沖縄のお墓を改葬(引っ越し)。墓主が進める5つの手順
沖縄ではお墓を改葬(引っ越し)を検討する方が増えてきましたよね。特に2017年は神様の目が届かず、お墓事を進めやすい「ユンヂチ」の年回りと言うのもあり、改葬ラッシュとも言えます。
これはやはり、昔ながらの古いお墓が、管理をするには不便であったり、維持しきれないことが背景にあるのではないでしょうか。日ごろから気になっている問題を、スッキリと解消できれば、その後は管理やお墓参りも楽になるはずです。
…とは言っても、多くの親族の遺骨が入る門中墓などを引き継ぐ墓主としては、沖縄の大きなお墓を改葬するとなれば、それは大きな仕事、できる限りスムーズに負担なく改葬したいですよね。
そこで今回は、沖縄でお墓の改葬を検討した時に、スムーズに進めるために踏まえておきたい、5つの手順をお伝えします。
沖縄のお墓を改葬(引っ越し)。
墓主が進める5つの手順
沖縄のお墓を改葬、二つの方法
沖縄のお墓を改葬するには、二つの方法があります。予算と相談をしながら、そのどちらかをまず決めて進めてください。
【 沖縄のお墓の改葬、二つの方法 】
① ひとつめが沖縄のお墓を移動する方法です。現在の墓石はそのまま運び、新しい墓地に設置してください。
② ふたつめは墓石も含めて、全て新しくする方法で、現代ではこの改葬方法が全国的にも一般的です。
石材が高級だったり、何らかのこだわりがあって墓石ごと移動する場合には、改葬先を見つけていないならば、その大きさや、移動できる環境を意識して探さなければなりません。
墓地スペースがお墓よりも広くても、狭い道幅や斜面などで、移動工事ができないこともあり得ます。
霊園なら、現在の管理者に相談をする
沖縄のお墓での改葬の多くは、現在は個人墓地→霊園であることが多いのですが、もしも今霊園のお墓を持っていて、そのお墓を改葬したいのであれば、現在の施設管理者に相談をしてください。
【 沖縄のお墓、改葬時には管理者に連絡 】
★ 霊園施設によっては、「改葬の連絡は○か月以上前に」と定められているケースもありますし、特に寺院墓地の場合なら、離檀料が発生することも多いです。
・ 沖縄では聞きなれない「離檀料」ですが、これは宗旨宗派を持つ寺院墓地でお墓を建てた場合、その菩提寺を離れる時に起きる料金となります。
寺院墓地でお墓を建てた場合、「檀家」になることがほとんどなのですが、その寺院墓地から引っ越すために檀家を離れる時、「離檀料」を支払うことが多いのです。
このような事もありますから、できるだけトラブルを避けるためにも、まず現在の霊園施設に「相談」として、確認をしておくことをおすすめします。
予算の集め方は、最初に親族で話し合う
沖縄のお墓を改葬するに当たり、意外に多いケースが家族や親族とのトラブルです。特に金銭面に関するトラブルは多く、それを避けるためにも、「最初に」予算の工面について確認し合うようにしてください。
【 沖縄のお墓を改葬、最初に親族で話し合う 】
★ 特に門中墓などの大きなスタイルが特徴の沖縄のお墓の改葬は、元あるお墓の撤去作業だけでも、それなりの費用が掛かることも少なくありません。
・ 墓主や墓主の家族だけで改葬費用を全て請け負うなら、ある程度事後報告でもトラブルに発展しないことも多いですが、皆で出し合うとなれば、その分け方、費用の内訳など、事前に説明してください。
他の面ではある程度の失敗もスルーできても、金銭面になるとシビアなトラブルが勃発してしまうことも多いため、親族皆で均等に出し合うか…、等々、一歩一歩相談しながら進めることがポイントです。
霊園から霊園へ、改葬先を決めた後の手続き
霊園から霊園へ移動するお墓の改葬では、自治体へ提出する書類や手続きがさまざまあり、思う以上に複雑です。まずは、改葬先を決定したら、新しい霊園から「受入許可証」をもらってください。
【 沖縄のお墓、改葬の手続き 】
① 新しい霊園施設から「受入許可書」をもらう。
② 今ある墓地から「埋葬証明書」に捺印をもらう。
③ 元々のお墓がある市町村から「改葬許可申請書」をもらう。
⑤ 改葬許可申請書に記入する。
⑥ 元々のお墓がある市町村に、①~④を提出して、「改葬許可証」をもらう。
⑦ もらった「改葬許可証」を、新しい霊園施設に提出する。
以上が、霊園から霊園へ改葬するための、一連の手続きです。
個人墓地の沖縄のお墓、改葬手続き
霊園から霊園への改葬手続きは、前項のようになりますが、沖縄のお墓の場合、個人墓地から改葬を行うケースが多いですよね。個人所有の土地ですので、少し手続きが変わります。
【 沖縄のお墓、個人墓地の改葬手続き 】
★ 個人墓地の沖縄のお墓から、霊園へ改葬を行う場合、元々ある個人墓地の「墓地廃止届」を提出することが多いです。
・ 新しく改葬する墓地が個人墓地である場合には、新しい個人墓地がある市町村に「設置許可申請」を提出してください。設置許可を得て初めて、個人墓地として工事を行うことができます。
ただし最近では、個人墓地の無縁仏化が進み問題になったため、新しくお墓を建てる場合には、霊園などの集合墓地で建てるように沖縄県が勧めていますので、許可が得られない…、と言う可能性も否めません。
いかがでしたでしょうか、今回は沖縄のお墓を改葬する時に、事前に理解しておくとスムーズに進む、注意事項や手続きの手順をお伝えしました。
ここではお伝えしていませんが、新しい墓地が決まったら、やはり石材店との相談やお墓の発注作業がでてきます。この時、個人墓地に慣れている墓主だと、石材店を先に探してしまいがちですよね。
けれども霊園に改葬する場合には、霊園施設が指定石材店を持っていて、他の石材店でお墓を建てることが難しいケースも多いため、まずは霊園施設に、お墓の相談をしておくことをおすすめします。
また、ごく当たり前のことではありますが、沖縄に限らずお墓を改葬できるのは、お墓を継承している墓主のみです。
もしも相続を済ませていない場合には、納骨に支障が出てきますので、先に継承手続きを済ませなければなりません。
まとめ
沖縄で改葬する時の手順や手続き
・お墓ごと改葬、お墓を移動して改葬の二種類がある
・まずは現在のお墓の管理者に連絡をする
・家族親族で改葬予算と集め方を決定する
・先に改葬先を決め、受け入れ許可書をもらう
・必要書類を提出し、改葬許可書をもらう
・個人墓地を墓じまいするなら墓地廃止届を出す
・個人墓地に新しいお墓を建てるなら設置許可申請
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