沖縄のお墓を長持ちさせる。適切な石材を考える
沖縄のお墓は、台風が多かったり海が近く塩害が気になったり…と、お墓ひとつでも心配な要素が多々あります。人々が住む家と同じように、お墓もまた、長く寄り添うものですから、いつまでも耐久性のあるものを建てたいですよね。
それには日頃のメンテナンスや管理も大切ですが、これから沖縄でお墓を建てるなら、「石材選び」にこだわってみるのも、ひとつのアイデア。あまり気にせずに、見た目で選ぶ方々も多いのですが、石にはそれぞれ、大きな特徴があるのです。
沖縄でお墓を建てる時の石材が、塩害や雨風に強いものであれば、安心してお墓を建てることができて心強いですよね。そこで今回は、沖縄のお墓に適した石材の特徴と、おすすめの石をお伝えします。
直接石材屋さんに行ってリサーチするのも良いのですが、事前に知識を得ることで、より良い石材を選びやすくなるはずです。
沖縄のお墓を長持ちさせる。
適切な石材を考える
昔ながらの沖縄のお墓の問題点
沖縄のお墓と言えば、その大きさ。南部まで足を運ぶと、何かの観光地かと思わせるほどの大きな亀甲墓などの門中墓が見受けられます。全国的なガイドブックにも載るほどですから、それだけ全国的にも独特の魅力があるのではないでしょうか。
【 昔ながらの沖縄のお墓、問題点 】
■ 沖縄のお墓には、その大きさから何とコンクリートを使用したものが、多い!ただ石材よりもずっと、経年劣化が目立つのがコンクリート…。
・ 管理が行き届かない場合には、外見がボロボロにヒビが入るものまで見受けられます。
ある程度のヒビや彫刻の変化は、修繕をすることが可能ですが、あまりに建てられてから月日が経っているお墓は、建て直しが不可欠なこともあります。
特に風葬文化があった沖縄では、海近くの洞窟や崖にあることも多く、海風にさらされて、劣化が激しいことがあるのです。
劣化がひどいお墓は、改葬も検討
このような建てられてから月日も長く、劣化も激しい沖縄のお墓の場合、思い切って建て直しや改葬を検討することも一案。現代の暮らしのなかで、お墓の管理やお墓参りが困難なケースでは、改葬によって大きく楽になるのです。
【 より管理やお墓参りがしやすい場所へ、改葬 】
■ 風葬が主流であった昔と違い、現代は火葬をして骨壷を納めます。そのため、昔ほど大きなスペースは必要がなく、コンパクトで管理がしやすいお墓に改葬することも、検討に入れる方々も増えています。
自分達で管理しなければならないものの、思うように掃除や管理が行き届かず、草木がボウボウになってしまったりと、その維持に悩んでいる場合には、個人墓地から霊園墓地へ改葬する方法も一案です。
もしも遠方に住んでいるなど、霊園墓地でも管理が難しいケースでは、納骨堂などを選択して永代供養を付加し、施設や寺院が管理してくれるものもあります。
沖縄の気候を考える
ここまで昔ながらのコンクリートのお墓についてお伝えしてきましたが、これから新しい沖縄のお墓を建てるなら、沖縄の気候を十分に鑑みた石材を選ぶことをおすすめします。
【 沖縄の気候を考えた、石材選び 】
■ 沖縄は台風も多い島国の県。そのため、場所によっては潮風にさらされることになり、石材によっては経年劣化が激しくなるのです。沖縄にお墓を建てる際に、より注意して選びたい石材のポイントは三つ!
・ 水分を吸収しにくいもの
・ 石密度が濃い、締まったもの
・ 硬度が高いもの
つまり「硬い石材」が適している、と言うこと。石材とひと口に言っても、その種類は細かなものまで数えたら何百にもなります。
さらに同じ種類でも産地によって、細かく特徴が変わってくるので、石材を選ぶ前に石材屋さんに聞いたり、調べたりして特徴を確認すると安心です。
人気があった大理石がNGな理由
前項でお伝えした、沖縄のお墓に適した石材の特徴で考えると、一時期沖縄のお墓の石材として人気が高かった大理石は、残念ながら適していない部類に入ってしまいます。
【 大理石が沖縄でNGな理由 】
■ 大理石は主にカルシウムで出来ています。想像が付くように、彫刻が施しやすいメリットがある反面、それだけ柔らかい石でもあるのです。
・ 酸に弱い大理石は、沖縄の酸性の雨を吸収しやすく劣化が進んでしまいます。表面の光沢が失われ、コケも付いてくるのも問題のひとつ。
欧米では人気のある大理石のお墓ですが、沖縄の気候にはあまり向いていないのです。一時期人気のあった大理石のお墓、こまめな掃除や墓石をコーティングでガードするなどの対応策も検討してみてはどうでしょうか。
沖縄でおすすめの石材とは
このような事情から、現代の沖縄のお墓で最も人気の石材と言えば、「御影石」。この御影石も他の石材同様、産地や特徴もさまざまで、価格帯もピンキリです。
【 沖縄でおすすめの石材、御影石 】
■ 人気の御影石だけに、産地などによって価格帯が大幅に変わります。
・ 日本で算出された御影石は人気ですが、やはり高い傾向にあり、現在では中国産やインド産が人気があります。
さらに御影石は色の種類も様々。人気の黒目や濃いグレー(インド産の黒御影石)の他、緑(康美青)やピンクがかったもの(桜みかげ)など、バリエーションが豊富なのも魅力です。
いかがでしたでしょうか、せっかく沖縄でお墓を建てるなら、沖縄ならではの環境や気候も鑑みて、長くキレイに保つことができるような、耐久性のあるお墓を建てたいですよね。それには石材選びが大切です。
本文でお伝えしたように、ひと昔前のように海風にさらされる環境下で、新しくお墓を建てる必要はなく、お墓の管理がしやすい場所へ改葬する場合がほとんどですが、それでも沖縄では塩害がつきもの。
もともと雨の多い日本ではありますが、沖縄ではより石材まで気を配って、管理をしたいもの。それには建てたあとのこまめな掃除や、コーティングをはじめとしたメンテナンスも有効です。
本記事を参考にしながら、安心できる沖縄のお墓を建ててください。よく見比べると石の密度や色など、墓石選びもなかなか興味深いことが分かります。
まとめ
沖縄の気候に適した石材
・沖縄の昔のお墓は、コンクリートのものも多い
・劣化が激しいコンクリート墓は、改葬も検討
・水分吸収率が低く、硬度があり、密度の高い石が適切
・大理石は「柔らかい石」。沖縄には適していない
・沖縄で選ぶなら御影石。色も豊富でバリエーション豊か