沖縄の御願☆旧暦12月~新暦1月頃、旧正月への拝み
沖縄の御願は旧正月やお盆など、旧暦で行われることは有名ですよね。旧暦はその年々によって変わりますが、2019年~2020年の旧暦では、2019年12月26日(木)が旧暦の12月1日に当たり、2020年度の旧正月は新暦1月25日が旧正月(ソグァチガー)に当たります。そのため大晦日(トゥシヌユール)は新暦1月24日ですね。
この時期、新暦ではすでに年が明けてはいますが、沖縄では旧暦に倣って、屋敷やヒヌカン(家に祀られる火の神様)の御願や、大晦日に向けて御願を行います。
全国的にも知られるのは旧正月の沖縄の御願ですが、その前の年が明けるまでの沖縄の御願で、屋敷やヒヌカンへ感謝を伝えて、旧正月が訪れます。
そこで今回は、2020年の新暦では1月18日(土)の「御願解き(ウグァンブトゥチ)」から始まる、旧暦12月の沖縄の旧正月に向けての御願をお伝えします。
沖縄の御願☆旧暦12月~新暦1月頃、
旧正月への拝み
旧暦12月8日のムーチー
旧暦12月8日、2020年の新暦では1月2日(木)に行われる年中行事が「ムーチー」です。「鬼餅」と書いて「ムーチー」と言い、沖縄ではこの時期になると、スーパーでも多くのお供え用のお餅が出回ります。
【 沖縄の御願、ムーチー 】
★ ムーチーでは「カーサームーチー」が欠かせません。「カーサームーチー」とはお餅の事なのですが、「サンニン」と呼ばれる葉で包んで蒸してあるのが特徴です。
・ ウサギムン(お供え物)として、ヒヌカンとお仏壇にこのカーサームーチーを供え、グイス(拝みの言葉)を唱えて厄除けのために拝みます。
学校や幼稚園でもカーサームーチーが給食に出たり配られたり…、時にはムーチーに合わせてカーサームーチー作りの行事も見られるほど、沖縄でも馴染みの深い行事です。
沖縄で御願を行いたい方は、詳しくは「【沖縄の御願】旧暦12月8日に行うムーチーの拝み方」を参考にしてください。
旧暦12月24日のヤシチヌウグァン
「ヤシチヌウグァン」は漢字で書くと「屋敷の御願」となり、この日までに家中の大掃除をして清め、沖縄では屋敷への御願を行って一年を締めくくります。
後でお伝えする「ウグァントゥチ(御願解ち)」や「ヒヌカンのお見送り」も、同じ日に続けて行ってください。
【 沖縄の御願、ヤシチヌウグァン 】
★ 「ヤシチヌウグァン」は旧暦二月と八月にも年中行事になっています。本州では春分の日と秋分の日を目安にお彼岸が行われますが、この時期と同じ頃に行われる沖縄の御願です。旧暦12月24日は、2020年の新暦で1月18日(土)です。
・ 沖縄の家にはヒヌカンの他にも、「フールヌカミ(トイレの神様)」や「ナカジンヌカミ(中陣の神様)」など、仏壇も合わせて6柱の神様がいるため、それぞれに拝みを捧げます。
日ごろの沖縄の御願でも、毎月1日と15日にはヒヌカンとお仏壇を拝みますが、この日は掃除をして屋敷を清めてから感謝を伝えるのです。
詳しくは「【沖縄の御願】旧暦2月8月12月に行う、屋敷の拝み方」、「【沖縄の御願】旧暦12月24日に行うヤシチヌウグァン」を参考にしてください。
旧暦12月24日、ウグァントゥチ
旧暦12月24日にはヤシチヌウグァンから始まり、ウグァントゥチ(屋敷解ち)、最後にこの後にお伝えするヒヌカンのお見送りまで行います。
沖縄の女性にとってはヒヌカンは最も身近にいる、重要な役割を持つ台所の神様で、何かとヒヌカンに報告や相談をしています。
【 沖縄の御願、ウグァントゥチ(御願解ち) 】
★ ヤシチヌウグァン(屋敷の御願)が屋敷への拝みなら、ウグァントゥチ(御願解ち)はヒヌカンへの拝みです。
・ この日は名前の通り、一年の沖縄の御願を解く日となり、感謝を捧げる拝みとなります。
ヒヌカンに一年見守っていただけた事、良き事へ感謝をして、悪しき事柄についてはこの時を持って終わりとなる(解き放たれる)ことを願い御願をしてください。
旧暦12月24日 ヒヌカンのお見送り
旧暦12月24日の最後の沖縄の御願はヒヌカンのお見送りです。ヒヌカンは旧暦の年末に、一度天界へ帰ります。
【 沖縄の御願、ヒヌカンのお見送り 】
★ ウグアントゥチ(御願解ち)の流れからそのまま行われる拝みとなるため、お供え物などもそのままで進めます。
・ 感謝を捧げるとともに、天界の神様達に一年の報告をしてもらえるようお願いする、沖縄の御願です。
ウグアントゥチ(御願解ち)からヒヌカンのお見送りまでの、具体的な一連の拝み方は、「【沖縄の御願】旧暦12月24日に行うヒヌカンをお見送り」を参考に行ってみてください。
旧暦12月29日~、トゥシヌユール
旧暦12月24日の屋敷やヒヌカンへの感謝の拝みを終えた後、沖縄では旧正月に向けての準備に取り掛かります。
【 沖縄の御願、トゥシヌユール(大晦日) 】
★ そして飾り物などひと通りの準備を終えた旧暦12月29日から30日で大晦日が行われるのです。この旧暦の大晦日を沖縄では「トゥシヌユール」と言います。
・ 2020年度の新暦では旧暦12月29日は1月23日(木)、旧暦12月30日は1月24日(金)となり、旧暦では30日が大晦日です。
トゥシヌユール(大晦日)でも、ヒヌカンとお仏だんへは一年間の無事を感謝して拝み、新しい年へ備えてください。
いかがでしたでしょうか、今回は旧暦12月に行われる沖縄の年末の御願をお伝えしました。沖縄の御願では新暦よりも旧暦が大切なものです。
今では沖縄でも全国的な盛り上がりに合わせて、年末年始もお祝いをしますが、年が明けてすぐに旧暦のお正月に向けて、またもう一度、旧暦のお正月に向けた盛り上がりがあります。
スーパーでは旧暦の年末年始に向けたお供え物料理や御願道具が並ぶので、沖縄に住んでいる方であれば本州出身の家庭であっても、肌身で感じるのではないでしょうか。
本文中に新暦の暦もお伝えしましたが、2020年のものであり、旧暦と新暦は暦がずれてくるため、毎年変わります。カレンダーを参考にしながらぜひ、旧暦で祝う沖縄の御願行事を行ってみてください。
まとめ
旧暦12月に行う沖縄の御願行事
・旧暦12月8日の厄除け行事「ムーチー」
・旧暦12月24日の屋敷への感謝「ヤシチヌウグァン」
・旧暦12月24日の火の神への感謝「ウグァントゥチ」
・旧暦12月24日の火の神のお見送り
・旧暦12月29日30日に行う大晦日「トゥシヌユール」