沖縄での建墓のタイミング。「生まれ年には建てない」とは
沖縄では建墓のタイミングにも気を使いますよね。特に門中墓になると自分達だけのお墓事でもありません。できるだけ安心できる日取りで、日程を建てたい沖縄の方は多いです。
沖縄での建墓のタイミングと言えば、約33か月に一度訪れる「ユンヂチ」や、毎年旧暦七月七日の「タナバタ」などがあります。この時期は「日なし」と言われ、お墓事の目安となってきました。(※実はこのユンヂチの年回りが、今年の2020年です♪)
そんななかでも、特に「永遠にお墓が建たない!」と相談が多いのが、「生まれ年の干支を避ける。」と言う習わしではないでしょうか。門中墓になれば多くの人々が関わることになります。
そこで今回は、沖縄でお墓を建てるタイミングで気を付けたい、「生まれ年の干支」に関するいくつかの考え方をお伝えします。
沖縄での建墓のタイミング。
「生まれ年には建てない」とは
年間で多い、お墓を建てる目安
冒頭でお伝えしたように、ユンヂチや旧暦七月七日のタナバタが、沖縄で最も安心できる沖縄での建墓のタイミングです。
ただし、ユンヂチは約33か月に一度で期間が開いていますし、タナバタは毎年訪れますが、一日しかありません。近年ではお墓を改葬して霊園へ改葬する方も多いので、一日だけでは慌ただしいですよね。
ですから、沖縄でも年間で多くの建墓のタイミングがあります。
【 沖縄での建墓のタイミング:年間 】
① 春の彼岸(ニングァッチヒガン) … 春分の日を中心に、前後3日間。
② 清明祭(シーミー) … 春先の清明の節気のお墓参り行事の前に建墓し、お参りでお披露目、もしくは清明祭に合わせて開眼供養を行うケースも多いです。
③ タナバタ … 旧暦七月七日のお墓参り行事。この日は「日なし」とされ、厄年(生まれ年と同じ干支の年回り)の家族がいても、お墓事ができます。
④ 旧盆 … 沖縄では旧盆前に建墓のタイミングを取り、お盆で御先祖様へお披露目をする家もあります。また、ウークイに開眼供養を行う事例もありました。
⑤ 秋の彼岸(ハチグァッチヒガン) … 秋分の日を中心に、前後3日間が秋の彼岸時期です。特に春の彼岸は家で拝み、秋の彼岸はお墓参りをする家では、この時期を目安にする家もあります。
「生まれ年の干支を避ける」考え方とは
沖縄では生まれ年と同じ干支の年回りを「厄年」とします。(これは本州の厄年の考え方とは違うので、注意をしてください。)
さらに、その前後もメーヤク(前厄)・クシヤク(後厄)があり、ナカヤク(中厄=本厄)と合わせて丸3年の厄年では、お墓事だけではなく、家を建てたり、結婚をするなどのお祝い事は避けられてきました。
【 沖縄での建墓のタイミング:干支の悩み 】
★ ところが、門中墓などになれば関わる人々は数多くいます。そのため、毎年誰かしらの厄年に当たりお墓を建てられない相談が多いのです。
・ ここで多い質問に、「厄年を考慮しなければならない親族の範囲」があります。これは基本的にはお墓の改葬であれば墓主(施主)、納骨であれば故人を中心として三親等が目安とされてきました。
ただし、三親等に限定したとしても、兄弟の配偶者やその子どもまで考えていくと、かなりの人数です。このような事情から、沖縄では建墓のタイミングが見当たらず、納骨堂などに遺骨を預けたままのケースも見られます。
生まれ年を避けるための解決策とは
前項の基本的な考え方を理解しながらも、そんな厄年の問題を避けるために、沖縄での建墓のタイミングの目安として、いくつかの解釈が出てきました。
まず、厄年であっても前述した「ユンヂチ」の年回りや、「タナバタ」はお墓事をしても問題はありません。
【 沖縄での建墓のタイミング:厄年問題の解決策 】
① 十二支で厄年を考えず、「十干十二支」で計算する方法 …
・ 「十干十に支」とは、その年の十干・十二支で計算する考え方です。十と十二で60年に一度しか回ってきませんから本厄は61歳のみで、日取りが決めやすくなります。
② 厄年を避ける範囲を墓主(施主)のみとする …
・ 親族三親等まで考慮せず、一人だけの干支で判断するため、お墓が建てやすいです。
③ 厄年を避ける範囲を故人のみとする …
・ お墓の改葬ではなく納骨を控えた建墓の場合、墓主ではなく故人の干支を目安にスケジュールを建てることもあります。こちらも対象が一人のみになるため、お墓が建てやすいです。
…このように「解釈」を変えることで、よりお墓事をしやすくする家は多くなりました。特にお墓の改葬になると、お墓の扉を開いて内部調査をしたり、墓じまいや改葬の供養もありますので、賢く日取り決めをしてください。
いかがでしたでしょうか、今回は沖縄で多い相談、建墓のタイミングについてお伝えしました。ただ、沖縄では御願文化が昔から根強く残っているため、日取りも丁寧に決めますが、本来はいつ建てても問題はありません。
一説では、あの世の世界には物質やタイムラグがないため、子孫が「お墓を建ててあげたいな~。」と思った瞬間に、あの世でお墓が建っているとも言われます。
頭でイメージしたお墓が瞬時に建っているとは驚きですが、愛する子どもや孫が日取りで思い悩む事態は避けたい想いは想像できるのではないでしょうか。
基本的な沖縄での建墓のタイミングの目安を確認しながらも、ぜひご先祖様と話し合って、感覚的に「今だ」と思った時に建ててみるのも一案です。
お墓を建てるには費用も掛かりますから、親族ともじっくり話し合い、予算的にも精神的にも、ムリのないスケジュールで進めてください。
まとめ
沖縄での厄年と、建墓時期の考え方
・ユンヂチとタナバタが最も安心
・お彼岸、清明祭、旧盆前後の建墓も多い
・沖縄では自分と同じ干支の年回りは厄年
・厄年にお墓を建てることは避けられている
・十干十二支で60年に一度とする考え方
・墓主、故人の干支のみで計算する考え方
・本来はいつお墓を建てても問題はない