法要を執り行う時に気になること。専門家が答えるQ&A
法要を執り行う時、特に初めての施主となれば、誰でも戸惑いますし心配にもなりますよね。
そもそも「いつかは施主になる…。」と思いながら参列することもあまりないため、何から始めていいのかも分からない方も多いのではないでしょうか。
お通夜や葬儀を終えた後、最初の法要と言えば初七日ですが、四十九日法要までは一連の流れの中にいるため、施主としては戸惑う間もなく、必死にこなしている状況が多いです。
また、周囲も葬儀から日が経っていないため、気に掛けてくれたり、サポートしてくれるのですが、後々疑問が沸きやすい法要が、ひと段落ついた頃の一周忌や三回忌頃からです。
故人が亡くなってから日が経っているとは言え、施主としては丁寧な法要を執り行いたいですよね。そこで今回は、法要についての相談で多い質問から、いくつかをピックアップして解説します。
ぜひ参考にしながら、よりスムーズに施主としての役割をこなしてみてください。
法要を執り行う時に気になること。
専門家が答えるQ&A
法要の準備を始める目安は?
家族だけで小さい規模で行う法要であれば、さほど気にする必要もないのですが、親族までお呼びするのであれば、一か月前に案内状を出したいところなので、二か月前には準備を始めたいところです。
【 施主が法要の準備を行うタイミング 】
★ お墓が寺院墓地で菩提寺があるのであれば、まずは寺院に相談をして日程を決めてください。
・ 法要ではお坊さんに読経供養をお願いしますが、菩提寺がある場合、菩提寺でお願いしないと、後々のトラブルにもなり兼ねません。
また、民間の霊園墓地で宗旨宗派を問わない施設であっても、納骨式など法要の内容や施設によっては、会場を貸し出してくれたり、お坊さんを紹介してくれたりもします。
迷ったら、一度相談してみるのも良いかもしれません。
命日は親族が集まりそうにない日ですが…
一周忌、三周忌等の法要では、基本的に命日に行うことが基本ではありますが、忙しい人々が多い昨今、命日ぴったりに法要を行うケースは案外少ないので、あまり気にする必要はありません。
【 命日に法要ができない場合 】
★ ただし全国的な風習では、命日よりも前に日程を調整するのが決まり事になっています。
・ 一方沖縄の法要(焼香)となる、イヌイ(一年忌)サンニンチ(三年忌)などでは、命日より後に日程調整を行うのが一般的なので、地域の風習には気を付けてください。
最近では案内する身内が少ない場合など、親族で話し合って、一周忌に三周忌までの法要を行うなど、ふたつの法要を重ねることもあるので、施主の状況なども加味して選ぶのも良いかもしれません。
法要の準備は何をすれば良いの?
近年では法要を手伝う近所の集まり、「隣組」などの制度もなくなり、ほぼ施主やその家族だけで法事・法要を執り行うことが増えました。
前項でお伝えした通り、まずは菩提寺や施設へ相談をして、お坊さんの手配をしつつ、日程調整を行ってしまうと、後々の段取りがスムーズです。
【 施主が行う法要の準備 】
① 墓地管理者に相談をして日程調整、お坊さんの手配をする。
② 法要後の参列者へのおもてなしとなる、会食会場を押さえる。(墓地に貸し出しスペースがあることが多いので、日程調整の際に聞いてみてください。)
② 参列して欲しい親族などに、一か月前を目安に案内状を出す。(規模が小さいなど状況を鑑みて、電話などでの連絡でも大丈夫です。)
③ 参列者の人数を把握して、人数分の料理を用意する。(貸会場を押さえることができれば、法事専用の仕出し弁当屋さんなどもあるので、調べてみてください。)
④ 法要後にお渡しする引き出物や、お供え物を準備。
⑤ 読経依頼をしたお坊さんへのお布施を用意する。
…以上が当日までの流れです。会食はお坊さんへも出欠席を確認して、欠席であればお布施とともに「御膳料」、出張で来ていただく場合には「御車代」も用意して、当日お渡ししてください。
法要は自宅で行わなければならない?
昔は法要は自宅で執り行う方法が一般的でしたが、現在では会場を借りて法要を行うことが多くなりました。
【 法要の会場を押さえる 】
★ 会場を借りるなら自分達のお墓がある寺院や、霊園内の貸しスペース、葬儀会館や法事法要専門の会場などもあります。
・ このような専門の会館が押さえられなければ、近隣のレストランなどでも大丈夫です。その時には法事であることを伝えながら貸し出しの可否を確認すると、後々のトラブルはなくなります。
会場のみを利用するのであれば仕出し弁当、レストランなどの料理屋を利用するなら、法事用の料理(精進料理や懐石料理など)を注文してください。
仕出し弁当でも「法事用」と伝えると、法事でNGの食材を避けたお弁当を準備してくれます。
いかがでしたでしょうか、今回は初めての法要で戸惑うことが多い事柄を、相談で多い質問を中心にいくつかお伝えしました。日程調整・お坊さんの読経依頼・会食の手配が主な段取りです。
また、参列者も施主も戸惑いやすいのが法要時の服装ですが、目安は三周忌としている家が多く、三周忌を境目に、喪服から「平服」に変わり始めます。
ちなみに「平服」とは、男性であればブラックスーツではなく、濃紺やチャコールグレーなどのスーツ、女性でも濃紺やグレーのアンサンブルやワンピースなどを差していて、決して「カジュアルな服装」ではありません。
施主であれば平服での参列を予定しているのであれば、法要の案内状にも「平服でお越しください。」の一文を載せることで、参列者も平服での準備ができます。
施主としての初めての法要の準備だと、ついつい慌ててしまいがちですが、どうぞ本記事も一読しながら、スムーズな法要を執り行ってください。
まとめ
法要時に戸惑いやすい事柄とは
・二か月前くらいから準備を始める
・全国的には命日よりも前の法要でも良い
・まずは菩提寺や霊園で日程調整をする
・会食会場を押さえる
・人数が分かったら食事を用意する
・参列者への引き出物も早めに発注
・平服にするなら、案内状にも一言添える