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沖縄で遺骨を自宅で祀る。手元供養の御願、5つの流れ

沖縄で遺骨を自宅で祀る。手元供養の御願、5つの流れ
沖縄では遺骨は、入るお墓がある場合、葬儀当日にお墓に納骨されますよね。実は、風葬の名残りがある沖縄では、「遺骨を自宅に持ち帰ってはならない」と言う方も多いです。

 

このように、沖縄で遺骨を自宅に持ち帰る選択はレアケース…。ですが一方で、「入るお墓がなく、納骨堂へ預ける予算もない」との相談もあります。

 

また家族のグリーフケアとして、暫く自宅で手元供養を望む声も増えました。そう考えると、確かにニーズは増えていますよね。

 

そこで今日は、沖縄で遺骨を手元供養する場合の、拝みの手順をお伝えします。自宅だからこそ、丁寧に供養をしてみてはいかがでしょうか。

 



 

沖縄で遺骨を自宅で祀る。
手元供養の御願、5つの流れ

 

沖縄で遺骨を祀る、お供え物


自宅に遺骨を持ち帰るのは、その昔はお墓が建つまでの一時的なものでした。そのため、後飾りに遺骨を祀りお供え物をします。

 

【 沖縄の自宅で遺骨を祀る:お供え物 】

 

★ 持ち帰った時の御願では、重箱料理のウサンミを供えてください。

 

①ウサンミをチュクン(二セットの意味合い…、もち重二段・おかず重二段を用意します。)

 

②祭壇の左右には供え花、お水・お茶を供え、中央にお酒(盃に注ぐ)

 

③ヒラウコー

 

④お盆にりんごやミカン、バナナを乗せた果物の盛り合わせ

 

⑤ウチカビ

 

…以上です。

 

重箱料理は、沖縄では慶事用と弔事用がありますので、弔事の習わしに準じてください。例えば、おもちは餡なしの白餅、昆布は結びではなく、返し昆布などです。

 

詳しくは別記事「ナンカスーコーで供える重箱。施主が押さえる5つの基本」も参考にしてください。

 

 

ヒヌカンへの拝み


沖縄でお仏壇と同じように、まずはヒヌカンへ通します。ヒヌカンへはお墓がないこと、家で祀ることになったことを、報告してください。

 

現代では、今の言葉で報告する家も多いですが、昔ながらの沖縄言葉でのグイス(祝詞)をお伝えします。

 

【 沖縄で遺骨の手元供養:ヒヌカンへの拝み 】

 

★「ウートゥートゥー ヒヌカンヌ ウカミガナシー

 

(あな尊き ヒヌカンの神様

 

〇〇ガ ユーアマイトゥビタシンガ、フーシヌネーヤ ブラングトゥ

 

(○○が亡くなったもののお墓がないので、)

 

チューカラ チネーサンムトゥウトーティー、マチールクトゥンカイ ネイビタン、

 

(今日からこの家にお祀りすることにしました。)」

 

「ドゥーリン ウマウトゥーティー、ククルヤスラカニ ムナンジュラスァ マチラチ、ウタビミスーリー ウートゥートゥー。

 

(どうぞこの家で心穏やかに、無事にお祀りできますように。)」

 

ヒヌカンへのヒラウコーはタヒラ半の、二枚と半分、日本線香であれば12本と3本です。

 

 

お仏壇への拝み


ヒヌカンへの拝みを終えたら、続いてお仏壇へと移ります。お仏壇へ拝するヒラウコーはタヒラのみ(二枚のみ)ですので、注意をしてください。

 

御願に集まる家族は、それぞれ半分(日本線香半分)で大丈夫です。

 

【 沖縄で遺骨の手元供養:お仏壇への拝み 】

 

★「ウートゥートゥー、〇〇サン チューカラ クマヌ チネーサンムトゥウトゥーティー ウマチィリ スルクトゥンカイ ネイビタン。

 

(あな尊き御先祖様、〇〇さんを今日からこの家でお祭りすることになりました。)

 

イルイル チガカイナクトゥン アランディウムヤビィシガー、

 

(いろいろ気掛かりなこともあるかもしれませんが、)

 

ドゥーリン クマウトゥーティ、ククルヤスラカニ ムナンジュラスァ、マチラチ ウタビミスーリー ウートゥートゥ」

 

(どうぞこの家で、心穏やかに無難に祀ることができますように。)

 

…と唱えます。

 

後半はヒヌカンへの拝みとほぼ同じです。一時的に沖縄で遺骨を祀る場合には、「なるべく早くお墓を建てますので、しばらく宜しくお願いします。」と伝えてください。

 

 

ウチカビとウハチ


ヒヌカンとお仏壇への拝みを終えたら、他の法事や年中行事のように、ウチカビを焚きます

 

沖縄では定番の「カビバーチ」と呼ばれる金属ボウルに焚くと、安心です。

 

【 沖縄で遺骨を手元供養:ウチカビとウハチ 】

 

① 施主が5枚、集まった家族親族はそれぞれ3枚を目安に焚いてください。終わったら、お酒を掛けて終えます。

 

② 続いて重箱からおかずを数品取り出し、ひっくり返してお重の上に乗せます。これが「ウハチ(お初)」です。

 

③ ひっくり返したウハチから少しよけ、ウチカビを焚いたカビバーチに入れてください。

 

④ 全ての拝みが終わったら、ウサンデー(お供え物を下げること)して家族もいただき、一連の御願は終了です。

 

…ただ、ウチカビを焚いたカビバーチにウハチを入れずに、拝み(焼香=法要)を終えた後に門近くの、誰も踏まない辺りに撒く家もあります。

 

また、ウハチは重箱のおかずの上にひっくり返す家、別皿に取り分けてお供えする家とさまざまです。

 

ウハチを出す時には「ウハチデービル(ウハチです)」と言いながら、お出ししてください。

 

 

遺骨を手元供養するなら…


以上が沖縄で遺骨を自宅に祀りたい時の、一連の拝み方です。この拝み方は本来、お墓のない家で一時期自宅に祀る場合の拝みでしたが、今では手元供養の拝みとしても行われています。

 

【 沖縄で遺骨を自宅に祀る:手元供養 】

 

★ 沖縄のお仏壇は、位牌以外のものをあまり入れません(気にしない家もありますが)。

 

・ ですから沖縄で遺骨を長く祀りたいのなら、粉骨して小さくまとめ、お仏壇の脇か別スペースに祀ると、親族トラブルも避けられおすすめです。

 

今では手元供養用の小さな祭壇も販売されるようになりました。A4サイズほどの祭壇で、来客時には扉を閉めるなど、祭壇に見えないおしゃれな作りもあります。

 

 

いかがでしたでしょうか、今日は沖縄で遺骨を家で祀る時の、拝み(焼香=法要)の流れと手順についてお伝えしました。

 

沖縄では葬儀後に納骨ができなくても、自宅に遺骨を持ち帰ることを嫌がる方も多くいますが、冒頭でお話したように風葬の名残りです。

 

故人の気持ちを想っても、自宅に帰ることに違和感はありませんし、全国的には「手元供養」がひとつの供養方法として、認識されつつあります。

 

またお墓に埋葬できずとも、一時期的に納骨堂に預ける方法もひとつの選択肢です。

 

 

まとめ

自宅に遺骨を祀る時の、沖縄の御願

・重箱に果物、基本のお供えを供える
・遺骨は後飾りに安置する
・まず、ヒヌカンに報告の拝みを行う
・続いてお仏壇に拝む
・ウチカビを焚き、ウハチを出す
・手元供養なら別スペースに安置する
・納骨堂へ収蔵する方法もある



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