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ウマチーとは?沖縄の四大農耕儀礼|2026年の日程・意味・4つのお祭りをわかりやすく解説

ウマチーとは?沖縄の四大農耕儀礼|2026年の日程・意味・4つのお祭りをわかりやすく解説
◇沖縄の旧暦カレンダーに「ウマチー」という言葉を見かけたことはありますか?
…「ウマチー」とは「御祭」と書く、麦と稲の豊穣を祈願・感謝する沖縄の農耕儀礼です。
 
旧暦2月・3月・5月・6月の年4回行われることから「四大祭」とも呼ばれ、琉球王朝時代には年中行事のなかでも最も重要な公式祭式のひとつでした。
 

●現代では那覇市など都心部でほとんど見られなくなりましたが、糸満市など南部を中心に集落行事として今も残る地域があります。
…また、門中(父系の一族)単位や家庭単位での拝みとして受け継いでいる方も少なくありません。

 
稲作の衰退とともに農耕儀礼としての意味合いは薄れましたが、近年は「収穫=収入」として家計安泰・仕事の発展を祈願する行事として改めて注目されています。
 
本記事では、ウマチーの意味と歴史から、4つのお祭りそれぞれの違い、2026年の日程、地域による呼び名の多様性まで、わかりやすく解説します。
 


※本記事は、公益財団法人「沖縄県メモリアル整備協会」が作成しています。地域の習わしを大切に、沖縄の暮らしに根ざした情報をお届けします。(2026年5月20日更新)

 
 



 
 

ウマチーとは?沖縄の四大農耕儀礼


ウマチーとは?沖縄の四大農耕儀礼
◇沖縄の旧暦カレンダーに年4回登場する「ウマチー」。
…現代では都心部を中心にほとんど見られなくなりましたが、その背景には琉球王朝時代から続く深い農耕文化と信仰が息づいています。
 

ウマチーの意味と由来

◇「ウマチー(御祭)」は、麦・稲・粟の豊穣祈願・感謝の沖縄の農耕儀礼です。
…旧暦2月・3月・5月・6月の年4回行われることから「四大祭」とも呼ばれてきました。
 
「ウマチー」という言葉は「神仏に物を捧げる」という意味の「奉る(まつる)」を語源とするとされており、神聖な祭祀としての性格が言葉そのものに込められています。
 

●現代では農耕儀礼としての意味合いは薄れ、門中(父系の一族)の繁栄祈願や家計安泰・仕事の発展を祈願する行事として受け継がれている家庭が増えています。

 
近年は「収穫=収入」という発想で改めて注目する方も多く、形は変わりながらも節目に手を合わせるという本質は今も生きています
 


【スタッフ豆知識|「門中(もんちゅう)」とは?】
「門中」とは、父方の血筋でつながる一族のことです。…沖縄では父系の血縁集団を単位として、先祖への祈りや年中行事を共に行う習慣が根付いています。
 
現代では核家族化が進み門中行事への参加が薄れつつありますが、ウマチーの日に本家(ムートゥーヤー)へ集まり、今も、門中の先祖に手を合わせる家族も多いです。

 

[沖縄の門中について、より詳しく]
沖縄の「門中」って何?本州出身者が知らない5つの繋がり

 
 

麦と稲の四大祭|初穂祭と大祭の違い

年4回のウマチーは、大きく「初穂祭」と「大祭」に分かれています。
 

<初穂祭(二月・五月ウマチー)>
・麦や稲の穂がまだ成熟していない時期に行われる豊穣祈願の祭りです。
…未熟な穂で作った「シルマシ」と呼ばれる神酒を拝所に供えて、これからの穂の実りを祈願します。

 

<大祭(三月・六月ウマチー)>
・麦や稲の穂が成熟した後に行われる収穫感謝の祭りです。
…成熟した穂から作った神酒(ウンサク)と花米(炊く前のお米)を供えて、豊かな収穫への感謝を捧げます。

