生前整理をするメリット。働き盛りから始める理由とは
生前整理は終活の一環。残される家族が遺品整理や相続をスムーズに行うために、元気なうちに自分の持ち物や財産を整理するのが「生前整理」。それだけに、まだ働き盛り、子育て真っ只中の世代には遠く感じますよね。
けれども近年では「断捨離(ダンシャリ)」や「ミニマリスト」と言う言葉の広がりとともに、どうせ片付けをするのなら、生前整理を元気なうちにこなしてしまおう!と考える方々が増えてきました。
とは言え、今後も長く生きていくことを考えると、「若い内から生前整理をして、二度手間になるのでは?」…などなど、そのメリットに疑問も持ちますよね。
そこで今回は、40代50代のまだまだ元気な世代から生前整理を始める方々が多い理由と、そのメリットをお伝えします。ちょっとしたポイントもお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
生前整理をするメリット。
働き盛りから始める理由とは
老後の生活を設計するための「生前整理」
働き盛りの若い世代だからこそ始めたいのが生前整理。家は心や頭のなかと同じ…、と言われるように、持ち物がスッキリと整理されることで、自分の考えや気持ちも明瞭になってくるのが魅力です。
【 老後の生活設計のための「生前整理」 】
★ 働き盛りの現在、毎日に追われてあまり考えない方も多いのですが、「リタイアしたらやりたいこと」を何となくイメージする時もありませんか?生前整理を進めると、心も環境も身軽になるため、そのイメージがぐっと現実的になります。
・ 40代で生前整理をした夫婦の事例では、60代からの二人の人生を考えるきっかけになり、老後に二人の思い出の場所へ移住すると決め、貯蓄を始めた…と言う体験談があります。
この夫婦は、生前整理によって家族の暮らしもミニマムになり、新しい物を買わずに過ごせるため、結果的に大きな節約にもなりました。
若い頃は「きっかけ」も多い
長年住んでいる一戸建て…、10年もすれば荷物がいっぱい、机やテーブル、本棚と、大きな物もたくさん増えているもの。しかも家族で暮らしているとなると、なかなか思うように生前整理をするきっかけが掴み難いのも事実。
高齢になると、大きく生活環境を変えなければならない事態も少なくなりますが、若い頃にはそんなきっかけがあることも…。
【 働き盛りに多い、生前整理のきっかけ 】
・ 転勤によって引っ越しに迫られた。
・ 子どもが独立する。
・ 転職や人間関係の変化により、過去を清算したくなった。
…などなどがあります。
生前整理をすることで、毎日が快適・身軽になった!と言う感想は多いのですが、その快適・身軽な時間が、より長くなると考えると、ワクワクしながら生前整理ができるかもしれません。
早い段階から、ミニマムに生きる心地よさ
前項でもお伝えしましたが、働き盛り、まだ子どももいる40代50代からの生前整理は、残りの「余生」に余裕があります。スッキリ!快適、身軽に生きる時間が長くなるのです。
この生前整理で物をすっかり処分したことをきっかけにして、ミニマリストになる家庭は案外多いです。
【 生前整理をきっかけに、「ミニマリスト」へ 】
★ 一度スッキリと処分をしてしまうと、生前整理に苦労したらそれだけ、何とかこの快適を維持しようとします。そのために、その後の生活では、「不必要なもの・必要なもの」を瞬時に判断する習慣が!
・ 結果的に本当に大切なもの、気に入ったものに囲まれる「ミニマリスト」の暮らしが定着する事例が多いのです。
さらに生前整理は若いうちに行うと言っても、自分亡き後のために行う整理。そのため、「生きている時間」を改めて考える傾向があります。
結果的に人間関係も明瞭に整理されるケースが多く、大切な人に重点を置く暮らしになるのも、特徴的です。
若い世代が忘れたくない、デジタル整理
ここでメリットとは少し違うのですが、40代前後の若い世代の生前整理で、通常のものに付け加えたい事柄があります。それが「デジタル整理」。パソコンをあまりいじらない高齢世代とは、この点が大幅に違います。
【 若い世代が意識したい、「デジタル整理」 】
★ スマートフォンが一般的になった今、ほとんどの方々が登録しているSNSやLine、ブログなど…。もしもの時に家族や周囲が何も知らなければ、そのブログやSNSアカウントなどは、そのまま浮遊してしまうことになります。
・ 後々まで半永久的に、デジタルアカウントが残ってしまうことを避けるため、自分が持っているSNSアカウントやブログなどを整理して、パソコンやノートなどどこかに記し、誰でも分かるようにしておくと安心です。
多くのケースでは、エンディングノートを使って整理しています。もしくは信頼できる友人や家族に、予め伝えておく方法もひとつかもしれません。
両親の生前整理のきっかけになる
40代と言えば、実はその両親こそ「終活」世代。興味のある60代以上の方々はもうすでに終活を初めています。とは言え、まだまだ「何となく知っているけれど…。」と、具体的には動いていないケースが多いですよね。
こんな家庭でも子ども世代が終活のひとつとして、生前整理を始めることで、「子ども達も始めているくらいだから…。」と、始めることが多いのです。
【 両親と進める生前整理 】
★ そこで両親に体験談を話しながら、実家も一緒に掃除する方々も多いのが特徴!自分達も始めているため、「終活だから…。」と、デリケートな配慮をする必要がないのも、メリットです。
いかがでしたでしょうか、「どうせいつかはやることなら…。」早く終活を始める、働き盛りの生前生前整理。自分の人生やこれからの時間について向き合うことになるため、より残りの人生を充実した、実りあるものにできます。
さらにまだまだ働き盛りで、あまり死が身近には感じにくい、そんな40代50代の終活だからこそ、冷静に自分亡き後の状況を考えたり、エンディングノートを手にできたりするのかもしれません。
本文でお伝えした、両親が一緒に生前整理をするメリットも大きなもの。体験してみないとピンと来ない事が多いのですが、遺品整理や相続手続きは、本人亡き後、家族が行うことは思いのほか労力が必要なのです。
本記事をきっかけに、「まだまだ元気だから…。」と思わずに、元気だからこその生前整理を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
40代50代で生前整理をするメリット
・老後の生活設計ができる
・きっかけも多いため、労力も半減する
・より長く、シンプルで快適な暮らしができる
・若い世代ならデジタル整理を忘れずに行う
・両親も感化されて、終活を始めることもある