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沖縄の御願で供えるお菓子☆琉球菓子の豆知識

沖縄の御願で供えるお菓子☆琉球菓子の豆知識
沖縄の御願では果物やお菓子を供えることが多いですよね。お盆やお彼岸…、お仏壇へのお供え物には昔ながらの琉球菓子を盛り付けます。
 
沖縄の言葉ではこの供え菓子を「ムイグァーシ(盛り菓子)」と言い、この他にも「ヒーグァーシ」「ミーフガーシ」、「ダーグ」などがありますが、本州にはない、独特なものです。
 
また供える目的によって、変えるべきしきたりもあります。沖縄の御願行事では昔から続く供え菓子、興味を持つ方も多いですよね。
 
そこで今日は、沖縄の御願や法事で供えるお菓子(盛り菓子)について、詳しくお伝えします。
 



 

沖縄の御願で供えるお菓子☆
琉球菓子の豆知識

 

お菓子の盛り合わせ、「ムイグァーシ」


他にもお供えのための琉球菓子はありますが、沖縄の御願で供えるお菓子と言えば「ムイグァーシ」ではないでしょうか。
 
左右に一対の二膳が基本とし、一膳には奇数品目の七種類を盛り付けます。沖縄の御願ではお菓子に限らず、「奇数」が大切です。
 

【 沖縄の御願、ムイグァーシ(盛り菓子)の七種 】
 
★ムイグァーシ(盛り菓子)は下記の七品目が基本となります。
 
①クシチグァーシ … 先端が波状になっている、板状の落雁です。
 
②ボタンコー … 「コーガーシ」とも言います。コチラは牡丹の柄で出来ている落雁です。
 
③ムムグァーシ … 桃の形をしたお菓子で、女性の胸を意味しています。
 
④ハナボール … 二つの輪のように象られた、比較的大きめの焼き菓子です。この形は骨盤を表しています。
 
⑤コンペー(金餅) … 丸いお菓子です。
 
⑥シルマンジュー(白饅頭) … 白いお饅頭です。
 
⑦マキガン … 餡子を巻いたカステラで、の意味合いを持っています。

 

「ムイグァーシ」は沖縄の言葉で「盛り菓子」を差していて、説明からも分かるように体の一部を表しているのが特徴です。
 

 

ムイグァーシと共に供えるお菓子


以上が沖縄の御願でメインの供え菓子ですが、この他にも「ハーガー」「ダーグ」を供えます。
 
「ハーガー」は二種類のお菓子を盛り付けるのですが、一つが「ミーフガーグァーシ」、もう一つが「ヒーグァーシ」です。
 

【 ムイグァーシ(盛り菓子)以外の供え菓子 】
 
①ハーガー … 丸い「ミーフガーグァーシ」輪っか状の「ヒーグァーシ」を小皿にそれぞれ七個ずつ、一対の二皿を盛りつけて供えます。
 
②ダーグ … 「ダーグ」とは沖縄言葉で「団子」で、そのまま丸いお団子です。団子粉を水で溶き、茹でて作ります。こちらも、七個ずつ二皿を用意してください。

 

「グァーシ」は沖縄言葉で「お菓子」、ハーガーは一皿目にはミーフガーグァーシを四つヒーグァーシを三つ、もう一皿はその反対にして、均等に供える家庭が多いです。
 

 

法事は慣習に倣って


以上が沖縄の御願で供えるお菓子ですが、沖縄では菓子店や仕出し店でセットで注文できます。
 

【 沖縄の御願と法事で違うお菓子 】
 
★ 沖縄では御願でも法事でも、このお菓子を供えるシーンが多いですが、法事では落雁などは「白」、祝い事や御願では紅白を準備します。
 
・ ちなみに法要の意味合いが強い旧暦1月16日の「十六日(ジュウルクニチー)」「新十六日(ミージュールクニチ―)」では、法事用の白いお菓子を供えますが、同じお墓参り行事でも清明祭(シーミー)で供える時は、祝い事用の紅白です。

 

また昔は子ども達の御馳走だった、これらのムイグァーシや供え菓子も、今では子ども達は好まず、結局捨てる家庭も多いとか…。
 
そのため最近では、昔ながらのお菓子を辞めて、ムムグァーシの代わりにシュークリームを乗せるなど、オリジナルに盛りつける家庭も増えてきました。
 
けれども、これも沖縄では御願行事やお祝い事限定…、法事の席では昔ながらの慣習に倣い準備をすると安心です。
 

 

沖縄の御願で欠かせない、お餅


これらの供え菓子の他、沖縄ではジューバク(重箱)などと呼ばれるウサンミ(御三味)の御馳走を詰めたおかずを供えますが、おかず重とともに供えるのが、「お餅」です。
 
こちらももち粉や団子粉でも作れますが、今では沖縄のお菓子店などで調達する家庭が多くなりました。
 
そしてこのお餅も、供えるシーンによって決まり事があります。
 

【 沖縄の御願で供えるお餅 】
 
★ 沖縄では御願行事やお祝い事では、お餅に餡が入っていたり、よもぎ餅などの色付きの餅、紅白の餅などを詰めても問題ありません。
 
・ けれども法事では、餡などの入っていない白いお餅のみを詰めます。

 

また御願や祝い事、法事ともに、三個×三個(九個)、五個×五個(二十五個)などの奇数個を詰めるのも習わしです。
 
同じ法事でも二十五年忌(ニジューグニンチ=二十五周忌)や三十三年忌(サンジューサンニンチ=三十三周忌)はお祝いの意味合いを持ちます。
 
そのため、お餅も紅白や餡入り、色付きのものを用意しても問題はありません。
 
 

いかがでしたでしょうか、今日は沖縄の御願で供えることの多い、沖縄の供え菓子について、ちょっとした豆知識をお伝えしました。
 
豆知識ではありますし、今ではお菓子店でセットで注文することができますが、知っていることで思わぬ間違いや失礼なく進めることができます。
 
親族が集まる大きな法事や沖縄の御願では、きちんと慣習に倣ったお供え物をしますが、家族のみの拝みも多くなりましたよね。
 
意味合いさえ理解して拝めているのなら、本文でもあったように、今では気軽に現代のお菓子を供えるのも、故人も喜んで良いかもしれません。
 
 

まとめ

沖縄の供え菓子、豆知識

・昔ながらの七品目を左右に盛りつける
・丸と輪っかのハーガーも供える
・団子粉で作った団子七個も供える
・落雁などは法事では白にする
・おもちは法事では餡なしの白にする
・現代の味覚に合わる家庭も増えた



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