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お墓の改葬で刻む文字。「愛」などの言葉が増えた現代事情

お墓の改葬で刻む文字。「愛」などの言葉が増えた現代事情
お墓の改葬(引越し)の際に、家名を彫らずに言葉を選ぶ方が増えてきましたよね。家名よりも好きな言葉を彫ることが「トレンド」と感じる方もいるかもしれませんが、実は、そればかりではありません

 

人々の人生の歩み方がよりグローバル化し、お墓に対する意識も薄れた現代、お墓や葬送への在り方や考え方は、驚くほど自由になりました。

 

家名を彫らない墓石の彫刻デザインもそのひとつで、言葉の他に絵なども自由に彫られていますが、家名以外の言葉を彫った方々へのアンケートを見て行くと、現代のお墓事情が見えてきます。

 

「お墓について深く考えたことがない。」と言う方が圧倒的に多い現代、今後、自分がお墓問題に直面した時にも役立つよう、墓石の彫刻から見えるお墓事情は気になりますよね。

 

そこで今回は、墓石の彫刻に「愛」や「空」などの言葉が増えた背景やお墓事情、新しい葬送やお墓の流れをお伝えします。



 

お墓の改葬で刻む文字。
「愛」などの言葉が増えた現代事情

 

継承者問題の第一世代


お墓の改葬(引越し)を検討する方々の多く、約40%もの方々が「お墓を引き継ぐ人がいない。」と答えています。

 

ただ、子ども世代では兄弟のなかで自分だけが出身地に残り、引き継ぐ人がいないために、女性でも自分が継承している方が多くいるのです。

 

【 夫婦で両家のお墓を引き継ぎ、改葬 】

 

★ ただ女性が実家のお墓を引き継ぐと、結婚した時に旦那も引き継がなければならない立場だった場合、夫婦で両家のお墓を管理しなければなりません。

 

・ 現代では兄弟のうち誰か一人だけ出身地に残ることが多く、結果的に地方では「両家墓」へのお墓の改葬が増えた時代がありました。

 

「両家墓」とは管理のしやすいように、それぞれ隣同士に並べてお墓を改葬したものです。お墓がバラバラに遠方にあると、お墓参りや管理が大変ですが、隣同士であれば一緒に管理ができるメリットがあります。

 

…これで問題は解消したように見えますが、その後の世代の流れによっては、「一時しのぎ」の方法にもなり得るのです。

 

ただもちろん、これで無事解決する家もあります。

 

 

継承者問題の第二世代


では、両家のお墓を並べて改葬した「両家墓」が一時しのぎになってしまう事例とは、どのようなケースなのでしょうか。それは、子どもの次の孫世代に関わることです。

 

【 両家墓の継承問題により、お墓の改葬 】

 

★ 孫世代でもまた継承問題が起きた時、やはり女性でもお墓を継がなければならない事態になったとします。さらに、結婚相手も両家墓を引き継いでいたら、どうなるでしょうか。

 

・ 夫婦が管理するお墓が二世帯×二世帯…、つまり四世帯のお墓を継承しなければなりません。

 

…さすがに経済的にも体力的にも、四世帯を並べてお墓を改葬することは困難ですよね。都心部ではあまり見られませんが、地方に残る子どもが限られている地方では、意外と起きる事例です。

 

また、近年では「必ず男子を産む」流れもありませんから、女系家族などで女性がお墓を引き継ぐケースが多いことも理由にあります。

 

 

両家墓を建てる難しさ


このような両家墓が二世帯続いた事例では、お墓の改葬によって全ての家のお墓を墓じまいして、ひとつのお墓を建て、家名を取って言葉を彫ることで、埋葬者に枠を設けない方法が取られます。

 

ただ一代目の両家墓…、つまり、夫婦が二世帯を引き継ぐケースでも、最初から家名を取って言葉を彫刻する選択が増えてきました。

 

【 霊園でのお墓の改葬 】

 

★ 昔と違い現代では、新規のお墓を建てる時、施設管理者がいる霊園を選ぶ方々がほとんどです。昔のような家の裏手にあるようなお墓、個人墓地に立つお墓は一部地域以外では、ほぼありません。

 

・ そうなれば霊園には「区画」があります。広い区画もありますが、経済的にも厳しいケースが多いです。

 

このような事情から、予算内で後々子どもや孫まで管理のしやすいお墓を建てるため、最初のお墓の改葬段階から家ごとに建てずに共同墓にし、言葉のみ彫刻する選択が増えています。

 

 

家名を彫らないことで得られるメリット


ここまでお伝えしても分かるように、「言葉」の彫刻は裏を返せば「家名を彫らない」と言う選択の結果です。

 

「愛」や「空」「ありがとう」と言った抽象的な言葉のみを彫ることで、そこに入る人々や宗旨宗派などにこだわらない、自由なお墓になります。

 

【 お墓の改葬で広がる選択肢 】

 

★ 近年では終活を通じて生前墓を探している仲間とともにお墓に入る「墓友」などもありますが、同じ地域に住む親族が家名関係なく入るお墓も増えてきました。

 

・ 例えば、母方の先祖代々のお墓を改葬して、母方で独身の兄弟(叔父や叔母)と父親が一緒に埋葬されたお墓、またその反対など、血の繋がりよりも立地を優先したお墓が増えています。

 

 

現代のお墓へのニーズとは


このようなことから「家で代々継承する」意識が薄れ、お墓に向かって「先祖」に拝む儀式的な感覚よりも、「お父さん、お母さん、おばさん」などと「話をする」、より身近な存在に変わりつつあります。

 

【 お墓の改葬の相談で見る、現代のニーズ 】

 

★ 墓標としてごくごくシンプルなお墓と、故人をイメージできる個性的なものと、両極のニーズが見られるようになりました。

 

・ また個人墓(一人のお墓)になると、ペットと一緒に入るなど、より自由な希望が増えています。

 

ただし先祖代々墓のお墓の改葬などになると、ペットと一緒に入るとまで行くと、それぞれの価値観の違いから親族間でトラブルにもなり得ます。充分に話し合ったうえで進めてください。

 

 

 

いかがでしたでしょうか、今回はお墓の改葬(引越し)で多い、家名ではなく「愛」などの言葉を墓石に彫る背景についてお伝えしました。

 

デザイン的なものや流行りだけではなく、お墓の継承問題などのそれぞれの家での問題が、家名を避けることで解消される事情も理解できるところですよね。

 

最近では敢えてお墓を持たない、遺骨を自宅で供養する「手元供養」なども増えてきましたが、そうなると他の親族や家族は、遺骨を安置している家を訪ねなければなりません。

 

故人を偲ぶ方は自分達だけではないことを考えると、手頃な価格でお墓を改葬し、皆が気軽に立ち寄れる場所とするのも、ひとつの方法ではないでしょうか。

 

小さなお墓や納骨堂、現代ではさまざまな選択肢があります。ぜひ皆が穏やかに過ごせるようなお墓を検討してみてください。

 

 

まとめ

お墓の彫刻に見る、現代のお墓事情とは

・夫婦で両家のお墓を継承する家も増えた
・子ども世代で両家×両家の継承例もある
・家名を彫らないことでひとつにできる
・霊園では両家墓を建てることは難しい
・墓友や親族(叔父など)の括りもある
・予算を押さえてシンプルなお墓のニーズがある

 



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