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【沖縄の御願】旧暦2月8月12月に行う、屋敷の拝み方2

【沖縄の御願】旧暦2月8月12月に行う、屋敷の拝み方2
沖縄の御願でも、屋敷への拝みは細やかなしきたりも多く、初めて中心で行うとなると、沖縄に住んでいる方でも戸惑うことはありますよね。

 

沖縄の屋敷の御願は「ヤシチヌウグァン」と呼ばれ、旧暦2月と8月の他、年末のヒヌカンのお見送り前の旧暦12月24日(令和2年1月18日)にも行われます。

 

日ごろはヒヌカンにのみ沖縄では御願を捧げますが、このヤシチヌウグァンでは、ヒヌカンとお仏壇の他、ヒヌカン以外の屋敷(家)を守る神々にも拝みます。

 

「きちんと風習に倣って、屋敷へ感謝を捧げたいけれど、拝み方が曖昧なので、一度確認したい。」と言う方は、意外と多いのではないでしょうか。

 

そこで今回は、旧暦2月8月、そして旧暦12月24日(令和2年1月18日)に行われる沖縄の御願、ヤシチヌウグァンの拝み方をお伝えします。

 

ちなみに、ヤシチヌウグァンを行うには準備(お供え物など)が必要ですが、【沖縄の御願】旧暦2月8月12月に行う、屋敷の拝み方1で準備編としてお伝えしました。

 

ここで屋敷の神々の概要についてもお伝えしていますので、こちらも参考にしてください。

 



 

【沖縄の御願】旧暦2月8月12月に行う、
屋敷の拝み方2

 

ヒヌカンへ拝む


沖縄の屋敷の御願では、拝む神々の順番があります。地域によっても違いがありますが、基本的には下記の順番です。

 

【 沖縄の御願、屋敷拝みの順番 】

 

★ ①ヒヌカン→②お仏壇→③ユンシヌカミ(北から右回りに拝むため、北・東・南・西の順番に拝みます。)→④ジョウヌカミ→⑤フールヌカミ→⑥ナカジンヌカミ

 

最初に神々への取り次ぎの役割を行う、ヒヌカンへの拝みから始めます。準備を済ませたら「ウートートゥ ヒヌカンガナシー」と伝えてから始めてください。

 

【 沖縄の屋敷の御願、ヒヌカン 】

 

★「本日のカフウ(果報)の日、○月の屋敷の御願を行います。どうぞ滞りなきよう、お願いいたします。

 

アライミハナ・カラミハナ・ウグシー・ウチャヌク・シルカビをお供えしました。どうぞ、お願い事を叶えてくださいますよう、お願い申し上げます。

 

ヒヌカン・ユンシヌカミ・ジョウヌカミ・フールヌカミ・ナカジンヌカミ…、私どものこの屋敷をお守りくださり、御加護くださる神々様、ジーチヌカミ様…、感謝を申し上げます。

 

ヤナカジ・シタナカジ、シジナランヌを払いのけ、今後も神々様によって、この家をお守りください。そして今後もみなさまより、多くの福徳をいただけますように…。

 

この家に暮らす家族が、今年一年も健やかでありますよう、幸せに過ごすことができますよう、百果報ありますよう、どうぞよろしくお願いいたします。」

 

…最後に「ウートートゥデービル」と唱えて締めてください。そしてお供え物に準備をしたシルカビを燃やせば、ヒヌカンへの拝みは完了です。

 

 

お仏壇へ拝む


続いてはご先祖様、つまり祖霊(グァンス)への拝みに入ります。

 

【 沖縄の御願、お仏壇への拝み 】

 

★ 「本日のカフウ(果報)の日、○月の屋敷の拝みを行います。どうぞ滞りなきよう、お願いいたします。」

 

・ 「この屋敷が荒れることなく、クガニヤシチ・ナンジャヤシチとなるよう日々お守りいただき、クワッウマガ カラダジゥサー アラティクミシソーリー ウートートゥ

 

…と唱えます。

 

沖縄の御願で唱えられるグイスは本格的に行おうとすると、分からない言葉だらけかもしれません。ここでも多くの「?」と思われる言葉が並びますが、家庭で拝むのであれば、その内容をお伝えすれば問題ありません。

 

 

ユンシヌカミへ拝む


ヒヌカンとお仏壇を終えたら、屋敷周りの神々へ拝む行事へ移りますが、まずはユシンヌカミです。ユシンヌカミは漢字で書くと「四隅の神」、つまり屋敷の東西南北の角々にいて、それぞれの役割を果たしてくださっています。

 

【 沖縄の御願、ユシンヌカミへの拝み 】

 

★ ヒラウコーはタヒラ(2枚)を拝し、シルカビをその前に備えてから、「ウートートゥ ニゥファヌカミガナシー」のグイスから始まります。

 

