が高くなることが予想される場合、家族葬など、参列者の人数が少ない場合には、後日渡しの方が、丁寧かもしれません。
宗旨宗派によって違う適した時期
香典返しの時期ですが、実は細かく話していくと、宗旨宗派によって微妙に変わることも理解したいポイント。ひと昔前までは仏教がメインでしたが、近年はキリスト教や神教、自由葬まで、より一般的にも幅が広がりました。
【 香典返しの時期:宗旨宗派 】
① 仏式 … 仏式の香典返し時期の目安は四十九日の忌明け。四十九日から一か月の間が、最も理想的なタイミングです。
② 神式 … 神式の忌明けは故人が亡くなってから五十日後。この日に仏式の四十九日にあたる、「五十日祭」が行われますが、一か月間にお渡しするようにしてください。
最後にキリスト教式ですが、キリスト教では「プロテスタント」と「カトリック」の宗派があり、宗派によって香典返しの時期も変わってきます。
【 香典返しの時期:キリスト教式 】
① カトリック … 仏式の忌明けに当たるものは、故人が亡くなってから三十日目の「追悼ミサ」の後。
② プロテスタント … プロテスタントでは一か月後に「昇天記念日」が執り行われるので、その後にお渡ししてください。
香典返しの品、金額相場
香典返しでは時期も気になるところですが、金額相場も知っておきたい事柄ではないでしょうか。
【 香典返しの時期:金額相場 】
■ 全国的に香典返しは、いただいたお香典の1/3が目安。五千円であれば1500円~2000円程度。一万円であれば3000円~4000円前後となります。
・ 香典返しを選ぶポイントは全ての人々が喜びそうなもの。そのため日用品も多いのですが、近年では「おしゃれで喜ばれるもの」が人気。
例えば、高級感のある今治のタオルや、オリーブオイルのセット、焼き菓子&紅茶の他、一部では高級梅干しなども人気です。
ただし、紅茶やコーヒーは定番ですが、近年ではあらゆる事情からカフェインが飲めない方も…。その辺りにも考慮して、ノンカフェインのオーガニックコーヒーやハーブティーを選ぶ方も増えてきました。
香典返し選びのマナー
前項でも少し、金額相場に見合った選ばれる香典返しの品々をお伝えしましたが、今ではそのマナーも緩くはなってきているものの、基本的な品選びのマナーがあります。
【 香典返しの時期:品選びのマナー 】
■ 葬儀の場のお返しですから、基本的に華美な装飾、「おめでたいもの」は避けるべき。さらに置物なども避けるのが基本です。
・ より香典返しとしての品選びを意識するのであれば、葬儀と言う不幸な席ですから、いわゆる「消えモノ」「消耗品」を選ぶと安心。
前述の例で言えば、食べ物で消える梅干しや紅茶、オリーブオイルの他、洗剤や石鹸などがそれに当たります。
即日返しで、香典が高額だった場合
最近では香典返しの時期も即日渡しを選ぶ方々が増えてきましたが、この場合に気を付けて対応したいのが、予定よりも高額な香典返しをいただいたケース。
【 香典返しの時期:高額だった場合 】
■ 基本的に香典は相互扶助の役割を持っているため、高額の香典は相手の気持ち…。それを考えると、香典返しを改めて贈らなくても、失礼には当たりません。
・ とは言え、最近では改めて香典に見合った香典返しを、後日贈る方々が増えています。
この場合、前述した後日渡しの香典返しの時期に従って、いただいた金額に見合った金額のものを贈ってみてはいかがでしょうか。
いかがでしたでしょうか、今回は香典返しの時期とともに、アイテムを選ぶ際のマナーをお伝えしました。香典返しは大切な家族の訃報を聞いて駆けつけてくださった方々へのお礼の気持ちを表すもの。
贈る際にはできるだけ、細心の気遣いで贈りたいもの…。そして香典返しを郵送で送る際には、故人に代わってお礼状も添えてください。
気持ちが伝わるお礼状であれば問題はないのですが、この香典返しのお礼状にも、仏式・神式・キリスト教式でそれぞれに書き方があります。(詳しくは他記事でお伝えしますので、ご参照ください。)
少し堅苦しく感じる方もいるかもしれませんが、マナーに倣うことで感謝が伝わることも多いので、ぜひ、書き方も合わせて確認して、丁寧な香典返しを贈って、感謝を伝えてみてはいかがでしょうか。
まとめ
香典返しのタイミングと品選びのマナー
・香典返しは即日と後日、渡す方法がある
・宗旨宗派で香典返しの時期も変わる
・香典の1/3ほどの金額を目安に選ぶ
・おめでたいものは避け、消耗品だと丁寧
・高額ならば後日に改めて渡しても良い