 
つまり二月と三月ウマチーが麦の「祈願→感謝」、五月と六月ウマチーが稲の「祈願→感謝」という流れになっています。
 
農耕暦に沿って1年を通して穀物の成長を見守り、節目ごとに神様に報告しながら感謝を積み重ねていく——ウマチーはその積み重ねの行事です。
 


【スタッフひとこと】
ウマチーが年4回ある理由が、麦と稲それぞれに祈願と感謝の2回ずつという構造になっていると知ると、すごく腑に落ちますよね。
 
沖縄が麦も稲も作っていた農耕の島だったということが、この行事の仕組みからよく分かります。

 
 

琉球王朝時代のウマチー

◇ウマチーが最も盛んだった時代は琉球王朝時代です。
…当時は国家の公式祭式として行われており、年中行事のなかでも最も重要な儀礼のひとつとされていました。
 
王府に仕える女性の神職「ノロ」を先頭に、役人や村人が白装束を纏って馬に乗り、集落の御嶽や殿(とぅん)などの拝所を巡拝する——その光景は国をあげた農耕への祈りそのものでした。
 

●1713年に編纂された「琉球國由来記」には、5月の吉日に一斉に行われたとの記述があり、この期間は人々が3日間も仕事を休んでいたとも記されています。
…那覇の三平等(ミフィラ)などの中心部では、女性神職のなかでも最上級の位を持つ大アムシラレが儀礼を執り行ったとされており、ウマチーが琉球王国においていかに格式の高い祭式だったかが分かります。

 
現在の旧暦15日という日程は、明治の廃藩置県以後に日本政府によって定められたものです。琉球王朝時代には毎年吉日を選んで祭式の日程が決められていました。
 
明治以降、ノロ制度が廃止されると集落単位の大規模な儀礼は急速に簡素化され、現在は集落・門中・家庭とそれぞれの形で受け継がれています。
 

 
 

4つのウマチーそれぞれの意味と特徴


4つのウマチーそれぞれの意味と特徴
年4回のウマチーはそれぞれに異なる意味と特徴を持っています。麦と稲の農耕暦に沿った流れを知ることで、ウマチーの全体像がより鮮明に見えてきます。
 

二月ウマチー|麦の初穂祭

◇旧暦2月15日ごろに行われる二月ウマチー(2026年4月2日・木)
…麦の穂がまだ成熟していない時期に行われる豊穣祈願の祭りです。
 
これから実りを迎える麦の穂の順調な生育を祈願して、未熟な穂で作った「シルマシ」と呼ばれる神酒を拝所に供えます。
 

<二月ウマチーの特徴>
・一部の地域で「物忌み」を行う習わしがあったことです。
…身を清め慎む物忌みを経てから、ウマチーの祈願に臨むという流れがありました。

 
現代では二月ウマチーを行う家庭は少なくなりましたが、旧暦カレンダーに記される「ウマチー」の最初の節目として、麦の豊穣を祈願する意味合いは受け継がれています。
 
 

三月ウマチー|麦の収穫大祭

◇旧暦3月15日ごろに行われる三月ウマチー(2026年5月1日・金)
…成熟した麦の収穫を感謝する大祭です。
 
二月ウマチーで祈願した麦が実りを迎えたことへの感謝を、成熟した穂から作った神酒(ウンサク)と花米を供えて捧げます。
 

<三月ウマチーの特徴>
・農耕が盛んな地域では豊穣感謝の儀礼として行われる一方、漁港のある地域では大漁や海上安全を祈願する行事として受け継がれています。

 
農耕儀礼でありながら、地域の生業に合わせた形で柔軟に受け継がれてきました。地域によっては
ウフウユミ」(渡嘉敷)
麦プース」(宮古島)
マッティ」(久高島)

…などの呼び名で親しまれています。
 
 

五月ウマチー(グングァッチウマチー)|稲の初穂祭

◇旧暦5月15日に行われる五月ウマチー(2026年6月29日・月)
…4つのウマチーのなかで最も重要な祭りとされてきました。
 
稲の穂がまだ成熟していないこの時期に、これからの稲の豊作と祖先神への祈りを捧げます。「ンニヌフーウマチー」「ニヌファーウマチー」とも呼ばれ、稲穂祭りとしての性格が色濃く残っています。
 

