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【沖縄の御願】八月カシチーで無病息災。お供え物と拝み方

【沖縄の御願】八月カシチーで無病息災。お供え物と拝み方
八月カシチーは、今では家族や門中の無病息災を祈願する行事ですよね。かつて農耕が盛んだった頃の沖縄では、豊穣祭のひとつでした。

 

その昔は琉球王朝の巫女であるノロが、集落の長などと行列をなし、馬で集落の御嶽を巡り拝んでいましたが、現代ではウマチーやカシチーの日程に合わせた、大綱引きなどが有名です。

 

そのためか、家庭での拝みは行わない家も増えましたが、今でも家族の安泰を願い、拝む家は残っています。

 

そこで今日は、沖縄の旧暦八月に行われる「八月カシチー」、家庭でのお供え物や拝み方をお伝えします。ぜひ、手を合わせてみてください。

 



 

【沖縄の御願】八月カシチーで無病息災。
お供え物と拝み方

 

「カシチー」は年に二回


沖縄では年に四回のウマチーと、年に二回のカシチーがあります。「カシチー」とは「強飯」と書くように、おこわをお供えするのが習わしです。

 

【 沖縄のウマチーとカシチー 】

 

★ ウマチーは稲や麦の豊穣祈願や豊穣祭、旧暦二月・三月・五月・六月の四回があります。

 

・ 一方カシチーは無事にお米が収穫できたことへの感謝祭です。ですから一連の豊穣祈願・豊穣祭の後半、旧暦六月・八月に行われます。

 

この八月カシチーは、地域によっては「十日カシチー」や「八月ウマチー」などとも言います。

 

八月カシチーの時期には、沖縄の悪霊祓いや物忌み行事である「シバサシ」があり、一緒に拝む家も多いです。そのため、「八月カシチー」と言わずに「シバサシ」として行う家もあります。

 

 

八月カシチーの意味合い


前項でお伝えしたように、本来の八月カシチーは新米の収穫を祝うものです。

 

【 八月カシチーとは 】

 

★ 新米祝いのため、新しいお米でおこわ(強飯)を作り、ヒヌカン(火の神)とお仏壇に供えて、御先祖様と共に食べます。

 

・ 現代では豊穣の意味合いから転じて、家族や門中の健康祈願の意味合いが強くなりました。

 

前述したように、カシチーには六月と八月がありますが、六月では小豆をいれない「白カシチー」を作るのに対し、八月カシチーでは小豆を入れた「赤カシチー」を供えます。

 

 

八月カシチーの供え方


家庭で八月カシチーの祈願をする時には、ヒヌカンとお仏壇の両方にカシチーを供えてください。

 

【 八月カシチー、供え方 】

 

①ヒヌカン … 小豆を入れた「赤カシチー」のみで問題ありません。

 

②お仏壇 … 赤カシチーの膳を供えてください。膳には、赤カシチーのお茶碗、汁物、ウサチ(酢の物)にお箸を添えて出します。

 

チィタチ・ジュウグニチの拝みでは、ヒヌカンへ小さいお椀に三膳のウブク(ご飯)を供えますが、カシチーでは普通サイズのご飯茶碗に盛り、供えてください。

 

 

八月カシチーの料理レシピ


八月カシチーは強飯(こわめし)=おこわなので、もち米を炊くだけですが…、ポイントは茹で小豆の汁を使うことです。

 

【 八月カシチーのレシピ 】

 

★赤カシチー … もち米3カップに対し、茹で小豆の缶詰1缶を目安にしてください。

 

①小豆の缶詰はザルに空け、汁をよけて取っておきます。

 

②洗ったもち米を炊飯器のお釜に入れ、茹で汁と水(合計3カップ)を足して、一晩浸してください。

 

③翌日、よけておいた小豆を炊飯器に加え、塩を少々(小さじ1程度)を振りかけて、通常モードで炊飯します。

 

中身汁は沖縄ではお祝い膳の定番!豚の大腸(ミックス・大腸のみ)に、椎茸やこんにゃく(いなむどぅち用がおすすめ)、ショウガもたっぷり入れていただきます。

 

★中身汁 … 

 

①豚の大腸を洗った後にしばらく茹でてください。

 

②大腸をザルに空けたら、小麦粉をまぶして揉み付け、さらに洗ってから再び茹でます。

 

③再び大腸をザルに空け、何度も水洗いをして濁りを取って大腸の下準備は完成!

 

④新しくお鍋を準備、かつお節で出汁を取りながら、大腸を再び煮てください。

 

⑤沸騰して充分煮たら、こんにゃく・椎茸を投入!塩や白だし(だしの素など)などで味付けをします。

 

…中身汁をいただく時は、小口ネギのみじん切りやショウガのすりおろしをたっぷり入れていただいてください。「ウサチ」はいわゆる酢の物や和え物の副菜を意味します。わかめときゅうり、ゴーヤの酢の物…、何でも構いません

 

汁物も今回は中身汁レシピをお伝えしましたが、アーサ汁など、家によってさまざまです。ぜひ、お膳に並べて供えてみてください。

 

 

八月カシチーの拝み方


現代、八月カシチーでは家族の健康「無病息災」を祈願する家がほとんどです。

 

【 八月カシチーの拝み方 】

 

★ まずはヒヌカン、続いてお仏壇の順番にお供え物をします。そして…、

 

①いつも私達家族を見守ってくださることに感謝
②今後も家族が無病息災であることを祈願

 

…してください。

 

また、八月カシチーをシバサシと一緒に行う家も多いです。この場合には一連のお供え物と拝みの前に、家や小屋などの四隅に「シバ」を差して、悪霊祓いをします。

 

 

いかがでしたでしょうか、今日は沖縄では旧暦八月に行われる「八月カシチー」、家庭で家族の健康祈願をする際の、お供え物と拝み方をお伝えしました。

 

八月カシチーは本来、集落の豊穣祭の意味合いも強いため、家庭ではお供え物をすることがメインです。

 

「お蔭様で、こんなに美味しいお米が収穫できましたよ。」と新米で炊いたおこわを御先祖様にお出しし、共食する行事となります。

 

農耕は昔よりも衰退しましたが、家族の健康や商売繁盛として、お供え物をして手を合わせてみてはいかがでしょうか。

 

まとめ

八月カシチーの意味合いと拝み方

・八月カシチーは本来、豊穣祭
・新米で赤カシチー(強飯)を炊く
・ヒヌカンとお仏壇にカシチーを供える
・お仏壇へは汁物とウサチとカシチーの膳
・汁物は何でも良いが、中身汁も人気
・現在では家族の無病息災を祈願する
・シバサシと一緒に行う地域も多い



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