・ 「本日のカフウ(果報)の日、○月の屋敷の拝みを行います。どうぞ滞りなきよう、お願いいたします。」

 

チチヌシー、ヤシチンカイ、イシヌシー、ヤイシンカイ、キーヌシー、ヤキーンカイ、みなさま在るべきところにどうぞ鎮座くださいませ。」

 

ちなみにチチヌシーは「土の主」つまり土の精を差し、同じくイシヌシーは石の精キーヌシーは木の精を表す言葉です。

 

【 沖縄の御願、ユシンヌカミへのグイスの後 】

 

① グイスを唱えたらお供えをしていたシルカビを燃やし、天へ神様へのお金(シルカビ)を届けます。

 

② 続いてお供えをしている「アライミハナ、カラミハナ」とグイスで唱えている「洗い米、花米」をつまんで取り分けてください。

 

③ 取り分けたアライミハナ、カラミハナ(洗い米、花米)にお酒を3滴落として拝みは終わります。

 

…言葉の内容はヒヌカンやお仏壇とも重なりますが、それぞれの神様へ同じく唱えて、北から右回りで四隅(北→東→南→西)に拝みを捧げてください。

 

 

ジョウヌカミへ拝む


ユシンヌカミ(四隅の神様)への拝み方と、屋敷周りの拝み方は基本的に同じです。拝みの際に唱えるグイスも基本的には前後は同じですが、ジョウヌカミは門の神様なので、災いを押しのけていただくよう、グイスを通してお願いしてください。

 

【 沖縄の御願、ジョウヌカミへの拝み 】

 

★ ヒラウコータヒラは同じく火を付けて拝しますが、付いた側を門に向けるように、門の中央に拝してください。「ウートートゥ ジョウヌカミガナシー」で始めます。

 

・ 「本日のカフウ(果報)の日、○月の屋敷の拝みを行います。どうぞ滞りなきよう、お願いいたします。」

 

「この門前よりヤナカジ、シタナカジ、シジナランヌを追い返し、どうぞ災いが起こらぬよう、この屋敷をお守りください。

 

そして門より多くの福徳を呼び込み、今年一年、この屋敷の家族が健やかに幸せに、子孫繁栄しますよう、お見守りください。」

 

…グイスの後の拝み方はユンシヌカミと同じです。

 

 

フールヌカミへ拝む


続いては屋敷の神々のなかでも最も権威があるとも言われる、フールヌカミへの拝みです。フールヌカミは「豚の便所の神」の沖縄の方言で、今ではトイレに向かって拝む家が多くなりました。

 

【 沖縄の御願、フールヌカミへの拝み 】

 

★ ヒラウコーの拝し方はユシンヌカミへの拝みと同じで、「ウートートゥ フールヌカミガナシー」と始まり方も同じです。

 

その後のグイスや拝み方もユシンヌカミに倣って問題ありません。

 

 

ナカジンヌカミへ拝む


最後が玄関前~門の間ほどで行う、ナカジンヌカミへの拝みです。ナカジンヌカミは「中陣の神」、つまり中央の神を差しています。

 

【 沖縄の御願、ナカジンヌカミへの拝み 】

 

★ 基本的にはグイス、拝み方ともにユシンヌカミへの拝み方と同じですが、ナカジンヌカミへの拝みでは、お供え物を東の方角に向けてください。

 

 

いかがでしたでしょうか、今回は旧暦2月8月、そして旧暦12月の年末にも行う沖縄の屋敷の御願について、拝み方を中心にお伝えしました。

 

本文中で拝む神様の順番をお伝えしましたが、地域や家によっても違いはあります。また、特に沖縄で屋敷の御願の際にお仏壇(祖霊)まで拝むかどうかは、家によっても大きく違いがあるところです。

 

お仏壇はご先祖様ではありますが、祖霊(グァンス)でもあり、家内安全を祈願する対象として考えられても、おかしくはありません。

 

さらにヒヌカンでの拝みでは八月は屋敷の神々とともにジーチヌカミへ拝むものの、二月にはウティンヌカミを唱える家も多いです。

 

このように地域や家によって、さらに細やかな違いやしきたりはありますが、沖縄で重要とされているのが「拝む心」、基本的な沖縄の屋敷の御願さえ覚えながら、分からない部分は祖父母や周囲に聞いてみるのも、良いかもしれません。

 

まとめ

屋敷の神々へのグイスと拝み方

・屋敷の神々の拝みには順番がある
・「ウートートゥ ○○ガナシー」から始める
・これから拝みを行うことを報告する
・家に災いなく、福徳招かれることを祈願する
・グイスを唱えたらシルカビを燃やす
・お供えした洗い米と花米をひとつまみ出す
・お米の上からお酒を3滴落とす

 



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