<五月ウマチーが重視される理由>
門中の行事としての意味合いの強さにあります。
…この日に子どもが生まれたことを本家へ報告するハチウガミ(初拝み)を行う習わしがあり、門中全体で新しい命の誕生を祝い先祖へ報告する大切な機会でもありました。

 
またウマチーでお供えされた「ミハナ(花米)」には呪力があると信じられており、参加できなかった家族のために持ち帰り、頭に載せて健康を祈願する習わしが今も残っています。
 
ウマチー(御祭)で供えるミハナ(御花)の呪力について詳しくは下記コラムも併せてご参照ください。
 

 
 

六月ウマチー(ルクグァッチウマチー)|稲の収穫大祭

◇旧暦6月15日に行われる六月ウマチー(2026年7月28日・火)
…稲の収穫への感謝を祖先神に捧げる稲大祭です。
 
ニヌファーウマチー」「ウフウマチー」とも呼ばれ、稲の収穫が無事に終わったことへの感謝と、門中の健康・繁栄・仕事の成就を祈願します。
 
家庭ではヒヌカン・仏壇へウサギムンを供え、五月ウマチーとほぼ同じ流れで拝みを行います。
 

<六月ウマチーの特徴>
綱引き行事と深く結びついていることです。
…六月ウマチー(旧暦6月15日)に合わせて綱引きを行う集落が多くあります。

 
また六月ウマチーの後には、新米でシルカシチー(白い強飯)を作ってヒヌカン・仏壇に供える「ルクグワッチカシチー(六月強飯)」が旧暦6月25日ごろに続きます。
 
ウマチーで感謝を捧げ、カシチーで新米の収穫を祝うという流れが、旧暦6月の行事体系を形成しています。
 

 

[ルクグァチウマチー(六月御祭)について詳しく]
【沖縄の御願】旧暦6月に行う、ルクグァッチウマチー

 

 
 

2026年のウマチー日程一覧


グングァッチウマチー(旧暦5月15日)|稲穂祭の御願
ウマチーは旧暦15日に行われるため、毎年新暦の日程が変わります。2026年の日程を確認して、旧暦カレンダーに印をつけておきましょう。
 

2026年・4つのウマチーの新暦日程

◇4つのウマチーのなかで、最も重要とされたのが五月ウマチー(6月29日)です。
…地域によっては五月ウマチーのみ集まって儀礼を行う門中も多く、現代でも最も意識されています
 
現代では二月・三月ウマチーを行う家庭は少なくなりましたが、五月・六月ウマチーは今も集落行事・門中行事・家庭行事として各地で受け継がれてきました。
 

<2026年・ウマチー日程一覧>
 
●二月ウマチー(旧暦2月15日)
2026年4月2日(木)
 
●三月ウマチー(旧暦3月15日)
2026年5月1日(金)
 
●五月ウマチー(旧暦5月15日)
2026年6月29日(月)
 
●六月ウマチー(旧暦6月15日)
2026年7月28日(火)

 
また六月ウマチーの10日後、旧暦6月25日(2026年8月8日・土)には「ルクグワッチカシチー(六月強飯)」が続きます。新米でシルカシチー(白い強飯)を作り、ヒヌカンと仏壇に供えて米の収穫を祝う行事です。
 


【スタッフひとこと】
沖縄でヒヌカンを祀る家庭では、4つすべてのウマチーを行うのは難しくても、五月ウマチーはヒヌカンに手を合わせることも多いです。
 
毎月旧暦15日はヒヌカンへの拝みの日なので、ウマチーの月はお米も一緒に供えるなど、より負担なく続ける家庭が増えています。

 
 

五月ウマチーが最も大切な理由

◇4つのウマチーのなかで最も重要とされてきたのが五月ウマチーです。
…地域によっては五月ウマチーのみ集まって儀礼を行う門中も多く、四大祭のなかでも突出した存在感があります。その理由は大きく2つあります。
 

①稲穂祭りとしての重要性
…沖縄では古くから稲作が農耕の中心でした。稲の穂が実り始めるこの時期の祈願は特に重要とされており、豊作への祈りを込めた稲穂祭りとして、年間で最も格式の高いウマチーと位置づけられてきました。

