通夜の服装で迷ったら。日ごろから理解したい、5つの知識
通夜の服装は、突然の訃報で駆けつけるだけに、出掛ける前にふと不安になることもありますよね。さらには「通夜の服装マナーは告別式と同じ…。」と考えている方々も少なくありませんが、実はちょっと違いがあるのです。
この通夜の服装マナーの基本を知っていて、TPOに併せて臨機応変に対応できるのと、「通夜でも告別式でも法要でも、弔事はこの服装!」と一辺倒に準備をするのとでは、周囲からの印象も大きく違います。
葬儀(告別式)の服装マナーに加えて、通夜や弔事(法要など)、それぞれの場面で服装を使い分けられたら、より丁寧な印象を受けるはず。
ある程度の年齢になったら、冠婚葬祭の基礎知識を理解した上で、臨機応変な対応をしたいですよね。そこで今回は、通夜の服装マナーの基礎知識と、状況によって使い分ける判断基準をお伝えします。
通夜の服装で迷ったら。
日ごろから理解したい、5つの知識
通夜への二通りの判断
少し前までは通夜の服装マナーと言えば、「突然の訃報に駆けつけた」ことを前提とした一連のマナーがありました。けれども最近では、通夜や告別式の事情も変化しているため、二通りの考え方がある、と言われています。
【 通夜の服装マナー:二通りの判断 】
・ 昔ながらの考え方では、「突然の訃報に慌てて駆けつける」ために、ダークグレーのスーツなどの「平服」で向かう、とされています。
・ 現代の考え方では、告別式と同じような、光沢のないブラックスーツなどの「準喪服」で参列します。
通夜の服装の判断基準とは
この通夜の服装マナー、現代となってはどちらでも正解ではあるのですが、より丁寧に見分けるためには、通夜が執り行われるタイミングがひとつの目安かもしれません。
…と言うのも、最近では斎場などの冷暗所も性能が良くなり、数日経っても問題なく安置できるようになったのですが、以前は通夜や告別式まで、遺体は自宅で寝かせていました。
【 通夜の服装マナー:通夜のタイミング 】
■ そのため今では通夜自体が、訃報の数日後に執り行われるケースがしばしば見受けられるのです。
・ 訃報から数日後の通夜であれば、その服装も告別式と同じように準喪服がベターですし、訃報当日の通夜の場合には、「急に駆けつける」ことになるため、平服を選ぶと適切、と考える方々もいます。
通夜の服装、もうひとつの判断基準
このように通夜の服装を決める際に、執り行われるタイミングは大変目安になりますが、もうひとつ、告別式参列の有無も考慮してから決めると、より配慮が行き届いているのではないでしょうか。
【 通夜の服装マナー:告別式参列の有無 】
■ 翌日執り行われる告別式に参列するのであれば、「告別式は準喪服でしっかりと決めて参列し、通夜では服装も平服にする。」と言う方も…。
・ 同じように最近では、通夜か告別式、どちらかのみに参列するケースも増えてきました。通夜のみの参列ならば、通夜の服装から準喪服でしっかりと整える、と考えても良いかもしれません。
失礼なく参列するための、平服マナー
通夜の服装で見受けられる「平服」。昔ながらの通夜の服装だけではなく、例えば三回忌などの法事でも、案内ハガキに「平服でお越しください。」などの一文を見掛けることができるはず。
【 通夜の服装マナー:平服 】
■ 「平服」とは言え、カジュアルな普段着で行ってよいものではありません。男性なら、濃紺やダークグレーなどの深い色のスーツに白シャツ、地味なネクタイが理想的です。
・ ついつい気が緩みがちな点が、靴下。座った際には思う以上に目立つので、柄物は厳禁!黒やダークグレー、濃紺などの地味な無地を選んでください。
女性の場合も同じように、濃紺やダークグレーのアンサンブルやワンピース、スーツなどがベスト。装飾品も外して、ネイルは特に意識して取って参列します。
ここで気になる、香典マナー
訃報当日の通夜の服装、告別式も参列するのであれば、平服での参列がマナーのひとつであることはお伝えしましたが、「通夜と告別式、両方出る場合には、香典は二回包むの?」と疑問に思う方々もいますよね。
【 通夜の服装:香典マナー 】
■ この場合、二日間の内の一日のみお渡しすれば大丈夫。
・ より好印象なのは通夜で香典をお渡しし、告別式では受付時に芳名帳のみ記入して、通夜でお渡しした旨を受付の方に、お悔やみの言葉とともに伝える方法がベター。
通夜に限ったマナーではないのですが、お香典は「涙で文字が濡れた」事を表現するために、表書きは薄墨を使うとされています。
いかがでしたでしょうか、前々から病気などの話は聞いていても、やはり訃報は突然のこと。悲しみも相まって、判断力が鈍ってしまうことは仕方がありません。自宅で執り行う通夜ではマナー関係なく、「ともかく駆けつけた!」と言う姿もありますよね。
ただそんな時にも、ふと瞬時に正しい判断をするためには、日ごろからの知識はとても役立ちます。通夜や告別式をはじめとする弔事マナーは、ともすれば遺族や故人へ、大変な失礼になることもあるため、より気を引き締めて準備をしたいもの…。
外出先で訃報を知り、例えば靴下が柄物だった場合などでは、コンビニで黒い靴下や、時には黒いネクタイまで販売されていることも…。敬意を表したい通夜や告別式、より配慮の行き届いた服装マナーで参列してください。
まとめ
通夜の服装マナーのポイントとは
・現代のマナーでは平服と準喪服の二通りがある
・訃報当日の通夜なら、平服マナーを採用する
・告別式に参列しないなら、準喪服で参列する
・平服は地味目のスーツなど。カジュアルは不可
・お香典は通夜か告別式、どちらか一方のみ準備する