 

②門中行事としての深い意味合い
…五月ウマチーの日には、その年に子どもが生まれた家が本家へハチウガミ(初拝み)に出向き、御酒を供えて出産を報告する習わしがあります。

 
追手門学院大学の研究によれば、現代においても女性たちがウマチーに参加する大きな動機のひとつが、お供えされたミハナ(花米)を参加できなかった子どもや孫のために持ち帰ることだといいます。
 
ミハナを頭に載せて健康を祈願する習わしは、農耕儀礼が家族への祈りと深く結びついていることを示しています。
 

 
 

現代のウマチー事情|集落・門中・家庭行事へ

かつて琉球王朝が主導した国家的な農耕儀礼は、現代では大きく3つの形に分かれて受け継がれています。
 

<集落行事としてのウマチー>
・那覇市など都心部ではほとんど見られなくなりましたが、糸満市など南部を中心に今も集落行事として残る地域があります。
 
朝から公民館に人々が集まり、門中の代表が集落内の御嶽などの拝所を巡拝する形が一般的です。六月ウマチーでは綱引きや角力(すもう)大会を行う地域もあり、地域の一体感を共有する祝いの場として機能しています。

 

<門中行事としてのウマチー>
・門中の本家(ムートゥーヤー)に一族が集まり、神棚や仏壇にお供えをして先祖への感謝と子孫繁栄を祈願します。
 
遠方に住む子や孫の分まで手を合わせ、ミハナを持ち帰って健康を祈願する——農耕儀礼が家族への祈りとして受け継がれている姿がここにあります。

 

<家庭行事としてのウマチー>
・門中の行事に参加できない場合や、家庭単位で拝みを続けている場合は、ヒヌカンとお仏壇にお供えをして手を合わせる形で行います。
 
神酒(ミキ)や花米をお供えして、仕事の発展・家計安泰・家族の健康を祈願します。形はシンプルでも、節目に手を合わせるという本質は変わりません。

 


【スタッフひとこと】
集落のウマチーに参加する機会がなくても、旧暦5月15日にヒヌカンにミキと花米をお供えして手を合わせる家庭も少なくありません。
 
現代社会において、農耕儀礼を継承すると言うよりは、「クウェーブン(食べる運)」として、家計や収入の安定・安泰を祈願する傾向にあります。

 
 

地域によって違うウマチーの呼び名


まとめ|2026年ハーリー大会を楽しむために
◇沖縄本島では「ウマチー」と呼ばれるこの農耕儀礼も、宮古・八重山など離島地域では異なる名前で受け継がれています。
…呼び名の違いは、その地域の農耕文化や信仰の違いを反映しており、沖縄の多様な旧暦文化の豊かさを感じさせるでしょう。
 

宮古地方の呼び名

宮古地方では麦と稲のほか粟(アワ)の栽培も盛んだったため、ウマチーに相当する行事の呼び名も独自の展開を見せています。
 

<宮古地方での呼び名の一例>
 
●旧暦2月
・麦の穂祭…「麦プーリィ
 
●旧暦5月
・稲、粟の穂祭…「シツ祭り
 
●旧暦6月
・粟の収穫祭…「粟プース

 
プーリィ」とは豊年祭を意味する言葉で、宮古地方では豊穣を祝う祭りの総称として広く使われています。八重山諸島でも同様に「プーリィ」という呼び名が見られ、麦や稲・粟の収穫感謝祭として各地に根付いていました。
 
また宮古島の池間島などでは「ミャークヅツ」と呼ばれる旧暦8月の豊年祭も、ウマチーと同じく農耕への祈りと感謝を捧げる行事として受け継がれています。
 
 

八重山諸島の呼び名

八重山諸島では稲や粟の収穫儀礼がウマチーに相当しており、地域ごとにさまざまな呼び名があります。
 

<八重山諸島での呼び名の一例>
 
●旧暦5月
・稲の初穂祭…「アイスクマ」「スクマ
 
●旧暦6月
・稲、粟の収穫祭…「プーリィ

 
「スクマ」は「初穂」を意味するとされ、石垣島や竹富島など八重山各地で稲の初穂を神に捧げる儀礼として行われてきました。八重山農業遺産の研究でも、農耕と祭祀が一体となった文化として記録されています。
 
また久米島では五月ウマチーに相当する祭りを「ツマガナシ」と呼びます。「ガナシ」は沖縄の言葉で敬意を表す「様」にあたる言葉です。
 
 

その他の地域の呼び名

沖縄本島近隣の島々でも、ウマチーはそれぞれの呼び名で受け継がれています。
 

<沖縄本島近隣の島々での呼び名の一例>
 
●渡嘉敷島(三月ウマチーに相当)
…「ウフウユミ
 
●久高島(三月ウマチーに相当)
…「マッティ
 
●沖縄本島各地(五月ウマチー)
…「シチマ」「稲穂祭」「ンニヌフーウマチー

 
久高島は琉球王朝のニライカナイ信仰の聖地として知られており、「マッティ」と呼ばれる祭祀は特別な意味合いを持って受け継がれてきました。
 
呼び名は地域ごとに異なりながらも、麦・稲・粟の実りへの感謝と祈りという本質はすべての地域に共通しています。
 


【スタッフひとこと】
同じ行事でも呼び名がこれだけ違うというのは、沖縄の島々がそれぞれ独自の文化を育んできた証拠ですよね。
 
旅先で出会った旧暦行事の名前がウマチーと同じ意味だと気づいた時、沖縄文化のつながりをぐっと身近に感じられます

 
 

ウマチーと綱引き・カシチーの関係


ウマチーと綱引き・カシチーの関係
◇六月ウマチーが終わると、沖縄の旧暦6月はさらに賑やかな行事が続きます。
稲の収穫を感謝するウマチーから、新米を祝うカシチーへ
 
旧暦6月の行事体系には、豊穣への祈りと感謝が凝縮されています
 

六月ウマチーと綱引き行事

◇六月ウマチーの大きな特徴のひとつが、綱引き行事との深い結びつきです。
…沖縄各地で六月ウマチーの日に合わせて綱引きが行われてきた背景には、稲の収穫への感謝と次の豊作への祈りがあります。
 
宜野湾市大山では古くは六月カシチー(旧暦6月25日)に綱引きが行われていましたが、いつの頃からか六月ウマチー(旧暦6月15日)に行われるようになったといいます。
 

●また綱引きの由来のひとつには
 
「稲の不作と害虫に悩まされたムラが、田の畦で大綱を引き太鼓を打ち鳴らして、一夜を騒いだところ害虫が全滅した。
 
それを喜んだムラ人が、毎年六月カシチーの時に、綱引きを行うようになった」
 
…という言い伝えも残っています。

 
綱引きは集落を東西または前後に分け、雄綱(ウージナ)と雌綱(ミージナ)をカナキ棒で合体させて引き合う大綱引きなど、地域によってスタイルがあり、盛り上がります!
 
老若男女が一体となって引き合う綱引きは、ウマチーの儀礼が終わった後の集落の一体感を高める場ですね。
 

 
 

六月カシチー(強飯)とは

◇ルクグワッチカシチー(六月強飯)…2026年8月7日(金)
…六月ウマチーから10日後の旧暦6月25日には「ルクグワッチカシチー(六月強飯)」が行われます。2026年は新暦8月7日(金)にあたります。
 

●「カシチー」とは強飯(こわめし)のことです。
…新米でシルカシチー(白い強飯)を作り、ヒヌカンと仏壇に供えて米の収穫を感謝します。

 
さらなる豊作と家族の健康・仕事の成就・家の繁栄を祈願する家庭行事です。
 
六月ウマチーが集落・門中単位の祭祀として行われるのに対し、六月カシチーは家庭単位で行う行事として広く受け継がれています。
 

●新米を使ったシルカシチーをヒヌカン・仏壇に供え、今年の収穫への感謝とこれからの恵みへの祈りを伝えます。

 
現代では稲作をする家庭はほとんどありませんが、スーパーで新米が出回る時期に合わせて白いおこわや強飯をお供えする形で続けている家庭も多いです。地域によっては六月カシチーの日に綱引きを催すところもあります。
 


【スタッフひとこと】
六月カシチーは旧暦カレンダーではあまり目立たない行事ですが、新米をお供えして家族で食卓を囲むという形で続けている家庭は意外と多いですよ。
 
形はシンプルでも、収穫に感謝するというその心は現代にも十分通じます

 
 

ウマチーからカシチーへの流れ

旧暦6月の行事の流れをまとめると、稲の収穫をめぐる祈りと感謝が段階的に積み重なっていることが分かります。
 

<旧暦6月の行事の流れ>
 
●旧暦6月15日(2026年7月28日・火)…六月ウマチー
・稲の収穫を祖先神に感謝し門中・家庭で手を合わせる。
・集落によっては綱引きも。
 
●旧暦6月25日(2026年8月7日・金)…六月カシチー
・新米でシルカシチーを作りヒヌカン・仏壇に供えて収穫を祝う。

 
この2つの行事はセットで旧暦6月の「稲の収穫感謝月間」を形成しています。
 
六月ウマチーで神様・先祖への報告と感謝を捧げ、六月カシチーで新米の恵みをいただく——農耕と信仰が一体となった沖縄らしい旧暦の智慧です。
 
また旧暦8月には「八月カシチー」が続き、旧暦の秋の収穫感謝の流れがさらに続きます。ウマチーからカシチーへの流れを知ることで、沖縄の旧暦行事が農耕暦に沿った深い意味を持つことが改めて感じられます。
 

 
 

まとめ|2026年のウマチーを意識して過ごそう


まとめ|2026年のウマチーを意識して過ごそう
今回は、沖縄の四大農耕儀礼「ウマチー」の意味と歴史から、4つのお祭りそれぞれの特徴・2026年の日程・地域による呼び名の多様性・六月の綱引きやカシチーとの関係までをご紹介しました。
 
琉球王朝時代には国をあげた農耕への祈りだったウマチーは、現代では門中の繁栄祈願や家計安泰・仕事の発展を祈願する行事として形を変えながら受け継がれています。
 
農耕という原点は薄れても、節目に手を合わせて感謝と祈りを捧げるという本質は、今の暮らしにも十分通じるものがありますね。
 

<2026年・ウマチー&カシチー日程まとめ>
 
●二月ウマチー(旧暦2月15日)
2026年4月2日(木)
 
●三月ウマチー(旧暦3月15日)
2026年5月1日(金)
 
●五月ウマチー(旧暦5月15日)
2026年6月29日(月)
 
●六月ウマチー(旧暦6月15日)
2026年7月28日(火)

 
4つ全てのウマチーを行うのが難しい場合でも、最も重要な五月ウマチー(6月29日)だけでもヒヌカンに花米とミキをお供えして手を合わせてみてください。
 
家計安泰・仕事の発展・家族の健康を祈願する形で、現代の暮らしに取り入れることができます。
 
ウマチーのお供え物・拝み方・ミハナ(花米)の呪力については、下記のコラムで詳しくご紹介しています。
 

 


【監修者:東恩納 寛寿(ひがしおんな ひろひさ)】
東恩納写真
公益財団法人 沖縄県メモリアル整備協会 終活支援部長
 
●経歴
19XX年、沖縄県名護市出身。
米国・南ユタ大学コミュニケーション学部卒業。
県内大手建設会社勤務を経て、2007年に公益財団法人 沖縄県メモリアル整備協会に入社。長年、お墓の企画提案や販売業務の第一線に従事し、中城メモリアルパーク所長を歴任。現在は終活支援部長として、沖縄の供養文化と現代のニーズを繋ぐ活動に注力している。
 
●資格・活動
・終活カウンセラー1級(沖縄県初取得者)
一般社団法人 全国空き家アドバイザー協議会 沖縄県名護支部 幹事
 
●実績
県内各自治体、社会福祉協議会、医療法人、老人ホーム等での出張セミナーや講演を累計500回以上実施。沖縄タイムス等のメディア寄稿を通じ、相続や空き家問題、墓じまいに関する啓発活動を行っている。

 
 

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